第145話クリスマスパーティその2
移山を帰宅すると同時に料理はテープルに並び終わった午後9時。
いつもなら真奈が握る手を強めていたのだろうが隣には真奈がいなく5人でクリスマスとなる。
正直、真奈がいたらなと残念で仕方なく思う。
「おにいちゃんの弟さん。
わたし箙瀬比翼と言います」
冬雅の背中に隠れながら自己紹介する比翼。ペコッと下げる頭は見た目以上に幼く見えて微笑ましい。
「これはご丁寧にどうも。
俺は
ニッと人懐こい表情を示す。
「それで兄者、比翼もお嫁さん候補なのか?」
「ち、違うから!その発想をすぐに至りすぎだから!?」
「っと言っているけど比翼の気持ちはどうかな?」
「えっ?あのどうって・・・・・」
「もちろんお嫁さん
いや、大人に恋愛対象なんて普通にないから。逆に考えたまえ。
俺達が高校生のときに大人の女性に恋できるかを。そうできない。
それ以前に俺はイケメンではないしカッコいい言動なんてできない。なので比翼が好意を抱くこと万一もない。
「おにいちゃんとお嫁さん・・・・・」
赤面する比翼は、俺に何度も見つめて逸したりを繰り返す。
ここまで露骨にありふれた好意を向けられると俺じゃなくても分かってしまうほどだ。
「よく分かったよ比翼。兄者のお嫁さん候補だってことを」
「お、お嫁さん・・・・・」
「食べ物が冷めてしまう前に
早く座って食事しよう。
話しは座ってもできるし」
お嫁さん候補の話題を強引に話を妨害して座ろうと執拗的に勧める。比翼が惚れてしまった要因はなんだろう。JKが27才に惚れるなんて今でも信じられない。
「そうだね。比翼もお兄ちゃんのお嫁さんになりたかったんだね」
「ご、ごめん冬雅おねえちゃん。
怒っているよね」
「嫉妬しているって思うよね。
普通はううん。逆だよ、お兄ちゃんが幸せになれば」
冬雅はそう考えていたのか。
込められていると何故か思った。
「あの、お嫁さん候補って何ですか?」
「「「「っ―!?」」」」
三好さんの傾げた顔を見て、どう説明しようかと思考を巡らす。
「これはアメリカンジョークだ。あっははは!」
無理を通そうとするは移山。
それ無理じゃないか?
「アメリカンジョーク?」
「そう。特に仲がいい妹に対して使うんだ」
「そんな言葉があるのですね」
どうやら無茶な言葉を信じてくれた。いや流石は交渉では成功が当たり前と自画自賛したと称賛するか。とりあえず俺達は5人ずっと立ち続けるのも変なのでテープルに座る。今日は珍しく右は冬雅が左に比翼。向かいは弟の移山。
「兄者これハーレムだな」
「違っ・・・う!」
「迷った瞬間でアウトだな」
「ぐっ!」
両手に花は俺も思っていた。
好意を抱いた二人が隣にいるのだから落ち着けるほど豪胆ではない。
「えへへ、おにいちゃん♪」
肩と肩をくっつけるは比翼。
最初に出会った神待ちという部屋を泊まらせる条件に身体を支払うという非道で外道を受けた被害を受けていた。無理し続けて慣れた
営業スマイルに心を痛めたが、クリスマスパーティになって
楽しくて仕方ないと本物の笑顔。
ずっとこのまま本物の笑顔でいてほしい。
「お兄ちゃん。なんだか緊張しますね」
恥ずかしいさでもじもじする冬雅は頬を仄かな赤色に染まっている。
「そ、そうだな」
おそらく俺も冬雅が好きで緊張が増して汗が流れていく。
「お、お兄ちゃんメリークリスマス!ずっといようねぇ」
「あ、ああ。メリークリスマス・・・出来るなら俺も」
状況や社会や時間、年の差などを
取り除き素直に言えば俺も、ずっといたいと思っている。
