第85話JKの看病・・・危ない気がする
「お兄さん。せっかくですから
昔の話を聞かせてくれませんか?」
片手を優しく包むように両手で握る
真奈がいきなりそう言った。
椅子を居間から持ってきて
座っている。
今は二人・・・真奈と三好さんは
下に降りて夕食を作っている最中。
二人きりになってから真奈が意識したのだろう全く喋れくなった。
ずっと、見つめて俺も視線を同じく
見つめる形。逸らすタイミングが
見失った。悩んでいたら昔話を
俺の過去を聞きたいと言った。
「い、いや俺の話なんて・・・
つまらないと思うけど」
「そんなことない!だって・・・
お兄さんなんです。
だから、その、察してください!!」
「・・・そうは言っても」
「難攻不落。でしたら、ワタシから
語ります。いいですか!言います」
「深呼吸しよう。真奈、少し
暴走気味だよ」
「ワタシ小さい頃は友達が居なかったんです。幼かったワタシは、
友達は、勉強と答えていたぐらい
なんですよ」
真奈は、上を仰ぎ過去を
浮かべていた。意外であった。
真奈の第一印象は、清楚なギャル。
「中学に上がっても現状が変わらず
学校のヒエラルキーが厳しくなって
淘汰するべきものとか、見下すものとか次々と辟易する神でもなったような集団が出来て・・・見ていて
不愉快でした」
「真奈?」
表現が暗い。暗闇に包んだ窓に
景色として合う真奈に胸が
苦しくなる。中学になにがあったと
いうのか。
「そう心配しないでお兄さん。
もう、過ぎったことですから・・・
大したことではないですよ。
いじめとか無視とかです」
「そうなのか・・・」
どうすれば、理想的な答えになるのか
俺は、知らず相槌を打つことしか
なかった。
「あ!ワタシじゃなく他の人です。
見ていて苦しくって、助けて
いないことが情けなくて」
「そんなこと―――」
ない!っと言って納得するわけ
ないじゃないか。月並みで知った
言葉じゃなく心に抱いた想いを
言語化にするんだ。
「あるだろうね」
「お兄さんにも言われたか。
あはは、可笑しいですね目に
汗が流れている」
「真奈!それは、恥や後悔なんて
しなくていい。その痛む気持ちが
大事で尊いものなんだ」
「尊い・・・なにがですか!?
見てみぬふりが、慰めようと――」
「している。でも嘘や込めていない。込めているのは真奈が尊いからだ」
「はっ!え!?」
「ゴホッ、ゴホッ。
だって相手の苦しみを自分も苦しむなんて立派じゃないか。
それだけじゃない。真奈は
本気で考えている」
「本気なんて、どうしてお兄さんが
分かるんですか?
勝手に決めつけないでください」
「苦しそうにして、語るのに
偽りなわけがない」
「ッ―――――」
真奈は、目を大きく驚きで開く。
握る手も力が抜けていた。
「ずっと苦しかったはず。
それだけじゃ被害を受けた人は
救われないけど、それが未来に
誰を共感して広がれば
平和に繋げると信じているよ。
まぁ、つまりその尊い心を大事に
して変わっていてほしい」
気づけば持論を展開していたことに
今になり恥ずかしくなる。
だが後悔は微塵もない。持論は、穴があるだろうし間違っていると思う。
主観的に感情で言えば、真奈の
優しさを真奈自身で認めて
向き合ってほしい。
「・・・お兄さんってときどき
感動させてくれるよね」
「私にはそう思わないけど」
「ワタシには、尊いと思うけど。
それも・・・本当にありがとう
お兄さん。心に響きました」
真奈は、可愛らしく優しく笑う。
そんな笑顔もできるのかと
少し驚いた。
「どうもいたしましてと、
ありがとう真奈」
「ふふ、閑話休題。
悪意に満ちていた教室を変えようと
ワタシは、スクールカースト上位に
入りました。簡単でした
少し失敗したような化粧して
・・・お兄さんの前であれですけど
ワタシかわいいからすぐに・・・」
「そう恥ずかしがらなくても
実際に可愛いと思うよ真奈」
「お、お兄さんは・・・
成績も優秀でしたから内部でいうのもアレですけどヒドイことしないよう
気を張っていました。
おかげで、教室は平和になりました」
ゆえに真奈は、リア充となりギャル風になったのか・・・口調や行動は
ギャルとは違うけど。
優等生キャラが、闇の戦いをひそかに
しているイメージだなぁ。
「次は、お兄さんの番です。
さあ、早く!」
「・・・・・えーと、はい」
平凡とは違うが、似たようなもの。
中高生のぼっちで成績はそこそこ。
喋るのが苦手なので話す機会もなく
青春と呼べることはなく過ぎていき
大人になってからも少しは改善
してきた。まぁ、基本的にはぼっち。
とくに大きな変化があるとすれば
2年前に小説を初めて書いたころだ。
読者コメントで評価されたことが
嬉しく、それからも書き続けている。
「へぇー、お兄さん。
嬉しかったんですねぇ!かわいい」
「かわいいって・・・書くときは
魂を込めているからね。
言葉にできない嬉しかったよ」
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