第450話―不可避エクスペンスの荒波8―

冬雅の実力向上には協力する条件に

ペネお嬢様には知られないよう上司グレイスさんのこ下知された。

そのため仲のいい花恋にも伝えておらず秘密にしている。

待ち合わせとなれば誰も彼もが喫茶店にするだろう。この偏見な結論が違わずにグレイスさん待ち合わせは

喫茶店、しかし夏目漱石が顔をしかめてまたもくたらないと口にしそうな貴族が嗜む高級感の喫茶店だろう。

聞いたことがない喫茶店をスマホの地図アプリを起動させて迷い人のように

道を間違いながらもやっと着いて見上げると――。


「思ったよりも普通だった」


普通と呟いたことに振り返った冬雅が、(えっ!?普通なのですか)と思っていそうな目を見開く反応していた。

想像とした店ではなかったから語弊を述べましたがオシャレな店内の様子が外でも窺えます。


「おっと目をこすればオシャレなお店ではないか!?よし冬雅さっそく

中に入ってみようか?」


「はい。お兄ちゃんの身を翻しがひるがえしているの明け透けにも程があるかなぁと思いますけど…。

でも、ここに二人で中に向かうのってデートしているって意識させ

られますねぇ。えっへへへ」


そうか。やや引き気味にしてツッコミを入れてはいた冬雅だったが入店するのを想像して多幸感で爆発寸前にあたるような赤く染まっている。

まったく、冬雅は素直な好意には言葉にして明確的に表す分だけ俺にも恋慕による情動が湧き上がってきますので冬雅には是非とも控えるように重々に

理解してもらいたい。

聞こえていない決して届いていないと

冬雅の言葉には返事はせずドアノブを引く。

カランコロンと響いていく美しい音色よりも自分の心拍数のほうが鳴り響き続けている。


「いらっしゃいませ。2名様ですか」


「2名での待ち合わせをしているのですが」


ご案内しますと営業スマイルで答えて20代前半の女性バイトさん。店内は、ヴィンテージよりも少し新しさがある西洋的な雰囲気が醸し出していた。

数十年前な趣があるとも捉えるし一概にも現代風でもあるようにも

捉えられる。

案内されたテーブルにグレイスさんが読書していた。アルファベットで題名が書かれている洋書だ。

やっぱり出身は海外なのかなと思ってしまう。それにいつものメイド服じゃなくカーディガンとロングスカートのコーデの私服を見るのは

初めてだった。一瞬だけ人違いかなと思ったが彼女は顔を上げて俺を視界に入るとドブネズミを見たような不快そうにした。

あっ、これグレイスさんで間違いないや。いや、安心した…これで認識するのもどうなんだろう俺よ。


「休みの日に彼女と同行ですか。ずいぶんと身分が高いのですね山脇東洋」


「は、はは」


えぇッー!?なにを機嫌を損なわせてしまったのか知らないが皮肉を吐かれてしまった。


「えへへ、彼女と同行。

ちょっと照れてしまいますねぇ」


「その反応するだろうと期待に答えてくれて、どうも冬雅。

とりあえず座ろうか?」


「ですねぇ」


っとペネのメイドとして働いているグレイスさんは目の前の愉快な寸劇を

披露することになった。

それでグレイスさんの反応はいうと

アマゾンレビューで評価したら星1の

極めてつまらないと顔をしていました。ですよね面白いはずがないか。

ともあれグレイスさんが来てくれたことには感謝している。おかげで

冬雅のイラストの技術を上げるためなら俺はなんでもする。もちろん生活と時間を過度な迷惑をしないよう気をつけるように配慮は欠かさないように考えている。


「おはようございます。

お兄ちゃんの上司さんのグレイスさんですよねぇ!今日はお会い出来て嬉しく思います」


「おはようございます。

冬雅様これは、ご丁寧にどうも。

……呼称から察すると妹様なのですか?」


フム、妹様か。冬雅との関係性を事細かくまで教えていなかったので、いまいち分からないのたろう。


「……えーと、はい。そうです。

あっ、お渡しせねばならない物があったのです」


冬雅はカバンを開けて取り出したのは橙色のリボンでラッピングされた長方形の紙をテーブルの上に置いた。

ゆっくりとグレイスさんの手前まで紙の箱を滑らせて移動させる。


「これは?」


「いつもお兄ちゃんのため指導など話を伺いました。

心ばかりの贈り物でありますが、お受け取りください」


「これは、わざわざ」


まさかビジネス的な光景を起きるとは思いもしなかった。冬雅がプレゼントを用意していたことには

知っていたが、こんなふうに渡すとは思いもしなかった。


「気持ちは有り難いのですが、どうしても気になってならない事があるのですが。なにゆえ妹様が贈り物を?」


「そ、それは……」


冬雅は困惑していた。昨年ほどは恋人のように付き合っていることに

隠さないといけなかった。

妹としてなら違和感を覚える程度に済んできた。

そうであったのは今年は違う。


「将来的に誓っているパートナーかもしれません。

冬雅…彼女が、いつもお世話になっているパートナーにそうしたのだと

思います」


「「………」」


二人とも開いた口が塞がらないといったふうに驚いている。

それは同意見だ。またも隠し通さないといけないのかと冬雅が落ち込んでいるのを見たら身体が、頭が、口が勝手に動いたのだ。

少し視線を向けすぎたのだろうか。

目を大きく開くと視線を泳がせる。次第に落ち着きが戻ってきたのか冬雅は斜向かいに座るグレイスに姿勢を正して告げる。


「お兄ちゃんの言った通りです。

いつか結婚しようと誓い合った想い人なんです」


颯然さつぜんとした態度で

頬や耳の後ろまで含羞がんしゅうを染まって。

俺が刺激を与えたものあったけど、それにしても冬雅さんや結婚の話まではしていなかったのですが?

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