「まるで恋人みたい」
移山の隣に座る三好さんが俺と冬雅の客観的に見て仲睦まじいを見て微笑ましそうに言った。
えーと前に仲良くしたら物々しい雰囲気はならないんですね。
「また見ないうちに兄者と冬雅がなぁ。あの二人っていつからいい雰囲気に?」
ちょっと黙ってくれませんかね移山。「うーん」と目線を上に向く三好さんは過去を振り返り探している。
「私もよくは、兄妹なのにラブラブでドキドキします」
「ほう。俺は二人が結んでくれれば理想だけど。兄者って人間恐怖症みたいなところがあるのに
冬雅のおかげか改善しているし」
「へぇー、冬雅のお兄さんが・・・あっ!私が言ったのは冬雅さんとラブラブの方です」
「訂正とかしなくても分かっているから」
「そうですか。でも納得出来ないことがあります。真奈と結ぶのがいいはずです。貢献なら真奈が
一番、多いと思うのです」
三好さんは持論に熱くなっていき途中から立ち上がり演説みたいに言った。将来は政治家になるのか三好さん。俺はチラッと横目で冬雅を確認しようとすると、偶然か冬雅も同じく横目で目が合ってしまう。冬雅は驚いて頬を赤くして俺は視線を前に向く。
・・・シンクロとは違う。もし冬雅も恥ずかしさに堪えずに同じことしているのか。
「そうか真奈もいたか・・・
兄者と手を繋いでいるあの子なら支えるだろうなぁ」
「ですよね」
「ううん。冬雅おねえちゃんとおにいちゃんが最高の組み合わせだと思います」
「「比翼!?・・・・・あっ!」」
俺と冬雅の声が一寸の先に遅れもなくハモる。な、なにがどうなっているんだ。どうして今日は冬雅をこうも意識するのか。
俺という甲斐性が無い大人に移山も三好さんは熱く議論に比翼も突如、参加した。
「ほう、その心は?」
「二人が愛し合っているからです」
「ストップーーー比翼!!」
「わぁぁーー!?駄目だよ比翼」
異口同音と言う俺と冬雅に比翼は笑みを向けて「任せてください」と胸を叩き咳き込む。だ、大丈夫か色々な意味で。
「兄妹で結婚なんてできません。真奈さんしかいません!」
実の妹じゃないよ。それと淫行になるので付き合うのは早いかな。
「違うんだから!冬雅おねえちゃんとおにいちゃんはそうしそうあい?っていつも冬雅おねえちゃんが言っていた!」
比翼た、頼むからやめてくれ。
「いっそのこと海外で結婚して比翼も加えたハーレムエンドは?」
移山よ現実を見てくれ。現実で複数と結婚の発想するのは別の国の人であることを。
「はぁ、ハーレムエンド?」
「ハーレムエンドって何ですか
冬雅おねえちゃん?」
「ふぇ?え、えーと・・・な、なんだろうね。あ、あっはは」
冬雅その含みのある笑み絶対に知っている説。説と言ったらサンタの赤い衣装はカトリック教の聖人の祝福に着用する祭服が赤だった説もあるけど諸説の一つ。
あとはコーラの宣伝とかなど。
ともかくカオスの場となったクリスマスパーティ軽い黒歴史になる。
「お、お兄ちゃん」
「なんだい冬雅」
サンタの赤いのように頬が染まる冬雅の目を見るだけでドキッとする。毎日と合っているのにこうも心を取り乱すのか。
「変な空気になりましたけど、わたしお兄ちゃんとクリスマスできて幸せです」
そう言うと満面な笑みを浮かべる。油断すると見惚れしまうほど輝いて錯覚するほどに可愛い。
「冬雅・・・俺も幸せだよ」
歯に浮くようなセリフに恥ずかしくなったけど冬雅は意外な表情してすぐに
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