第414話―風景が一層と彩ってゆく桜狩り7―
「いいですかお兄ちゃん!どれだけ小説をよくするリサーチだとしても許容範囲から逸脱するような行為は駄目なんですよ。
それが真奈であっても、わたしがいないときに床ドンなんて…やり過ぎだと思います!」
場所は想い人の家から出て最寄りの公園ベンチ。
嫉妬も少なからずはありますが、お兄ちゃんを心から愛している真奈であるなら問題ではないのですが恋人でもない相手に過剰な行動まではすれば怒らないといけません。
「…はい。冬雅の怒りはもっともだよ。いくらなんでも小説のためとはいえ床ドンの情報が欲しいなんて口にしたら、どうなるかって考えが浮かばないことは無かったのになぁ…」
肩と肩が当たるかの距離から左から、お兄ちゃんは反省が付属した微笑で答える。なるだか親しみやすい笑みで反省をするの可愛い。
咎められると素直に反省する。他人なら表面的な反省を示すだけの形だけではなく、変な言い訳や反省を示すことを見せることをしないのは好感を持てます。身内であるなら悪くても素直に謝るなんて滅多にない、それはわたしと同じ同世代でもそうです。
それにです。その
「えへへ。反省しているのでしたら、もういいですよ。わたし卒業しました」
「ああ、知っているよ。卒業おめでとう冬雅。すっかり大人になったんだね」
「何を言っているのですか、お兄ちゃん。わたしとお兄ちゃんの仲は大人とか子供なんて関係ないですよ」
「もしかして子供や大人なんて年齢を重ねても、たどり着ける分からないのだから関係ないことかな?」
そう解釈したのですか。その考えは、わたしはすでに知っています。年齢をただ重ねても精神が成長するかは別問題で年相応と変化するだけで成熟とした大人とは単純な年齢ではないと。
「それもありますけど…ちょっと違います。お兄ちゃんは優しい笑顔で、わたしをたくさんのわがまま聞いてくれました。だから
立場が逆になってもといいと思うのです。
…今度は、お兄ちゃんがわたしに甘えて、わがままを言ってください」
「
高校を卒業して結婚が可能な年齢となりましたが今それを選択するには早すぎるし、こればかりは無理矢に押し通そうとするならお兄ちゃんは頑なに首を縦に振らないし冷めるまで距離を取ろうなんて
発言もするかもしれない。
…結婚の話は、早すぎましたねぇ。
そろそろいいと思う。わたしとお兄ちゃんの関係をもう少し近づくのを。結婚が出来る年齢だからこそ付き合っても淫行にはならない。
わたしが求めるのは恋人としての行為を求めているのではなく、子供としてではなく大人に近づいた、わたしに面倒を見る使命感は持つ義務なんて、もう終わらせて
平等とした立場になりたい。
お兄ちゃんが、わたしに甘えて、
泣いて、弱音を吐いて一緒に悩みを共有して解決策を探していける。
そんな理想の関係に進めたいのです。
「うん。わたしとお兄ちゃん子供とか大人もう気にする悩みは減りました。年の差なんて関係ない…と気持ちだけでも本当に立ちたい。
お兄ちゃんと同棲してそれがどれだけ難しいのかよく知っています。
でも、やります。お兄ちゃんの幸せのために!……わた、わたしを大好きだって言ってくれた大好きな、お兄ちゃんがわたしに生涯のパートナーを選べるようにしたいです」
想いが爆発するかのように言葉にして言いました。そして、言わないで心の中で決めた想いも最後に出てしまいました。あ、あぁぁぁーーーー!!?は、恥ずかしいです。
いつも告白しているとはいえ、なんて恥ずかしいですか!?
用意周到とした告白やドキッとさせる作戦ならここまで大きくありません。
感情の赴くままに発した結果が、引っ込めない現状に耐えれません!
「そうか…冬雅が変わるの望むなら俺も今までとは違う関係を目指さないといけないなぁ」
穏やかな声でした。わたしは顔を上げてお兄ちゃんの横顔を見ます。
「お兄ちゃん?」
「年の差なんて関係ないのは年齢とかじゃなく距離や立場的な地位なんて関係なく一緒にいよう冬雅」
「…うん。お兄ちゃん」
これから先どんな未来があるのか誰にも分からない。わたしが、お兄ちゃんと恋人になって無事に結婚するのか。でも今は…少なくとも遠い未来は不確定で見えないけど一年や2年での短い未来なら、なんとなく想像が出来ます。
隣に居てくれて一緒にお互いを想い合って愛せることに。
――ベンチで話すだけが日が暮れ始め空は橙色で鮮やかになります。
「そろそろ帰るか冬雅」
「そうだねぇ、お兄ちゃん!」
お兄ちゃんが立ち上がると、わたしも腰を上げます。忘れていましたが真奈はお兄ちゃんとイチャついたから次はわたしの番とライバル兼親友で戦友に対して勧めていたのです。
まだ手を繋げるには勇気が足りますので隣り合って歩くと桜が咲気乱れています。この公園ってこんなに桜が咲くのかと遅まきながら気づきます。
「桜が綺麗だね冬雅」
「キレイですね。えへへ、お兄ちゃんと隣で桜を見れるなんて幸せを噛み締めている。この瞬間は、きっと一生わたしは忘れません」
大好きな人と一緒に見る桜の木。絶景なんて呼べず日常的な風景が一層と彩ってゆく。静かに、わたしとお兄ちゃん花見をしています。字面通りの花を見ていて宴会など食飲はしていない。
このまま
わたしは左に立つお兄ちゃんに一瞥。横顔にわたしら心の中で――
(大好き。大好きだよ、お兄ちゃん)
そう直接の声にせず告白をするのでした。視線に気づいた、お兄ちゃんと目が合い慌てて目を逸らしました。
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