第15話 親☆父☆襲☆来

〜6月28日・午前7時 自宅・リビング〜

もう、サブタイトルで全てお察しだろうが・・・。今回はそういうお話だ。最っ高にハイ↑な親父との絡みを、どうぞお楽しみください。・・・あー、横から声がギャーギャーギャーギャーと聞こえる。朝っぱらからうるさいなー。

「と、父さん?まだ朝なんですし、もう少しテンションを・・・。」

「はぁ・・・。」

「ハッハッハ!そんな迷惑そうな顔さんなヨ!久々に『パパ』が帰ってきたんだからヨー!!久々の我が家は心が落ち着くぜぇー!!Foooooooooー!!YoYoー!!」

・・・相変わらずハイなヤツだ。・・・今のテンション・・・つまり平常心が俺の深夜テンションと変わらないくらいハイなヤツだ。

そう。このハイな圧倒的出オチキャラにして、俺の深夜テンションの元凶(遺伝子的に)ともいえるこの男こそ、俺と茉莉の親父・・・「坂下さかした 竜司りゅうじ」(39歳)なのである。

そういえば今年度に入って以降、親父はまだ1回も家に帰ってきてなかったな。表向きは「写真家」として、国内外を渡り歩いて色々な写真を撮りつつ、俺達には言えない仕事をこなしているらしい。まあ、少なくとも華のような極道系のアレでは無いらしいが。元々仕事が忙しく、1ヶ月以上帰ってこない事もしばしばであったが・・・。最近はさらにその仕事とかいうやつが忙しくなったのか、今年度になって以降は、今日まで1日も家に帰って来ていなかったらしい。・・・などと、色々説明しておいて言うのもどうかと思うが、俺は「親父」という存在にピンときたことが無い。親父がほとんど家に帰って来ない(帰って来たとしても俺達が寝ている真夜中に荷物を置きに来るくらい)上に、2年前に記憶を失った事も相まって、「パパ」と言われても、「あー、そんなオッサンもいたっけなー」程度にしか思い出せないのである。・・・親父には悪いが、学校や放課後によくつるんでいるアナベルや桃矢達の方が、どちらかというと親父よりも家族のような実感が湧いてしまっている程だ。俺は少なくとも、親父というより、「歳上の友達」だと思っている。

・・・で、そんな親父が一体、こんな時に何の用なのだろうか?そのよくわからん仕事をクビなった・・・とか?

「いやー!参った参った!実はね、パパ、本格的に単身赴任する事になったんだヨ!」

口に出して聞く前に答えやがったな、このオッサン。

「・・・どーゆー事だ?」

「今までずっと単身赴任みたいなものでしたけど・・・。」

「まーそーなんだけどねッ!本格的に活動の場を広げるって事で、イタリアに拠点を移すことにしたんだヨッ!・・・というわけで、しばらく家には帰ってこれないからナ。出発日の前日くらいは、我が家でしばらくゆっくりしたいと思ってネッ!やっぱり我が家は落ち着くヨネ!」

「とてもそのテンションで落ち着いてるとは思えねーけどな」

「う、うん・・・。まだ土曜日の朝7時なのに・・・。」

あ、そういえば敬語だった茉莉がタメ口に戻ってる。

「あ、茉莉ィ!朝ごはんってあるかいッ!?」

「い、いいえ、まだ・・・。」

前言撤回。そんな事はなかった。

「じゃ、ここはひとつ、久々に帰って来たパパが朝ごはんを・・・!」

お前は引っ込んでろ、料理音痴。(茉莉の料理が上手くなったのは、親父がアナベル並みに料理音痴であるため、「親父のダークマター食うくらいなら自分で作った方が良くね?」という思考に至ったためらしい。)

「わ、私が作るので待っててくださいっ!」

ナイスカット、茉莉。いや・・・師匠(料理の)。

「ありがとな、茉莉。楽しみにしてるぞ。」

「うんっ。兄さんのために、愛情込めて作るね。」

「あれ、パパは・・・。(玉砕)」

残念だったな、父よ。妹から愛情を注がれるのは兄の特権なのだ。彼氏ができるまでという期限付きだが。・・・とりま、貴様はここでヘタレこんでいるが良い。(まだ寝起きだからテンションがおかしい)

