第236話―比翼の生誕日其の弐―
昼前のショピングモール内で20代後半の成人男性の隣にギャル系の美少女といれば目立ってしまう。
奇異な目で何の配慮もなく向けられ数分ほどの居心地わるさを覚える。その数分後は、冬雅達と出かけた経験のおかけで、すぐに慣れてしまう。都合よく妹と思ってくれないのは顔が似ていないからだろうか?他者の目を気にせず俺達はアパレルコーナーを通り過ぎる。
「変態・・・いい覚えて8月11日」
香音の歩くスピードを合わせていた俺は、訝しむことになる。脈絡のないにもあるのと、あまりにも省略していていた。
考えていると彼女よりも前に出てしまい速度を落とす。
「8月11日?それは何かあるのかな」
「あるじゃん。誰かに聞いた事があるじゃないの?」
「これ、俺が理解しないといけない流れなのか。そうだなぁ、えーと学校があるとか?」
「制限があるけど再開しているわよ。大好きな冬雅に聞かなかったわけ?」
「い、いや大好きってわけじゃないんだが。ほら、そんなことよりも特別な日とか苦手だからヒントを」
香音は手をあごに当て、どこまでヒントを開示するかで悩んでいる最中。閃きましたと顔を上げた。
「そうねぇ・・・変態マスターが生まれる前にあったもの」
生まれる前か。行事が何かと考えた俺は8月11日にあるといえば祝日となった事で話題となったアレに違いない。
「ここまでヒントを出されたら分かるよ山の日だね、ズバリ」
「ぶぅー、もういいわよ。正解は私の誕生日よ」
機嫌を損ねて香音はそう言った。
なるほど、香音の誕生日を当てなくてストレスが溜まっていたのか。いや、分かるかぁぁーー!?
記憶が正しければ教えてもらっていないと思うのだが。
「そうなのか・・・初めて知ったよ」
「ストーカーマンなら冬雅達に
執拗的に私のプライベートを吐かせていると見たんだけど」
「いや、いや!そんな人がいたら昇進書のストーカーマンだよ。
それ以前に君に言われたくないかな?」
「はぁ!?いつ私がストーカーマンになった。マンじゃなくプリンセスじゃない!」
(怒るポイントそこなのか)
肝心のストーカー疑惑を否定をしなくていいのですかと俺は思ったが本人は名前が気に入らなかっ
たらしい。そこには触れないようにしよう。
「それじゃあ、香音の誕生日には
何かプレゼントをするよ。
こんな、おっさんに渡されても嬉しくはないかもしれな――」
「そんなことないから!」
途端、香音は声を張り上げるほどの大きな声で話を遮ったのだ。
高い声に周囲の人達に驚かせこちらに注目してくる。
「すみません、すみません。
香音ここを離れよう」
周囲に頭を下げて、目立った対処方として香音に離れると催促して
目標の場所に俺はついて歩く。
「先の話だけど・・・おっさんとか言ったら真奈様らに悲しむことになるから、そんな事を言わないでよ」
「ああ、すまない。みんなによく指摘されていたんだよ。
いきなりは治れそうにないけど努力はさせてもらうよ」
冬雅達には自虐ネタで純粋に笑うものと複雑に笑う種類がある。
特に複雑に笑う事が多いのは、おっさんと自分で言った時であろう。
「本当に、その努力はしてよ!
・・・誕生日プレゼントは期待しておくから」
「・・・えっ?」
「なんでもない!ほら、こっち」
俺の腕を引いて、歩く速度を早める香音。期待しておくなんて言葉が意外すぎて言葉を失ってしまった。
少し前に一緒に遊んでいたリア充の友達らに祝えたり、それに崇拝レベルの真奈にも貰えるなら
俺のプレゼントなど
香音に案内された場所は雑貨を取り扱っているフロアのある
一角であった。そして多種多様なアクセサリーに足を止める香音。
「ついたわよ。女の子のプレゼントには髪飾りが妥当ねぇ」
俺は、香音のセンスと言葉に恐怖を覚え身体は震え始める。
「・・・なによ。どこか、おかしかった?」
言葉とは裏腹に低く俯いてしまった。
「あっ、いや。そういうわけじゃないんだ。
あまりにも真っ当な意見だったから
「はぁ?助けたのにそんなぞんざいな扱いをするわけ・・・ハァー。
ロリコンは私をどう見ていたか分かったわよ」
射るような眼差しで睨まれ俺は視線を逸して歩く前へと見る。
罵声は変わらず鋭いのに、前よりも関係がよくなり信頼に値するような声音に聞こえたのだ。それは
香音は友人または懸想も・・・。
いや、やめよう確認するのも怖いし失礼だから。
「ごめん。真っ当な意見なんて最初から言っていた。それこそいい年齢で香音達に迷惑をかけている俺が真っ当じゃない」
「だから、それはいいから。
私を叫ばせるのが目的なの、もしかして?そうなら変態!違っても変態だけどねぇ。ふん」
腕を組んで忠告された事を繰り返す愚者に向ける視線は険しい。
だけど冷えたような視線ではなかった。
「そうだなぁ。気をつけるよ、
アクセサリーを選ぶセンスが無いからここは任せていいかな?」
「変態を否定しなかった件は私は引いたままだけど。それは別に
どうでもいいけどセンスとか
関係なく、真剣にあんたが選んだ事が大事じゃないの。助言はするけど選ぶ権利まで相手に任せ
た嘘は不誠実だから」
「っ!?・・・そのとおりだね」
選ぶ事も相手に任せたら、それは心を込められたプレゼントとしては
それなら家族として比翼が心から喜べる物を選ぶ。
「ありがとう香音。いつか、このお礼は返させてもらうって約束するよ。たぶん長くなるから、今日はここで」
「別にいいわよ。比翼の誕生日なら、私もプレゼントを用意しないと」
「・・・そうか。プレゼント代は俺が支払わせてくれ」
「いいから。それに、真奈様に会える千載一遇のチャンスなわけだし・・・げっへへ」
私欲が出ているが香音は気づいているのか、分からないが今は頭の隅に追い払い俺は比翼が似合う髪飾りに専念にする。
髪飾りを会計を済ませて香音の買い物に付き合う事になった。
「これは真奈様にお似合いになる・・・」
「香音それ、宝石。もう行きましょう。なるべく早く!ほ、ほら
長くなると、いられる時間は減るから」
宝石をキラキラした瞳で見る香音は一理あると思ったか、ため息
を零す。俺は、そんな高い商品を取り扱う場所にJKと二人でいると
淫行の疑い度がいつもよりも強く店員などにも蔑むような目で
見られる始末。
「ヤバかった。こんな所で浪費するわけにはいかない。ついてきて変態」
「色々と思うことはあるけど、了解」
香音のプレゼントを購入を終えて俺はついでに本屋に寄って比翼が
好きな歴史小説を購入する。
司馬遼太郎の作品にしようかなと考えたが中学生で読むのはハードルが高いと考え難しくない内容を選び2つ目のプレゼントを決めた。
夢中でいたからか
ポケットから取り出したスマホで時間を確認した俺は帰宅に焦りを覚えた。
「ま、まずい。香音それじゃあ急いで俺の家に行こう!」
「よし、行こう!」
香音は
周囲の視線が感じた。軽蔑な視線を向けられ俺は自分の発言によるものだと遅れて俺は気づいた。
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