第165話―大人なのだがJKに告白をせざるえない状態に―
俺は数分前の
「ふ、
「いえ!お兄ちゃんしかいないんです。だから、続けます」
冬雅は揺るがない。止めても言う事が聞いてくれない・・・いや、基本的に聞いてくれるけど、上斜め。冬雅に抱く淡い想いが、恋なのかはっきり思えるまで
「で、でも冬雅それは――」
「お願いします。お兄ちゃんには迷惑ですけど、わたしには大事な事なんです。今も最善な選択か
やってみないと分からないから」
「分かった。不快な気持ちになると思うけど、そうならないよう
善処するから」
「は、はい。お兄ちゃん行きますよ!」
「ああ」
冬雅は、深呼吸する。そして――
「お兄ちゃん大好き!」
義妹は告白するとキスをしてきた。
「なっ、!?」
「えへへ」
義妹は照れ笑いを浮かべて可愛いかった。こうなると、分かっていてもドキマギして平常心を保つのがやっとだ。なんて言うか、倒れそうになる。
「ハァー。お兄ちゃんど、どうしでした上手かったですか?」
その質問は現在やめてほしいとすこぶる思う。しかし、感想を求められているなら傷つかないよう
言葉を選ぶ俺だけど率直に感じた感情を、言葉にすると――
「上手かったよ冬雅。
初めてとは思えないほどに」
「そ、そうですか・・・お兄ちゃんに褒められると嬉しい気持ちでポワポワします。えへへ、大好きだよ!お兄ちゃん」
「・・・・・」
「・・・お、お兄ちゃん。見つめられると恥ずかしいよ」
指をもじもじや視線を可愛く泳ぎ
恥ずかしいそうに尋ねてきた。
はっ、気をつけていたのに見とれるなんて・・・。
「ご、ごめん。ドキッとして」
「ドキッ・・・その、お兄ちゃんよかったら・・・・・わ、わたしと見つめ合いをしてみませんか?」
隣に座る冬雅は上目遣いで甘い言葉ですごい提案を口にした。
徹頭徹尾そんな雰囲気をしないよう気をつけて迷わず断る所だが、誘ってしまうかな。なかなか言葉が否定が発せない。無言が肯定の返事となり見つめ合って・・・
「おにいちゃん終わりです!
冬雅おねえちゃんずるいよ」
傍観に徹するはずだった比翼が、
椅子から立ち上がり糾弾する。
危うく冬雅と見つめ合うことになる所だった・・・いや、少ししていた。
「スゴイです。禁断の恋でドキドキしてきました」
ときめいていた三好さんは前のめりになって楽しんでいたようだ。
あ、危なかった。最近は慣れてしまって気をつけないと。
「・・・いいなぁ」
真奈がかなり小声で呟いて聞こえなかったけど、おそらくそう言ったのだと思う。
「ま、真奈様!?」
真奈様もとい真奈の隣に立つ羽柴さんがパチッ、パチッと信じられいと言わんばかりに早く瞬きしていた。
「え、えーと冬雅。比翼が怒っているから俺よりも同じ女の子の方がやりやすいと思うけど」
「い、いえ!続きましょう。
お兄ちゃん。えい!」
冬雅はリモコンで再生ボタンを押すと停止していた液晶テレビ画面に大きく顔を赤くなる義妹の映って動き出す。音量はゼロにして
下には字幕が表示されており、
そこで音読していた。
前に語ってくれた冬雅の夢を。
目標を見つけるには夢を知れば自ずと見えるのが俺の持論。夢を
見つめ合った事は予想外すぎて、
もうお役目ごめんになると思ったら続きを促してきた。
「冬雅おねえちゃん交代です。
次は、わたしがやります!」
比翼が、ハイハイ!と手を上げて冬雅から交代と指をつきつけ言った。冬雅は困ったように苦笑。
「うーん、名残惜しいけど。
仕方ないかな」
「や、やったーー!!」
そんな流れとなり、比翼は冬雅が座った位置に座ると俺の方へ近づいて腕を抱いて来た。
「えっ?」
冬雅は口を少し大きく出る開き驚いていた。
「それじゃあ、やろう。おにいちゃん」
比翼は巻き戻しして、先程のシーンに。また、キスシーンをやれと。
「おにいちゃん大好きー!」
ここから口を離れると驚嘆の声をするので準備をしようと口を半開き状態にする。
「んっ、やぁ、あぁ」
「・・・・・」
中学生が、出してはいけない声を耳にしたのだが。比翼は、気持ち良さそうな声を出す。
「なっ・・・!?」
主人公(17)の声を発する。
「えへへ、おにいちゃん♪
ドキドキしましたか?」
もうセリフに無い言葉を発した比翼。
「ひ、比翼ダメだよ。そんな・・・声は」
冬雅は止めようとするが、頬が赤く染まっていた。他にも真奈も朱色になっていた。比翼は、満足して抱きついていた腕を離れてたと思ったら腰を上げ真奈に抱きつく。
「おにいちゃんとイチャイチャするとパァーッと幸せになれますね。次は真奈おねえちゃんの番です」
「ワ、ワタシ!