〜午後0時〜

その後、俺達は茉莉作の朝食を食べ、調子に乗ってはしゃぎ回る親父を2人で何とか止めながら過ごしていたら、いつの間にか時刻が正午をまわっていた。・・・俺達の親父は、良く言えば若々しい、悪く言えばバカなのだ。

「・・・親父。もうちょっと落ち着けっつーの。ホント疲れ知らずだよなー。」

こちとら、すぐ眠くなるってのに・・・。

「あの、父さん・・・。」

「いーじゃねーか!どうせ明日にもなればパパはしばらく帰ってこないんだからヨ!」

「そうですけど・・・。」

「それにしても限度ってもんがあるだろーよ・・・。一体何が理由で・・・。あと、さっきから思ってたけど何で語尾がカタカナになってんだ?」

記憶を失った直後に話した時はまだフツーの喋り方だった気が・・・。

「へ?ああ、海外をうろつきまわってるうちに自然と、日本語を少し忘れちゃったみたいでナー。」

「あー、要は海外にかぶれたと。」

「それで、典型的なカタコトになったんですね・・・。」

「かもナ!HAHAHAHAHAHA☆」

「「・・・。」」

ここでとうとう、俺と茉莉は絶句してしまった。本当に、この親父はどう抑えつけていれば良いのやら・・・。

「HAーッHAッHAッHAッHAッHA☆」

「「・・・」」

「HAHAHAHAHAHA☆」

「くそやかましいぞ!!騒いでんじゃあねぇーーーっ!」

一体何がおかしくて笑ってたんだ!?バカにしてんのか!?ヤヴァイ薬とかやってないだろうな!?

「どこのホームドラマですか・・・。」

茉莉が露骨に嫌そうな顔をしている。わざとじゃあないのだろうが・・・その嫌そうな顔が、今現在茉莉が抱いている感情だと思うと・・・。

・・・いや、さすがに親父が不憫だ。これ以上の事は言わないでおいてやるとしよう。

「いやいやスマンスマン。久々の我が家で、ついはしゃいじまった。アイムソーリーヒゲソーリー」

「ギャグ古すぎワロエナイ」

いつのギャグだっての・・・。

「同感です。」

「ガビーン!」

だから古いって言ってんだろ!このクサレ脳ミソがァーーッ!

「はぁ・・・しっかりしろよな、オールドオッサン(つまりお爺さん)。」

「39歳で息子にお爺さん判定を受けるとは思ってなかったナ」

だってお爺さんじゃん。・・・ネタとかノリとかが。 年齢的なものではなく流れ的なものとか中途半端な片言を使うかぶれ具合とか、そういう面での古さがさぁ・・・。

「父さん、無理してボケなくても良いんですよ?お互い、悲しくなるだけですし。」

「うん、茉莉。パパね、その言葉でトドメを刺された気がするヨ」

うわぁ、ここでとうとう茉莉の天然思考が毒を吐き始めたぞ・・・。(天然な人が吐く毒は、毒舌キャラやツンツンキャラが吐く毒とは違って、本当に嫌がっていたりウザがっていたりする時にしか吐かれる事がない。故に、流石の純粋な茉莉も親父のウザさにはご立腹という事だ。)

〜午後1時〜

その後、昼食を済ませ、親父がテレビを静かに観ている姿を見て安心しながら俺と茉莉がソファーに座った時だった。

「ピーンポーン♪」

突然、インターホンの音が鳴った。誰かと思い、テレビを観ている茉莉を横目に玄関へ行き、覗き窓を覗いてみると・・・そこには猫菜と華、そしてアナベルの姿があった。

〜自宅・玄関〜

「失礼しまーす!」

「ふふっ。失礼するわね。」

「アタシも失礼するっス〜。」

「・・・俺の方こそ失礼しますっつーか・・・今日はお前らに失礼しそうなのがいるけど・・・構わずくつろいでてくれ。」

「こんにちは!アナベルさん。猫菜さん。市原先輩。」

玄関で靴を脱ぐ3人の美少女を俺がリビングへ案内しようすると、突然、廊下とリビングを繋ぐ扉から、親父が飛び出してきた。

「「うおおおおおおおおおおおっ!?」」

危なっ!

