第484話―凍土蒼紅のトウガ2nd―
外に出れば女性らの黄色い声が振り上がります。横目で視線を感じない程度に確認しますと、どうやら男装をして作り上げた
正直そこまで気合を入れたコーデではないし容姿は物静かな硬派な男の子というコンセプトにしています。
トップス(服)は真っ白なサマーニットにしてボトムス(ズボン)はセミワイドパンツと綺麗を雰囲気に少し抑えながらカジュアルな洋装とした絶妙的に身につけています。
幅を広くみせるというボトムスは、わたしの細長い足を隠して男らしくみせるという狙いがあります。
それは往来のあるところで顕著に反応を示されており、評価されているようで気持ちよくなります。
男装するために所持金を多くを使ってしまいましたが、お兄ちゃんを楽しませるには必要出費。
「隣に立って歩いていると俺まで注目されてモテっているような勘違いしそうになるけど。
これ全部は冬雅の眉目秀麗と考えると改めてスゴイと感じるよ」
「フッ、当然…だ。お褒め預かり光栄として受け取らせてもらう。
でも一つ苦言させてもらえばモテモテなのは、わたしかもしれないけど。
長期的には、お兄ちゃんの包容力とか奇襲するような男らしさに琴線に触れて恋の使徒になる子もいるんだぜ」
漫画やラノベなどで培ってきた男装の口調を使ってみましたが隣のお兄ちゃんは、どう返せばいいのか分からないといったような苦笑しています。
あー、なかなか難しいですねぇ意外にも。でも今日は女の子であるデートでは無くて男の子として遊び回るには新鮮味というだけではなく他にもあります。もし同性で遊びに行くならどこに行くか点にです。
きっと、わたしだけでなく様々な女の子と擬似的なデートを重ねています。
そう考えると嫉妬はしますが悪魔で擬似的な意味でのデートなのでキスなどしないようにしていると考えたら我慢は出来ます。
いえ、そうではなく女の子と行動するのが多いであるなら逆説的な発想で活かせるのではないかと考えたのです。
それが男装です。
それでも女の子と認識していますが男の子として振る舞えば気さくにわたしを少なからず男の子として扱う可能性はあります。
そうなれば普段なら決して口にしないであろう性癖みたいな話題や好きな女性のタイプ、それに遊び回るならデートでは決して足を向けない場所にも
行くはずです。
(遊び回ると思わせての実は情報収集でもありちょっと趣向を変えてみたデートなのです。
今日はドギマギなデート捨てましたが今後に活かせる密接になれるように
進みますよ!)
まず向かったのはゲームセンターです。歩きながら他愛の話でわたしはタイミングを図り、さり気なく遊ぶ場所はどこがいいかな?とお兄ちゃんに自然な独り言な感じで言いました。
そこで、お兄ちゃんの出た言葉がどこであろうと同行しようと決めていました。もし、結婚式や行為をするような場所だったら覚悟も決めていました。
ですがゲーセンは以外でした。
「久しぶりにゲーセンに来ましたが…凄いですねぇ、なんだか。響き渡るゲーム音?と言いますか」
入店すると、わたしたちを出迎えたのは様々なゲームから押し寄せてくる音でした。
喧騒な街の中にある施設は別空間のような不思議な賑やかがあります。
「たぶんだけど自然とそうした開放的な入り口になっていると思うよ。
どれかを優先的に、あるゲームだけ音量を著しく高く調整したら他のゲーム音を阻害されるからコーラスみたいに複数が流れていると推測している」
入り口をくぐって先頭を歩くお兄ちゃんについて進みながら飛び込んでくる複数の音を応えてくれる。
最後の推測というワードからお兄ちゃんの個人的な推測になるのだろう。
やや曖昧で的を射ているのか分からない根拠の無いのですが、そうではないかと考えているんだと思いました。
「そうかも。それじゃあ、そろそろどのゲームで遊部下決めませんか?」
「そうだね。どのゲームを遊ぶか…よし。あそこにしよう」
見渡すとお菓子や人形の景品のクレーンゲームや旧式なプリクラ、銃型のコントローラーゾンビゲームみたいなのが稼働しています。
もし、わたしが選ぶのでしたらプリクラを撮ってからクレーンゲームしながら楽しみます。ですが、お兄ちゃんはそのどちらでも無かった。
先の方へと進んで向かったのはアーケードゲームでした。お兄ちゃんはその
「ちょうど席が二人分も空いていて今ならゆっくりと冬雅と一緒に協力プレイを出来るけど。
駄目だったら別のゲームを探すけど」
「い、いえ。お兄ちゃんが珍しく遊びたい台があると誘いなんです!
もちろん喜んで協力プレイしますよ」
両手をグッと握ってお兄ちゃんの誘いを承諾しました。
もし普通のデートでしたら、わたしに合わせようと
一人なら遊ばないようなゲーム。わたしは隣の空いている台に座って前にある画面には
ガンダムエクストリームバーサス2クロスブーストと表示されています。
わずかばかりの財布を取り出して百円玉を投入口に入れて
ゲームスタート!
にはならずまずは機体の選択からのようです。どれにしようかとレバーを右に倒して見流してチェックします。
「えぇーっ!?なにこれ。
機体の数が異様に多いのですけど…」
「たしか機体数は170超えだったから相当の数になるかな。
急かすようだけど悠長にしていると時間が切れることもあるからそこを気をつけて好きな機体を選ぶといいよ」
「ア、アイアイサー」
下っ端みたいな返事をします。
お兄ちゃんは初心者に焦らないよう配慮を感じますが制限時間があって焦らずに選ぶのは難しいと思います。
(選ぶなら知っている作品に)
好きな作品に登場する機体の画面までいきますが、どれを選べかいいか結局は繰り返します。
…本当にどれを選ぼうか。
(発想を変えましょう。
お兄ちゃんの中ではわたしのイメージカラーは橙色となぜか固定してます。
ですので橙色の機体にしましょう)
そうも指針を決めると機体を選ぶのを迷いなく選びます。
コスト3000のガンダムハルートにしました。おそらく、このコストが最大値なのでしょう。
「想像した通りオレンジを選んだか…
冬雅はハルートを」
「えへへ、そうです。縦横無尽に駆けながら撃破してみせます」
そして戦闘の相棒いえ、パートナーとなるお兄ちゃんの機体はガンダムレッドフレームドラゴンのようです。
ドラゴンの名称なのにドラゴン要素がほとんど無いですね。ともあれステージは簡単な方を選択してくれました。
練習もあったようでしたけど億劫なのとお兄ちゃんに煩わせたくないので断りました。
戦闘が始まると右往左往する、わたしはお兄ちゃんに操作の方法や覚醒を教えてくれました。
「あれぇ、なかなか当たりませんねぇ。きゃあぁっ!?反撃されました」
どうやら2対2のチーム戦らしく機体が大破されてもコスト分の消費して復帰が出来るようです。しかし
変形が出来るみたいだけど、なかなか難しく途中から諦めて射撃と格闘それとブースト量に気をつけて戦いました。ステージの後半でゲームオーバーになると、わたしは無我夢中になって楽しんでいたと気づきます。
「あっ、お兄ちゃんもう一度だけやりませんか?」
「分かった。付き合うよ冬雅」
「えへへ。それと、わたしフユカじゃなくてトウガですよ」
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