第326話―ポジティブなJKによる瓦全で定期的な告白3―
外の景色は薄明を迎えようとする。
居室のソファーで横向き寝転がって読書していた俺は本を閉じ、本棚に片付けて登校する真奈のお弁当を作らないといけない。
「ふわあぁー」
ここで
人は熱中すると眠らないと、どこかの論文が目にした事があるなぁと、
基本的にヘルシーな食事をする真奈だが揚げ物が嫌いではない。
好みは把握している、それは焼き肉である。タレを使わない変わった焼き肉にすれば、きっと喜ぶはず。
暫くして階段を降りる音が耳に入るが、そのままリビングに行かない。
髪のセットや化粧とかだろう。
卵焼きとウインナーが焼き上がり弁当に入れているとドアが開く。
「お兄さん、おはよう。起きるの早いですね」
「 それ真奈が言うのか。おはよう、まだ朝4時だけど眠たくないのか?時間になったら起こすから安心して二度寝にするといいよ」
「十分に眠ったので心配は無用だよ。それよりも…お兄さん!
起きたらワタシの隣にいなかった事と料理をしていることからして…ずっばり爆睡していないんじゃない?」
ネグリジェ姿のまま降りた真奈は
起きて早々に咎めてきた。
早寝早起きでは追随を許さぬと自覚していないと言えない発言だ。
徹夜した事を咎めているのか、ワタシより早く起きて無理はしないでとも受け取れる内容か…後者の
可能性が高い。
「…ああ、実はなかなか眠れなかったから下に降りて本を読んで気づけば朝になっていたかな?」
端折った。省いた内容には同じベッドで寝ている真奈の寝息が気になって眠れず起きた。もちろん
寝息が煩わしいとかではなく心臓に悪いのが理由で。
「徹夜だよそれって。それでワタシに睡眠を勧めたんですか…
そっくりそのまま返して、お兄さんが眠っててください!」
「な、なんだか昨日と今朝も小言をするように…それぐらいで
心配されるほど
就寝してくださいと執拗的に勧められたが流して返事をしてから少し、やっと諦めた真奈はローテーブルに向かい定位置に腰を下ろす。
参考書とノートを広げて勉強を始める。本好きとしてどんな参考書なのかな?っと台所からチラッと見ると大学受験用の英単語熟語[鉄壁]と英検一級用の参考書になども…うん、今日は徹底的に英語を学ぶつもりらしいですね。
「こんな楽しい日には、お兄さん!神様になった日を観ましょうか」
「そうだな。意義なし」
大人に成長を感じていれば、無邪気にはしゃいでいる。今日はダイニングテーブルではなくテレビの前に置かれているローテーブル、ソファーに座って鑑賞をする。
「うわぁー、面白いだろうなぁと思っていたけど想像していた以上だな」
「だよねぇ!ワタシはブルーレイを予約していますので、良かったら当日日にも一緒に見ませんか?」
「いいよ…っと行き追い込んで答えたけど受験があるから忙しくないか?」
「あー、たぶん退屈ですので平気かな。受かる自信はありますので」
博識強記の真奈を知っているから自信過剰なんて思わない。驕らず糧にするものは一片も落とさず吸収して進化していくのが真奈。
「さすが真奈。略してさすマナ」
「お、お兄さん最近ワタシの略称を造るの流行っているねぇ」
隣で苦笑する真奈だった。そろそろ登校の時間が近づくと真奈は俺の右手を握り始める。
「その、お兄さん…ワタシの事をどう思っていますか?勝手に泊まるワタシに迷惑とか………していない」
考えを幾度も読み取られる真奈でも不安になる事に言葉を失うほど衝撃を受ける。どれだけ仲が睦まじくても気持ちが真に通じる事はないと俺の哲学にあるが心の底では真奈は例外だと思っていた。
「いや、そんな事はないよ。
はっきり申すなら危機管理能力がマヒし過ぎていると思うけど、
真奈がいてくれて楽しいと思っている。…まぁ、だから煩わしいなんて思っていない」
「…うん……」
そう断言すると真奈は頬を赤くなり上目遣い。堪えれなくなったか顔を俯き、言葉は短かった、それだけ応えたと思ったら手を強く握り言葉の代わりとして行動で応える真奈に愛おしい感情が起きる。
もし冬雅をこのまま自然消滅すれば俺は真奈と付き合うのだろうか。
未だ迷いはあるが、答えは見つかるのだろうか、まるで夜の山に遭難したような心境だ。
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