「親父!?家の中で走ったら危ねーだろーが!つーかどうした!?そんなに急いでどこに・・・」

〜自宅・リビング(盗み聞き開始)〜

「悪ィ悪ィ!やあ、久しぶりだネェ!アナベルちゃん!あと・・・そちらの2人も、来兎と茉莉の知り合いかい?よくきたネッ!」

「あっ!久しぶり!来兎のパパさん!」

「初めまして(という事にしておこうかしら。あちらでの記憶は無い訳だし。)。私は『目黒 猫菜』です。来兎君にはいつもお世話になっております。」

「ども。アタシは『市原 華』っス。そーゆー業界のボスの娘やってるんで、何か困ったことがあったら来兎センパイを介して言ってくれれば、力になるっスよ。」

なるほど、久々にお隣さんであるアナベルに顔を見せておきたかったのか。・・・いいや、でも、トイレを我慢しているわけでも何かに遅刻しそうな訳でもないのに家の中を走るのは良くない。もうすぐプールのシーズン(夏)だし、後でビニールプールで冷やし土下座でもさせておくとしよう。そして俺はリビングで、6人分の麦茶を用意してきた茉莉と一緒にゆる〜くテレビを観よう・・・と思ったが、親父が親父であるだけにいろいろと不安だということで、リビングと玄関前の廊下を繋げる扉に耳を当てて、盗み聞きを始めた。

「みんな個性豊かで良いネ!これからも、来兎と仲良くしてやってくれよナ!それにしても、美少女が3人も家に来るなんて・・・来兎も隅に置けないナ。」

「いや、別にアタシと来兎センパイはそういうのじゃなくて、ただの友達なんで。そ、そういうのじゃないっスから・・・。」

「ふふっ。確かに、来兎君にはいつも助けられていますけど。」

「来兎のパパさん・・・。そういう冗談もだけど、昔っから変わってないね!・・・ちょっと喋り方が片言っぽくなったけど。」

俺は、「ハァ!?親父って、昔もこわなテンションだったのか!?年取って陽気になったとかじゃなくて!?俺の記憶が消える前から!?ずっと!?」という驚きの叫び声を必死に押し込めながら、リビングでの盗み聞きを続けた。

「ああ。さっき来兎にも言われたけど、海外をウロついてる間に日本語をちょっと忘れちゃったみたいなんだよネー。」

「そりゃ大変ッスね〜。」

「ところで・・・来兎君はどこにいるんですか?」

ここで2人が「早く家に入れろ」と言わんばかりに話を進めようとする。

「ああ、来兎と茉莉はリビングにいるヨ!さ、君達も上がっテ上がっテ!俺はちょっと自室から久々に使うノーパソ持ってくるからサ!」

それに気づいたのか、流石の親父も話の流れに乗って3人を家に上げ、親父は自分の部屋へノートパソコンを取りに行った。

「いやー。なんか楽しそうな人だったっスね、来兎センパイの親父さん。」

他人ひとの父親への容赦ない皮肉。これはひどい(笑)。

「少なくとも悪い人ではないということはわかったけれど・・・。(悪い人じゃないというか、多分、頭がハッピーなだけね・・・。)」

もはや失礼だとツッコむ隙もないほどに大正解である。

「ねえ!この麦茶って飲んでいいやつ?」

お前はもう何というか・・・好きにしろ(ツッコみ疲れた)。

その後、俺は、茉莉が用意してくれていた麦茶を片手に、(オンエア外で)女性陣がプレイしたがっていたTRPGのゲームマスター(キーパー)兼ツッコミ役をやっていた。・・・そして物語がひと段階し、休憩時間になってすぐに全員が麦茶の入ったコップに手をかけた瞬間だった。

「なあ来兎来兎〜!お前って、誰が好みなんダー?」

・・・空気を読まないジジイ(まだギリギリ30代)が最悪のタイミングで入ってきた。

「「「「「ゴファッ!!」」」」」

そして、見事に全員が麦茶吹き出した。

「「オイジジイ!テメーちょっとは空気読めやゴrrrrrrァ!!」」


・・・お分かりいただけただろうか。

今の発言、本来なら「」は1つのはずなのだ。俺しかこんな事言わないはずだからである。なのに、


「「」」


・・・お分かりいt(略)

