第66話冬雅の一日また訪れる

塾に向かう道すがら時や勉強も時も

真奈とは上手く話せず気まずい。

それにお兄ちゃんのことも。

わたしがずっと不撓不屈の精神で

挑んだ告白は偽の告白だった知る。


午後6時半。わたしと真奈と茜の3人でお兄ちゃんの家の前でどうしようか

悩みます。


あかねワタシちょっと

お腹が痛くなって・・・あいたた、

それじゃあ」


「待ってください、どこに

いくのですか?理由が下手ですか!

トイレなら冬雅のお兄さんで

借りればいいことだよね」


茜が真奈の手を掴み引き止める。

伊達に二人だけいること多いじゃないですね。わたしも出来たら

入りたくない。会いたいけど気持の

整理が出来ていない。


「もう、二人とも。

いつもの調子はどうしたの?

ここに来れば元気になるのに」


「そうは言っても・・・わたし

お兄ちゃんに自分さえ騙した告白を

したんだよ・・・

ショック受けていたんだよ。

心の底では薄々と

分かっていたんだけど」


わたしは、告白して告白が分からなく

なった。なにを想いを込めるか・・・

大好きを偽っていた。

蛮勇ばんゆうにした行いが

わたしを蝕んでいるような・・・。


「ワタシも・・・お兄さんには

好きと大好きの違いが知らない。

嫉妬もしていないのは・・・・・

きっと友達感覚に近いはずだから。

・・・だから、ワタシは・・・・・」


横をチラッと見ると真奈が

何かが、に落ちない表情。

真奈は、本物だと考える。

そこまで、悩み違和感を探すなんて

偽りのない恋心。


「・・・はぁー、私からすれば

二人ともあの人を大好きだって

顕著に言葉に出ていますよ」


わたしは「ふぇ?」と驚き

真奈も同じタイミングで「へぇ?」と

声を出して狼狽していた。

・・・わたしもきっと似た反応

でしょう。


「恥ずかしいのは分か・・・

りませんが!こうして迷っても 駄目です。拙速を尊ぶという

教訓となる言葉もありますよね?」


「そ、そう言われても・・・・・」


行動よりも今一度と自分に

逃げていた想いを見つめ直しが

重要視している。

お兄ちゃんとはその整ってからでも

っと結論しているけど、

会えないのはそれはそれでイヤで。


「冬雅さん駄目ですよ。

兄と会うのに何を躊躇っているの

ですか?それじゃあ押します」


「「ま、待ってーーー!!?」」


・・・押しました。

あかねは、く積極てはなかったはず。


「おかえり冬雅、真奈、三好さん」


明るくわたし達を迎えてくれた。


「お、お兄ちゃん・・・ただいま」


不思議と笑顔で言えた・・・

どう接して笑えたのか不安でしたが

虚心坦懐きょしんたんかいとなっていき明るく返事できた。


「東洋お兄さん・・・ただいま」


真奈も頬を赤らめるて途中から

直視できず逸らす。真奈も普段通りに

挨拶していました。


「その、こんばんは冬雅のお兄さん」


まだお兄ちゃんに人見知りな茜。

うーん、押したのは茜なのだけど、

思ったよりも後先と考えないかも

しれない。


「そうだった、こんばんは」


ただいまやおかえり言うようになったのは、わたしが強引に第二の家とか

・・・新妻とか妄想して

暴走して失言した。

思い出すと恥ずかしいですけど

後の祭り!今更です。


「お、お兄ちゃん・・・

えて嬉しいです。

だいす・・・す・・・・・

えっと!?」


課題としている一日に2回の告白を

実行しようとお兄ちゃんに大好きと

本当の・・・想いを込めて

言うとしますが・・・出来ない。

セリフは、すでに決めている。

その大好きをセリフに込められない。


「・・・冬雅?大丈夫かい」


「・・・・・はぁ、はぁ。

お兄ちゃん、わたし言えない、

込められないよ。

ううぅぅ」


わたしは、緊張と恐怖で息が苦しくなり詰まるような感覚に陥り

苦しくなる。

酸素を求めて激しく呼吸して

