本と学ぶ

エミアさんとギルドの建物の外に出ると、目の前には馬車が止まっていた。


「元気か?エミア、随分と見ない間にむちむちになったなぁ?」


馬鎧に繋がった紐を持った50半ばぐらいのおじさんがエミアさんに話しかけた。


「うるさいよ、それにそこまで太ってない。ジル、レビーザ図書館までお願い。」


はは、と笑ったジルと呼ばれているおじさん。


「はいよ。」


そういった後に、僕の存在に気付いたジルさん。


「おい、エミア。」


僕は、お構いなしにエミアさんについていく。


「おまえ、をギルドに入れたのか?」


え、僕がエミアさんの妹!?

僕男の子だしエミアさんとはさっき知り合ったばかりなのに!?!?


「んなわけないよ。知り合いの子だよ。」

「可愛いお嬢ちゃんじゃないか。」


ちょ、ちょっと、僕男なんだけど...


「ほら、行こうよルック君。」


「は、はい。」


男の子だったのか君は、と独り言をつぶやくジルさん。

エミアさんは、わからなかったの?と少々驚いている様子で、こちらを見てきた。

ジルさんはそうか...と感慨深い顔をして前を向いた。

鞭打つ音が聞こえ、馬車は動き始めた。

エミアさんは10分ぐらいで着くと教えてくれた。



「ついたよ」とジルさんの声、意識が戻ってくる感覚を覚えた。

寝ていたみたい。

ありがとうございましたとジルさんに伝え、馬車から降りる。

ジスさんが操縦する馬車を見送り、図書館のほうに振り向いた。

そこには、立派なバロック建築の建物が建っていた。


「大きい...」


「そうでしょう?お暇をもらったら絶対にここに来るの。私が行ける世界の中で一番大きい図書館はここだからね。」


ロートアイアンの門扉は大きく開いていて、門扉の縦は高いところで約2.5m、横は約4mぐらいだ。

柱に向かって高さは減っていって、柱は太く、高さは2mぐらいだ。

その柱の横にもロートアイアンのフェンスは続いている。

その門扉をくぐると、淡い水色の屋根に、真っ白でアーチ形の観音開き窓がたくさんついている壁と、大きな入口の前には、横に広く三段ほどの階段があり、その手前でコンクリートの道は丸い三角のようにUターンして、また同じ道に戻っている。


エミアさんに連れられ、整備されたコンクリートの道の上を歩いて入口に足を踏み込んだ。目の前にはたくさんの本が入っている本棚が、左右にたくさん現れた。真ん中は廊下のようで、赤のじゅうたんが引かれている。

ところどころに大きな柱が立っていて、上を見上げると吹き抜けになっていて、三階まであるみたい。


「ルック君は、世界の歴史だよね。だったら二階にまとまってあるよ。私は高度医学書のコーナーにいるから、三階かな。右奥の魔法陣は魔力がなくても好きな階層にいけるから便利だよ。」


そう案内されながら魔法陣の方向に向かっていく。

高度医学書ってなんだろう...

そう考えていたら、緑の大きな円が見えてきた。

床に映し出されている円をよく見ると、よくわからない模様や文字らしきものが書いてある。

エミアさんはその上に立ち、僕をその中に呼んだ。

僕は恐る恐る中に入った。

すると床の円が淡い緑になり光りだした。

その光はだんだん広がって、僕の視界はその光で覆われ、思わず目をつむった。


ゆっくりと目をあけると、エミアさんが笑っていた。

どうやらエミアさんは慣れていてまぶしいとは思わないらしく、まぶしがっている僕を見て、おかしくて笑っていたらしい。

エミアさんは軽く笑いながらも世界史の本があるところまで案内してくれた。

世界史コーナーについてからエミアさんと別れた。

分厚い本がたくさん並んでいて、棚ごとに世界が分けられているようで、並び順は奥に行くにつれ近代の歴史になっているみたい。

実は、この世界の名前は「ザベット」というらしい。

こっそりと新刊としてチラシが張られていた。

僕は先に住んでいた町を調べようと、スタッフさんに聞いてみたけれど、わからないといわれた。

しかたないや。この世界について調べよう。

文字は僕がお父さんに昔教えてもらった字だった。

たくさんの棚の中からこの世界の名前を探しだして、その棚にあった本を手前から読んでいった。


ザベットの世界は、貧富の差が激しい世界の一つで、国により風景が全く違うらしく、それは先進国か否かによるらしい。

美しい田園風景が多くみられる国「ベッタ」や、僕が今いる大きい公共の建物やギルドが多い国「レジック」、迷路や魔物、襲ってくる危険な動物ばかりの国「ディット」そのほかにもたくさんの国があるらしいけど、主な国はそのぐらいらしい。

リブネスの湖は、ベッタの中にあるみたい。


もともと、国単位でギルドがあり、国同士で争っていたらしいけど、ほかの世界からの来訪者が増え、その来訪者たちは国やこの世界を滅ぼそうとしてきたらしい。

そのため、その来訪者たちに対抗するため、国同士、ギルド同士が団結したらしい。

来訪者との話し合いにより、その世界とは中立となったらしい。

来訪者のおかげでほかの世界との交流や貿易ができるようになり、この世界は見る見るうちに発達し、今では世界の中のトップクラスになっているらしい。


冒険者やギルドに所属する者以外は、この中心部となっている「レジック」だけで生きれるぐらい発達しているらしい。


あの街ってすごいんだ....


そう思いながら夢中で本を読んでいました。


「あ、いた!ルック君探したよ〜」


エミアさんの声が聞こえた。

本に没頭していて気づかなかったけど、もう既に夜になっているらしい。


今日はギルドの来賓宿泊用の部屋を貸してくれるそう。

明日からの宿泊場所は、また別のところに行くか、マスターに相談してね、とエミアさんは言った。


図書館から出て、馬車に乗り、来た道を帰る。

夜のレジックは、とても輝いて見えた。

とてもワクワクした。

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Andel Adventure Note りると @MikaNovelist

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