第235話―比翼の生誕日―
冬雅とベランダで挨拶をし、
俺は重要な事をすっかり欠かさず挨拶後にする会話で知ることになった。
(今日が
ベクトルタイプが違うがどちらもハイスペックな美少女の冬雅と
真奈は用意をしていたこと。
後はどう渡そうかと俺に相談とか
あったのだが、そのあたりは今日だけは特別に皆でこの家で祝うことに決めた・・・が、俺は誕生日という重要な情報を今日この日に
知ったのだ。とりあえず俺はリビングのソファーに勢いよく座り熟考する。
(さて、どうしたものか・・・中学生が喜びそうな物ってなんだろうか?)
比翼が、喜びそうな物は・・・本人が欲しそうな物をそれとなく自然な流れで聞いておく手もあるが、
この日にそんな行動をするのは
勘づかれる可能性は大いにある。
気づかれないと考える方が希望的観測に思えてならない。
「ハァー・・・どうしよう?」
「何が、どうしようなんだ兄者?」
「あー、
ダイニングテーブルでいつもの如くノーパソで仕事をする弟の
俺より2つ下である25歳の移山なら女性と
よく話す機会がある。俺の場合は
基本的に女子中高生が同年代よりも比較できないほど多くなっている・・・ともかく、何か参考になることがあらはずだ。
「いや、分からねぇよ」
「えっ?そ、それは雑すぎる回答ではないでしょうか移山」
「兄者が比翼とたぶん一番この中では長いし好きなものや嫌いなとのも知っている。だから、分かるじゃないのか?」
「・・・そうかもしれない。ありがとう、後で誕生日プレゼントを買いにいくよ」
「おう。いい物を選べよ」
いい言葉を言った後に移山は雑に返事をして視線を下げて作業に戻る。
さて、とりあえずは少し豪快に朝食を作るところから始めるとしようか。
「ふわぁー、おはよう。おにいちゃん・・・・・ど、どうしたの。
この量は?」
欠伸、交じりでリビングに入ってきた比翼は首を傾げる。
髪先がウェーブのロングストレートの黒髪と人懐こい大きな瞳が
今やぱちぱちと瞬きをしていた。
その問いに俺は読まれないよう気をつけて振り返る。
「残り物が、けっこう溜まっていたから今日中に使おうと思ってね」
テーブルに並べるは、ポトフと家庭で作った牛丼、ほうれん草のおひたし、食後のデザートにプリン。
朝の食事にしては、量が異常であった。比翼は小食で普段はそこまで食べないし朝は特にそうだ。
デザートに所狭しと並べて気合を入れすぎたと俺は反省をする。
これは誰から見てもやり過ぎた!
「まぁ、いいんだけど。せっかくだから残った分は昼食に食べ
るのがいいよねぇ」
滅多にしない苦笑をする比翼の提案には俺は頷く。残った分をラップして冷蔵庫に片付け俺は、
ラノベを買いにいくと告げて外に出た。それは比翼に怪しまれないよう、それらしい理由であり本当の目的は比翼のプレゼント選び。
正午ぐらいには帰れるよう近くのショピングモールに向かう。
(さて、何を選びますか)
小物やぬいぐるみや洋服などを見て回るが何が喜ぶか俺は悩んで
そのまま回り続ける。これだと不審者みたいだなぁと思いながら、
やめれずプレゼント選びは続ける。
「そこの不審者。何をしているのよ?」
「えぇ!?」
本当に不審者として見られていたのかと自省して振り返ると、
鋭い眼光を放つ知り合いの女子高生に声を掛けられました。
ギャルらしい容姿と声音。不思議と声には透き通っていてガツガツとした印象はなく、力強く綺麗な自然に囲まれた滝を印象を与える美声。艶のある栗色ロングヘアーを腰まで真っ直ぐ伸ばしていて
美少女と呼ぶには異論を唱えるものはいないだろうと思わせる彼女は
「だから、何をしていたかって訊いているのよ。二度も言わせないでよ、ブラブラするおっさん」
そして上手くギャプバランスを壊して好印象なのを全て台無しに
するのは罵声がスゴく息をするように吐くことである。
「別にブラブラはしていないよ。今日は比翼の誕生日だから
プレゼントを買いに来たんだよ」
「ふーん。プレゼントねぇ」
腕を組む香音。冬雅と同い年の彼女と話すのは実は苦手・・・いや、
そんな扱いをされたら意外でもないか。
「ちょー、やべぇよ。香音すんごいスピードだったけどやべえよ」
「マジで早いマジでマジよ!」
香音の後ろからイケメン二人が早足で気軽な様子で言う。
最初に言ったイケメンは主にやべえ単語を何度も言っている。容姿といえば中性的で女の子なのだけど残念な気がする。もう片方も似たようでミディアムヘアーをした茶髪で
。
「この、おっさん誰よ香音。マジでよ」
流石にラップなのりでは無いにしてもセリフはラップ風なイケメン。
「やべえからノブ。まだ若いからコイツ」
初対面でコイツですか。別に構わないけど初対面の相手に使う
言葉ではないかな、それは。
「・・・うるさい」
「「「えっ?」」」
俺と彼らイケメンと声がハモった瞬間。香音のただならぬ気配を察知した俺は、逃げようかなと
先にそれが考えてしまった。そして、香音は後ろにいる二人に振り返り後ろ姿で見えないが、おそらく怒っている気がする。二人の反応が「「ひゃあう!?」」と面白そう悲鳴を出していたから。
「この、おっさんはおっさんじゃないから。それに、何?先までに小馬鹿したような口調は。
バカは人をバカにしないと生きていけないような使命とかあるの?」
低いトーンで怒り心頭の香音。二人のイケメンは、戦慄してひどく怯えてしまっている。それに
涙目になってトラウマになりそうなレベルで。
「香音ストップ。これぐらいにしよう。彼らだって悪気でやっているわけじゃないから」
「分かったわよ。ありがたく思うことねぇ」
「はい!やべえときにやべえ助かりましたわ」
「マジで助かったわ。マジで生きているって感じたわ」
「あ、ああ。どういたしまして?」
二人は俺に助けたお礼をされ、俺は正直に戸惑う。表面上の感謝を
されるだけだと思ったのだが。
「あれ?なにかあったのか」
俺達は、香音の背後に視線向ける。うわぁ!?先程の二人を超える眉目秀麗な顔立ちをした人だった。爽やかな笑みを浮かべ
スクールカースト最上位に絶対に降臨しているような存在であった。
彼の隣には女の子が腕を抱いて歩いていた。なんていうのか慣れているのが別の意味で凄さを感じた。
「
「そうなのか。なんだか、すみませんでした」
「ああ、いえ。気にしていませんので」
頭をすぐに下げ謝れるのは好感を持てる高校生だ。特に俺達の
男には燃えるゴミに分別で捨てるような害悪にならないプライドや意地を守ろうとするから
彼はそれを持っていないからこそ思えった。
「私は、この人の・・・知り合いだから別々で行動をするから」
「いや、急に言われても。皆で行動するっていうのは?」
香音と牛鬼と呼ばれるイケメンは
話が始まり、内容からして香音が俺と同行したいと。牛鬼さんは
皆でいいじゃないかと平和的で、
なんだか解決になっていない。
「もういいわよ。そういうことだから!じゃあ行くわよ、ポンコツ」
「えっ?ああっ、了解」
叫ぶような声調で、一方的に答えた香音はの背を早足で追いかける。
これは香音の行動によれば、ついてこいと俺はそう解釈して進む。彼女の隣に立つと俺の目が悪いのか頬を緩んでいて少し元気になっている様子だった。
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