第480話―鳴かず飛ばずの比翼2―
女子が二人もいるので居間で寝ることにした。そう言葉にすると比翼はもう寝ている仲だと誰かがいれば大変な解釈させてしまう反論してきた。
最終的には不承不承であるが納得してくれた。久しぶりなので同じ寝台で居たいのは分かるが男女なのと夫婦ではないので別々じゃなければならない。
だが真奈の場合も似たような
反応をしていたので別に今日ぐらいはと思った。
そして翌朝の24日での朝食での事――
「冬雅おねえちゃん
「はーいはい。醤油だねぇ。はい」
「ありがとう。真奈おねえちゃんお茶おかわり」
「了解」
コップを突き出した比翼は注いでくれと要求すると真奈は笑顔で応えるとお茶入れの容器を傾けて注いでいく。
真奈がそうした家庭的なことするの横目で見ていると和むというのか安心感を覚える。
「ねぇ、お兄ちゃん!わたしなんだか懐かしい気持ちです。
今こうして四人で囲みながら朝食を取って賑やかなの、わたし大好きです」
屈託のない笑顔を向けて率直な感想を述べるのは冬雅。その笑顔は相変わらず日差しよりも眩しい笑みだ。
とは感じても俺が惚れているからキラキラと輝いて見えるのかもしれない。
そして、ゆり系のアニメもっと増やしいと切実に思っており純粋に観たいと思っている。
「そうか、冬雅が今日も幸せだね。
孤独でいると食卓で誰かと食事や話をするだけでも幸福なんだなと常々そう感じている。
きっと冬雅も一人暮らしするときは俺の何気なく言った言葉を分かる日が来ると思うよ」
こうした日常生活の恩恵は一人暮らしを始めるとありがたみを実感する日が来る。会社に帰ったら誰もいない家で自分で用意した食事を口に運んで翌日も用意した食事を取って支度して
今日も会社に足を運ぶ。
これから冬雅たちは多くを見識を広げて幸福を手に入れ、そして失っていくのだろう。
「そんな日なんか訪れませんよ」
冬雅は迷いなく満面の笑顔で否定をする。感慨深くなってつい出た俺の忠告なのかただの同調を要求から言葉か自分でも分からない言葉を否定された
ことには気にしていない。
いつも肯定したりする冬雅がはっきりと考える時間とかなく違うと言ったのが衝撃的だったのだ。
「えっ?」
「わたしは十分に寂しい思いをしました。学校と塾ときどき趣味だけの人生、そして示談金を払って二度と接近しないと誓った日。
これからもずっとお兄ちゃんと食事を取るし隣で、いつまでも初恋した想いで告白して楽しく過ごすと人生設計を決めているのです。
ですので一人暮らしではなく……永遠に一緒に暮らしたいと目指しています!!」
「な、なるほど…」
とんでもないカウンター攻撃を受けてしまったなぁ。ほとんど願望で理想論になっているが冬雅となら、それは理想論ではなくそんな人生設計通りになるのかもしれない。
あれ?遅まきながら放った言葉って告白ではないだろうか。
「冬雅を幸せに友として心からそう願っていますがワタシは…お、お兄さんと生涯ずっと隣に居られたら思っています!
な、なのでワタシも密かに狙っているよ!」
「そうなのか……ええぇっ!?
真奈それは――」
隣で広げていた告白を真奈の闘志を燃やした。その起爆剤となったのが憶測であるが間違いないと思う。
そして爆発した真奈は、顔を赤らめながらも果敢に攻めてきた。
「じゃあせっかくなので追撃しようと思います!おにいちゃんと
今度は比翼も挙手しながら無邪気にそんなことを言い放った。ともあれ顔は赤くないのと邪気のない笑みからして
比翼の名前の由来となっているのは四字熟語の
意味は男女の夫婦関係が情愛は深くて
「はは。それは俺なんかよりも別の人が良くないかなと推奨させてもらう」
いつかそんな人を見つかればいいと心から願っている。
俺が助けようとした時の
それしか知らなかったからだったからそう振る舞っていた。家に泊まる条件として性的な行為をしていた。そうした条件が無くても後から要求されたこともあったみたいだった。
これは双方が合意の上にした、
おそらく俺が保護してなんとかしようとしていたら心を癒せなかったと思う。冬雅たちが居たから普通な状態にまで快復したのだ。
そして楽しい時間はあっという間に過ぎていき夜の9時半。
俺は比翼と二人でコンビニに行き菓子やドリンクを購入しての帰り道。
「もう佳境になろうとしているとあると思うの。おにいちゃん二人のうち誰かを選ぶときは来たと思うのよ」
「……選ぶって」
「約束の日まで来年の成人式なんでしょう?だったら冬雅おねえちゃん、または真奈おねえちゃんを選ぶの今からよく考えた方がいいよ。
ギリギリの時間だと冷静な判断とか出来ないと思うし」
比翼の言うとおりかもしれない。
もう2021年はあと半年しか無いし。来年の成人式は遠い未来の話でもない。
接近していく現実を真剣に考えるなら今からというのも知っていた。
でも向き合うのが怖くて見て見ぬ振りをおのずと避けていた。
「あれ?そこにいるの東洋お兄ちゃんかな」
「その声は
背後から声がして体を反転するとランニングウェアをした
「イエス花恋だよ。
……ふーん東洋お兄ちゃん女の子と二人きりですか。ふーん、夜道で女子高生らしき女の子を連れてどこへ夜の街に行くのですか?」
「花恋その言葉、はしたないよ。
隣の女の子は見覚えあるじゃないかな比翼だよ」
「わあぁー比翼ちゃんだ」
比翼は比翼に近づくと質問攻めをした。こんなフレンドリーに話を掛けられえ比翼は困惑する。ふむ、俺がもし同性で年齢が近いと人から気軽に話を掛けられたら困りますね。
二人はマスクしているし触れていないならいいかなと2人のやりとりを
静かに見ることにした。
「浮気していないなら安心したかな。じゃあねぇ」
花恋は手を振って走り去っていた。
いや、世間話を終わらせて再び走ると評価をするのが適切かな。
「なるほど。東洋おにいちゃんの罪は増えていきますね」
「へっ、罪ですか?」
「はい。
花恋とどんな会話をしていたのか隣で聞いていたはずなのに分からない。
理由を訊いても比翼は答えてくれず天真爛漫な笑みをたたえるのだった。
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