第163話―G線上の香音―
数日が過ぎ中旬。お正月が終わり新しい年に受け入れている時期の休日、俺は二人のJKとデートすることになった。この語りから始まり口調と今年で28になる男性と二人のJK休みにデートなど完全に常軌を逸している事を薄れて来ている。・・・まずいよなぁ。
近くでJK二人でいても前みたいに突き刺すような周囲の視線は感じない。もう
と、ともかく二人のJKというと冬雅と真奈のイメージだけど今日は少し違うのだ。
「お兄さん。今日は特に寒いですね」
「んっ、ああ。寒さのあまりベッドから出るのに自分を鼓舞することになったよ」
「へぇー、お兄さんも。実はワタシも日課としている物を読むと想像すると寒さなんか屈しないって意気込みますし」
「そうなんだ。その日課としている物って好きなマンガとか?」
「えっ!?・・・う、うんそうかも。それよりもお兄さん。
冬雅とはデートしています?」
「ああ、うん。まぁ、そうだね」
急に話の話題を変えられ違和感を覚えたが新しい話題を振られたのが冬雅のデートだ。真奈が訊きたがるのは始まったことじゃないが冬雅とは普通にデートしている。
それは恋人になる直前の有耶無耶ながらも意識させる穏やかな日々だった。けど恥ずかしくて、とってもじゃないけど語れない。
「あっ、真奈様あちらに美味しそうなクレープ屋があります。
よろしければ見に行きませんか?」
今日のデートの相手二人目である羽柴香音さん。本人にデートと口にすれば俺は地中で生活を強いられるほど激怒するだろう。ともかく羽柴さんの格好はリア充らしいと感じた通りオシャレなファッションだった。無地のシャツに黒のニットカーディガンと純白のロングスカートを着こなしていた。
俺と真奈の間に入って
「ちょ、ちょっと香音。引っ張っなくてもついていくから」
「すみません。少し取り乱していました・・・真奈様とデートでしたので」
「はい、はい。ワタシとのデートで嬉しいのは光栄だけどなにを頼む?」
ショピングモールや飲食店など立ち並ぶ大通りで、どこに入ろうかと迷って歩いていた。冬雅や比翼がいないのは今日は大事な事があるからと二人で出掛けた。そんな訳でやって来た真奈と羽柴さんと出掛けることになった。
(それにしても冬雅と比翼が俺には来ないでほしいと言われたのはショックだったなぁ。
嫌われているなんて事ないけど、いつもいる二人がいないのは寂しいなぁ)
俺は近くのベンチに座って待っていると二人が戻ってきた。真奈は少し駆け足で駆け寄ってきた。
「はい、お兄さんの分」
「えっ?私の分!?」
イチゴやクリームなどを挟んだクレープを赤面になって差し出した。
「その・・・お兄さんの事が大好きですから元気を出してください」
「・・・・・」
「ほ、ほら!早く受け取ってよ。お兄さん」
「あ、ああ。そうだな・・・真奈ありがとう」
とういう心境か知らないが真奈はいつもよりも積極的だった。
告白するセリフにドキッとしてしまい見惚れるような反応をしてしまった・・・反省しないと。真奈には俺が呆れていると思っているかもしれない。
「真奈様に感謝しなさい下民」
羽柴さんは不愉快だと言わんばかりに見下ろしてそう言葉をした。
「下民!?まるでマンガの貴族キャラみたいなセリフだね」
「フフ、二人とも仲がいいよね」
真奈が時折と見せる気品にあふれる笑みをこぼす。この以外な微笑みに羽柴さんはフリーズした。
真奈は俺の左に座り・・・いつもの手を握ってきた。お互い手袋なので温度を感じないはずなのに心が暖かくなる。
「フッヘヘ、真奈様の笑顔」
だらしない笑みをする羽柴さんに俺は少し心配になる。俺の
右に座りクレープを口に入れ幸せそうに食べる羽柴さん。反対側も似たようなもので真奈はよく味わって食べる。さて、俺も食べよう。・・・すごい美味しい。
「お兄さん美味しそうに食べてかわいい」
「えぇー、真奈までそれを言うのか」
「だってかわいいのは、かわいいんですから。こっちのクレープも控えめな甘さと絶妙なんですよ。はい、あーんしてお兄さん」
「そうか、ありがとくいただきくよ・・・」
口に運ぼうとする真奈に俺は口を大きく開く。ゆっくりと食べると様々な甘さが口の中に広がっていき甘党の俺には天国だ。
「ああぁ・・・・・真奈様それ・・・間接キスでは!?」
驚愕する羽柴さんは真奈が持つクレープを指をさして指摘した。
「フフ、うん。で、でもお兄さんは気にしないし、ワタシも絶対にきにしていないから、慌てていないから平気だよ」
早口で頬はみるみると赤く染まっているのに説得力がほぼ皆無だった。
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