第393話―その職場環境には彼女がそこに居た2―

最後にグレイスさんから告げられた明後日にもお願いします。そしてその日が来た2月3日。昨日は本当に大変だった。明日もお役目を頂いたと恐る恐ると伝えたら冬雅と真奈達の二人は今日は離れないデーという謎の造語が生まれた。

はた迷惑だ!と言えないのが俺でして有言実行して2月2日か二人に密着され生活していた。最大レベルのパーソナルエリアの一つトイレまではついて来なかったが逆にそれ以外は一緒であった。お風呂も当たり前のよう入浴しているし。


「ハァー…」


昼前の住宅街をマスク着用してのため息をすると反射して戻ってくる生暖かさは不快な気持ちにはさせる。さて山脇東洋よ、そろそろ受け身でのラブコメを卒業ではないか。

そう決意しながらも家に帰れば二人の猛威に奮われるのを一身に受けた俺は当分は甘さ過剰摂取の日々が待っている……おかしいな、昔は美少女に素敵な恋愛を膨らませていた俺がいたが今は、心底にありふれていて平凡の中の平凡を俺は渇望している。

正直この悩みをする時点で恵まられているのにと心中で呟く。東京ドーム何個など比較される広大な敷地を誇るサファイア邸へ着いて上司グレイスさんに挨拶と指導を受けてから専用室に入り執事服を袖を通してからペネの所へ向かってドアをノックしてから入る。


「わぁー、お兄ちゃん執事服している!きゃああぁぁーー!」


ドアの前でメイド姿、今回はコスプレ感のあるフリルと可愛さを追求したのではなく実用性と素っ気ないメイド服であった。いや、そこではなく何故!ここに!冬雅が…いるのかが問題なのです。


「…ど、どうして冬雅がここへ、おいでなのですか?」


「えへへ、愛の力…ですかねぇ」


左様ですか。愛の力を、きっと冗談で言ったのだろうけど普段から突撃砲しか選択肢で支配されている冬雅が言っても真顔で発言したと同等に受け取るほど力強さがあるのだ。そこで冬雅の後ろから真奈が俺の隣まで近寄ると上目遣いで屈託のない笑みを浮かべる。

冬雅がメイドであるならば真奈も当然メイドの格好をしていた。


「お兄さん本当は、早朝でワタシ達も同行を出来ないかをラインで交渉していた。ならサプライズを兼ねてお兄さんには秘密にして出かけたすきに車で一足先に到着したの」


「そうなのか…でもサプライズ兼ねて事は、これだけでは終わらないのか」


「これは、これは…お兄様ではありませんか。左様な場所で、お会いするとは!しかし…色めかせた女子おなごにデレデレなど努々ゆめゆめしないでもらいたいのです!」


テーブルに立ち上がり俺たちの方へ歩いて独特な言葉を使うのはペネ。彼女の目からでは俺は冬雅と真奈の前でデレデレしていたのか…信じない、ともかく俺はペネお嬢様にどうしても問いたいのがある。


「お嬢様…どうしてそんな格好を」


「な、なに!?奇抜であったのか」


「そういう…こともあるけど、

どうしてペネお嬢様もメイドの格好をしているのですかあぁぁ!!」


我慢していた俺であっが、とうとう堪えられずに顔を仰いでツッコミを叫ぶのであった。こんな表現の仕方を俺は漫画やアニメしか知らないのをリアルでやる人がいた。まぁ当の本人である俺ですがね。

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