どうしてそこでワタシなの比翼?」
言葉だけ落ち着いているけど、
チラチラと俺を見てくる。好きだと真奈の好意を分かっているからこそ俺も恥ずかしくなる。
「いや、この展開での流れ的に真奈かなぁーなんて」
「それで分かれなんて納得しないけど・・・・・で、でも面白そうだからワタシもやる」
真奈が隣に座ると羽柴さんが、真奈様のお声を聞けるなんてと歓喜の声がしたけど誰も触れずスルー。うーん、俺達って変人による突然の行動に適応力が高くないかな。
「お兄さんは、持つ少し断るとか否定するべきだと思う」
左手を真奈の右手が握ってきた。
決まって手を繋がれると、全幅の信頼で心は暖かくと手のぬくもりに穏やかな気持ちになる。
非難的な言葉にも鋭さよりも何か求められているような声音。
それが何なのか判断材料が少なく当たっているか分からないが
「純粋に私も楽しいから断っていないかな」
「お兄さんその答え・・・なんだか釈然としないし、誤魔化していません?ラノベ主人公みたいに」
「ラ、ラノベ主人公と言われるほどモテっていないけど」
確かに俺の人生で一番モテっているじゃないのか感じているけど、
女子高生だから素直に喜ぶべきか残念がるべきか複雑な気持ちにある。つまりそれは、学生なら好かれるけど大人などには好かれない意味で冬雅達も大人になれば
恋は冷めるのかなぁとそれも複雑でいる。
「お兄さんジョークはいいです。
忠告しますけど、これ以上お兄さんはお嫁さん候補と自称する人に好かれないようにしてください」
「も、もちろんだよ」
何故か確証があると言わんばかりに真奈は言葉を発した。
いや、さすがに今年は別の女性から告白されること無いと思う。
というか、俺がしたくない。
これ以上、大変だし断るツラさも体験もされたくないし、したくもない。
「本当に?」
「本当、本当。滅多に外出しないからそんなにイベントが起きないよ」
「まぁ、そうですよね。本当にラノベやアニメ世界じゃないですからね。それじゃあ、やりましょうか」
「そうだね」
「や、やっと始まりますか」
背後に比翼がそう呆れて言ったのも俺と真奈はお互い顔を見て苦笑する。巻き戻しと再生を真奈がリモコンで操作した。
「お、お兄ちゃん大好き!!」
真奈は、強張り声高にセリフを言う。画面上ではキスしている。
そしてキスを終えてびっくりする主人公と照れるヒロイン。
「なっ!?」
「えへへ」
このシーンで真奈とセリフを言うと恥ずかしくなってくる。
実体験ではないけどそれに近い感情があって、横目を見ると真奈と
目が合ってすぐ様に逸らす。
「そ、それにしても冬雅や真奈も上手かったよ」
何か言わないと焦って、とりあえず
「ワ、ワタシは趣味で時々やっていますから別に。それよりも
冬雅かスゴイよ」
「そうなんだ。でも冬雅がスゴイのは間違いない!」
「そ、そう断言するほどですか!お兄ちゃん」
冬雅が、後ろから羞恥を想像できる声で発する。し、しまったなぁ・・・冬雅の事になると熱くなることがついてしまった。
冬雅が静かに見ていたことを分かっていたのになぁ。
「次は私です。変態紳士は消えてください。次はあの
強く主張するは、羽柴さん。
どうして振り返っただけで、羽柴さんに睨まれるのか。
理不尽に思いながらも立ち上がろうとする。
「ねぇ、お兄さん。これ冬雅の夢を探すのが目的なんだから
次はみんなで出来るシーンを選ばない?」
「そうだね。さっそく探してみるよ」
真奈の良案に、俺は賛同してブルーレイを探そうと腰を上げる。
「お、お兄ちゃん。わたしは
これがいいかな?」
冬雅はかばんから取り出したのは、劇場版ラブライブサンシャインのブルーレイ。冬雅は最近の有名なアニメなら知っているようになったけどブルーレイを持っていた事に驚いた。
「これは・・・確かにいいかもしれないね」
「で、ですよね。お兄ちゃんは
どの役にしますか?」
「え、えーと・・・動物とか?」
知っている人なら知っているだろうけど男性のキャラの登場なんて
ほぼ無いので、俺が声優になる練習を付き合うとしても女の子を声をしないといけない。
キャラに失礼でもあるし、女の子ような声を出さないといけないのはハードルが高すぎる。
「えへへ、お兄ちゃんが女の子になる」
「お兄さんどのキャラが好きですか!」
真奈の質問にルビーと答えたらロリコン扱いされるかな?それはともかく最近ソシャゲしていないなぁ。
「おにいちゃん。女の子になるのですか?」
「いや、ならないよ比翼!?」
出来るのはファンタジーだけ。
「フッフフ。これは冬雅のお兄さんと冬雅さんと真奈さん楽しみです」
「ま、真奈様といっぱい会話するキャラを選ばないと」
三好さんと羽柴さんは、気合を感じて突っ込めない。
その後、俺の黒歴史が一つ増えたのだった。
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