「あ、やべ、いつもの癖でつい口調が荒っぽくなっちゃったっスね。失礼したっス。」

「お前かーーーい!!」

ここで華が組長の娘である事の片鱗を見せていく。うーん・・・やはり親が親だけに子も子だ。決して悪人では無いのだが口が悪いという点は完全に親譲りだなー。

「・・・エート、何だろう、この感じ。」

「何だジジイ」

ちなみに、俺の口までめちゃくちゃ悪くなっている訳に関してはもう人間としての感情をフル活用して察して欲しい。俺はキレているのだ。この状況で突然こんな話をしないという空気の読み方くらいできないものなのか・・・。空気を読むどころか、デリカシーが無さすぎると思うのだが。

「華ちゃんに『オイジジイ!』って言われた時、ちょっと快感を・・・。」

「もしもし?ポリスメン?」

華がスマホを取り出し、画面を耳に当てて「これ以上何か変な事吐きやがったらガチで通報するぞ」という合図を送る。

「オイマジでやめろ気持ち悪い」

「うわっ、来兎のパパさんって変態だったんだ・・・。気づかなかったよ・・・。」

「・・・桃矢君もだけど、来兎君の周りにいる男性って変態なのかしら?まだ2人目だから何とも言えないけれど・・・はぁ。つくづく大変ね、来兎君も。」

「父さん・・・(蔑み)」

「イイネ!茉莉!その目!もっと!もっとダメなパパを蔑んでくれェェェェェェェー!!」

・・・度が過ぎたMが、まさかここまでのホラー要素になってしまうとは思わなかった。もう変態とか、そういう話で済まされるものでは無い。もっと恐ろしいものの片鱗を(以下略)。こいつは早急に対処しなくては。

「WRYYYYYY《ウリイイイイイイイ》!」

俺は、第14話の時にゴキブリを叩き潰した際と同じ要領で、発狂している親父にラッシュを叩き込んだ。・・・家庭内暴力は良くないと思うが、これに関しては正当防衛だと思って頂きたいものだ。

・・・過剰防衛?知らない子ですね。

「ブブブブブブブブブベァ!」

そして俺のラッシュを特に構えることもなく受けた親父は、その勢いで3メートルほど吹っ飛んでいった。

「「「「いともたやすく行われるえげつない行為」」」」

・・・うるさいのをピヨらせる事はできたが、さすがに皆には少し引かれてしまったようである。

「仕方ないだろ。このまま放っといたら何するかわかったもんじゃねーぞ」

「確かにそうだけど・・・。」

「さすがにそれは『やべーやつ』だよ!?」

「親が親であるだけに来兎君にこういう要素があるのも仕方ない・・・のかしら・・・。」

「ツンデレヒロインでも無いのに暴力系キャラはよろしくないっスよ〜?」

「何故俺が怒られなきゃならないのか・・・。」

「「「「罪悪感なしッ!?」」」」

「やめろ声を合わせるな」

「「「「だって行動が完全にやべーやつのソレだから・・・」」」」

「オウフナンテコッタイ・・・」

妹を護ったのに声を合わせてフルボッコにされる俺の存在とは・・・。確かにやりすぎたとは思ったけどさぁ。

「あァァァんまりだァァアァ!!」

あ、うるさいのが起きた。

「ナンデ!?ナンデなの!?こんなにもオトゥー=サンお父さん(B.C.10〜A.D.3)の扱いが雑なのはナンデなの!?」

・・・今の音声を文字に起こしたらいろいろおかしくなった事に関してはツッコまないでおこう。

「いや、俺は、娘とその友達に罵られて悶えてる親父を見ていろいろと危ないと感じたからとりあえずブン殴っただけだけど」

「なんでとりあえずブン殴るノ!?」

「言っても聞かないってわかってる以上、強制終了するしか無いと思って」

「あァァァんまりだァァアァ!!(2回目)」

「まあいくらやりすぎとはいえ、原因が原因だからこればっかりは仕方ないとしか言いようが無いわね。」

「来兎パパ・・・キモかったよ・・・?」

「アンタがアタシらにどんな感情を抱こうが勝手っスけど、アタシらに不快感を与えるようなサマをここで見せないで欲しいっスね。実に気分を害したっス。」

「ごめんね父さん。私、父さんの気持ちには応えられない。」

オイやめろ。女性陣お前らが罵るとまた・・・。

「ウッヒョオオオオオオオオオイ!!(発狂)」

こうなるから・・・。

「ヒョオオオオオオオオッホォ!」

あーうるせぇ。ここは再び、俺が手を下して黙らすしか・・・!

