第248話―ソルジャークラス1st比翼―
翌朝、俺は眠気が残るまま目覚めると、二度寝の誘いは抵抗もなく
暴風で吹き飛ぶ。理由は隣に真奈が寝ていた。上半身を上げて
隣を向けると・・・いなかった、だがしかし比翼はいました。
うーん、いつも寝ているわけだからいいだろう・・・たぶん。
感覚が麻痺している俺は、ゆっくりと布団から出る。
それにしてもいつ頃に入ってきたのやら。俺は廊下に繋がるドアを開けて音を立てずに、
ぬき足、さし足、忍び足で進む。
用を足し手を洗って廊下に出ると
真奈とエンカウントした。
「むにゅ、お兄さん・・・会えた」
(あれ?なんか、様子がおかしいようなぁ)
ネグリジェ姿をしていた。目をこする仕草やあどけなさがある微笑のまま裏には
落ち着こう、天然の真奈が、そんな色気など意図的に起こすわけがない。
心頭滅却すれば火もまた涼し・・・そのまま呟いたね。
そんな病的で秒的な愚考していましたら、フラフラと幽鬼のごとく
近づいていく。
「お兄さん・・・大好き!」
「えっ!?」
何をされるのかと思ったら抱きつかれた。えぇーーー!?だよ、これは。
何をされるのかと思っていたが本当は手を繋ぎたいのか挨拶なんて
考えていた。
まさか、シンプルにハグされるとは夢にも思わず・・・・・硬直状態。
動作も思考も。
「あれー?温かいなぁ。
お兄さんこんなに温かいんだ。
ふふ、ワタシまで熱くなってきちゃうよ」
「これは・・・様子が可笑しいすぎる。もしかして酔っている?」
「酔ってないですよ。いつも通り元気100倍、あんぱんマナ」
「た、確かに酔っていないようだけど・・・体調が悪いなら運んで上げるから二階に戻ろう真奈」
「やだ!戻りたくない。絶好調なりー!!」
全然、絶好調じゃないから。アンパンマンネタなら老若男女に愛されている作品ならオタクじゃなくても理解出来るが、絶好調なりーは古いよ。
プリキュアのスプラッシュスター主役が口癖で使うのに。
ちなみに俺の中ではベスト5には入る好きな作品になる。世間一般では評価が悪いが最後まで見ると
熱くなれるんだ。この熱意は別にぶつけるとして先ずは真奈を。
まだ、抱きついているし胸が当たっているので気をつけてほしい!
「手を繋いであげるから戻ろう。ほら、無理していたら身体によくないよ」
この突然な抱擁をどうにか終わらせたい俺は思考を巡らして出たのは安直な手段である頭を優しく
効果は抜群。ラブコメ主人公が、あらゆるヒロインをときめかせるだけある古典的なやり方。・・・なんだか俺がラブコメ主人公みたい
なんだが自意識過剰にもほどがある。
満足したか真奈は回した手を離し後ろへ下がり顔を上げた。
表情は子供が
「・・・・・それじゃあ、お姫様だっこして」
両手を顔に伸ばして触れる直前で
止まる。否、距離が足りないのだ。
けど、そんな懇願か
「いや、いや出来ないよ。淫行になる可能性も然り。恋人でも無いことも然り」
「か、関係ない。ワタシが望んでいるから叶えて!それに、ここは夢の世界だし」
真奈に一蹴され、より愛おしく目を潤わせ見つめてくる。もう高校3年だからか大人に近い真剣な瞳というのか本当に愛しているのだと目で言われているようで浮足立つ。
どうすればと
「真奈もしかして夢の世界だと
思っていいでしょうか?」
「変な事を言うんだねぇ。お兄さんを
練習にならないから」
頬を膨らませ可愛く叱責する。
なるほど、謎は全て答えた!
真実はいつも一つ!!
「真奈これは現実なんだ」
「現実?」
「ああ。恥ずかしくって耐えれないと思うが、それでも堪えてほしい。目の前にいるのは正真正銘の俺こと
「・・・・・わ、わあぁぁーーー!?」
結論、夢が現実となった真奈の反応は羞恥心のまま叫ぶことだった。
何故か外から犬の遠吠えが小さく聞こえる。うーん、家の近くにいるのかな?
「真奈おねえちゃん何があったんですか!?」
バタッとスクランブル発進する迅速的な出撃のように飛び出すは比翼。
「・・・・・また、真奈おねえちゃんは斬撃に踊れ!」
「ひゃあ!?フフ、待って。
リミット技レベル2のクライムハザードを使用する際に口にするセリフが斬撃に踊れ!
振動をオンにしたコントロールを握ると臨場感がスゴイ。
ともかく俺は、くすぐりの刑を終わるまで待とうとしたがなんだか見てはいけないなぁと感じリビングに入って待つことにした。
「ハァ・・・ハァ・・・恐ろしい目に遭った」
「フッ」
ニヒルなクールな比翼が真奈の後に入ってきた。真奈は息切れが
激しい。うーん、出ていて正解だった。
「少し早いけど、終わるまで料理を作っておいたから食事にしよう」
「おぉー!秒だねぇ。おにいちゃん気が利く」
比翼は茶目いっぱい返事して席に座る。つい頬を微苦笑になった俺は向かいに座る。
「・・・・・」
真奈は借りてきた猫のようになって隣に座る。慣れているとはいえ
一言も合図魔なく手をつかまれギュッ握ってきた。
手には、いつもよりも握る強さが弱かった。まるで赤子に握れたみたいな。
俺は仕方なく意図は無いと自分に問い実行する。離れないよう、
「・・・・・はうぅ」
片手が空いたままの朝食は悪戦苦闘。そして正面には不機嫌な比翼を機嫌を取らないといけないなぁと心で嘆息した。
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