「そいっ」

しかしその前に、華がポケットからスタンガンを取り出して親父を一撃で落とした。

「あばばばばばばばばばばば!!」

「「「「・・・」」」」

「さ、何のテレビ観るっスか?」

「「「「いともたやすく(以下略)」」」」

「エー、だってキモかったんですもん」

「違いねぇ。許す。」

「もう2度目は知りませんっ。」

「あたしもー。」

「『Mは2度落ちる』とはまさにこういう事ね・・・」

今、「そんな言葉ねーだろ」とツッコもうと思ったが、言い回しが完全にネットスラングの改変だったからツッコめなかった。無念。

その後、気を失って倒れている親父を尻目に、俺達はソファに座って皆でテレビを観たり、先程、親父に邪魔されたTRPGの続きをプレイしたりして、ほのぼのとした日常を噛み締めた。

〜午後6時〜

・・・そろそろ出発時間とやらが危ういのではないかと思った俺は、無理矢理瞼を押さえつけて、よく目にしみると評判の目薬を片目あたり10滴程ずつ垂らした。

「・・・ぎゃあああああああああああああああ!!!」

「「「「うわぁ」」」」

悶える親父。再び引く女性陣。そして「早く起きろ」と言いながら、追加の目薬を親父の目にドクドクと流す俺。我ながら鬼畜だと思うが、なりふり構ってはいられない。世間よ、許せ。

「やっと起きたか。出発時間、そろそろヤバいんじゃねーか?」

「おっと!確かにそろそろ行かないとネ!ウオオオオーッ!じゃあナ!またいつか、帰ってくるぜぇッ!」

そして親父はリュックサックと謎のアタッシュケースを持って、靴を履いて玄関扉に手をかけた。

「来兎パパ!久しぶりに会えて嬉しかったよー!・・・ちょっとキモかったけど。」

親父の行いのせいで余計な一言が余計な一言としての仕事をしていないというカオスな空間が出来上がってしまっている。・・・どうすんだ、これ。

「また時々帰ってきて下さいね、父さん。できれば、その度が過ぎたMを抑えてから。」

茉莉も朝と比べてだいぶ荒んだし・・・。

「さよなら。」

「グッドラックっス。」

後者2人はもうテキトーじゃん。・・・はぁ。

「・・・じゃあな、親父。せめて、外ではその醜態晒さねーよーに気をつけてくれ。俺が願う事はそれだけだ。」

「オウフ・・・辛辣だけど・・・また来るヨ!3人とも、これからも来兎と茉莉と仲良くしてやってくれよナ!そして来兎!茉莉!金はちゃんと納めとくから、兄妹で支え合って元気に過ごせよなっナ!あばヨ!」

「ああ。じゃあな、親父!」

「また会いましょう!父さん!」

「じゃあねー!来兎パパー!」

「来兎君と茉莉ちゃんの事は、私達に任せて下さい。」

「そっちこそ、アタシみたいなマフィアに気をつけるんスよ〜!」

こうして親父は、最後の最後で父親らしい事を言った後、すぐに玄関から荷物を持って飛び出していった。色々とまだ謎も変なところも多い親父だが、これからも、「多分」家族である存在として、仲良くやっていけたら良いと思う。・・・今日の行動は、とてもそれとはかけ離れているようにしか見えなかったが(これもご愛嬌という事で)。

そして、いつか記憶を取り戻した暁には、ちゃんと感謝の言葉をいつか話せたらいいなと、密かに思う俺だった。

・・・ついでに、欲を言うならば・・・次に会う時は、もう少し精神年齢が上がっていたらいいなと思った。




「・・・『蜘蛛の糸』。これで大丈夫かしら。あとは・・・来兎君の父親が尻尾を出すまで待つだけね。」

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