なんとか伝えないといけないのに

・・・憐憫れんびんな表情なんて見たくない、見たくないよ。


「・・・・・大丈夫だよ冬雅!」


頭をなでなでした・・・

お兄ちゃんは、わたしの頭をゆっくり大事にそうにゆっくりなでる。


「お兄ちゃん・・・・・」


「俺にはよく分からないけど、

こうしたら落ち着いていて・・・

だから、えーとイヤだったら

すぐにやめるよ」


疑心暗鬼と一気消沈なる、わたしに

慰めてくれた。やっぱり優しい。

苦しんでいると、身体が勝手に動いて

頭をなでた・・・とすぐに思った。

わたしは、頭を左右に振る。


「そうか・・・このまま続けた

方がいいかな?」


わたしは首を縦に振り肯定する。

恥ずかしくなり、わたしはうつむく。


「・・・・・」


幸福でした。わたしからすれば

大したことじゃないけど、

お兄ちゃんに心配されるのも

よくない。

名残り惜しいけど、気持ちいいけど

真奈や茜が静かに見守っているのを

見なくとも分かる。

呼吸は、整った。

お兄ちゃんのおかげ・・・ううん

3人のおかげですね。


「ありがとう」


「どういたしまして。

続きは家の中でするけど、もちろん

望んでいたらだけど」


「・・・う、うん」


「東洋お兄さん。

それって、かなり答える側は

恥ずかしいのだけど?」


「玄関前で長々と禁断の恋を

見せられると」


真奈は、呆れてお兄ちゃんに言って

茜は・・・禁断の恋なんて

ちょっとドキドキする単語です。


「そ、そうだね。

配慮が欠如していた・・・えーと

上がろうか?」


どうやらなでなで続きはリビング

かな?お兄ちゃんについて歩く

リビングに入って、わたしは

ソファーで座り前方にあるテレビを

つけ隣に座る真奈と茜と

録画したアニメを見る。

それから一時間ちょっと観て

夕食を食べ終えお兄ちゃんも

加わり四人でクイズ番組を観る。


「・・・えーと、冬雅と真奈が

私に距離があるのだけど、

どうしたのかな?」


一人称がまた、[私]と使う

お兄ちゃんは

近くに座る茜に尋ねる。

お兄ちゃんは、ローテーブルの横に

カーペットに座り茜はわたしと同じく

ソファーの位置は右。


「冬雅のお兄さん。その・・・

二人は落ち込んでいて詳しくは

言えないけど頭をなでなでしては?」


「うぅぅ!?」


「は、はぁ!?」


とんでもない提案を挙げる茜に

わたしと真奈はソファーから

立って驚きのあまりしました。


「・・・でも、セクハラになるじゃ」


「東洋お兄さん。そんなこと無い

から!告白をした人に頭を

なでられる嬉しいに決まっている」


ま、真奈さん珍しくお兄ちゃんに

怒鳴っています。

わたしには出来ない。

その伝えるのに、強気に。


「そう言うなら・・・冬雅なら

いつもなでているけど、

うまく出来るか分からないよ」


真奈が顔を赤くしての言葉に

お兄ちゃんは、立ち上がり

わたしと真奈の背後へ立ち、

恐る恐る答えようとする。


「はううぅぅぅ」


「んっ」


恥ずかしくって、わたしは唸っている

と真奈は、色っぽい声を出していた。

お兄ちゃんは困ったように

苦笑していた。


しばらく頭をなでられ真奈もときどき

うんっ!んぅぅ!とか

アニメじゃないからやめてほしい。


聞いているわたしや茜は

恥ずかしいです。

お兄ちゃんには効果がいまひとつ。

真奈と茜の本当に帰宅時間になり

四人で住宅街に2列で歩く。

前はわたしとお兄ちゃん。

後ろは真奈と茜。


「・・・お兄ちゃん、なんだか

すみません。いつも迷惑を

かけたみたいで」


「迷惑とは思っていないよ。

冬雅や真奈と三好さんが来てから

楽しくて仕方ないぐらいで

感謝しているんだよ」


「うん、ありがとうお兄ちゃん」


不安をさせないための笑顔と言葉。

本当に感謝はしていても

時間を割いている。お兄ちゃんには

小説家になるため受賞するために

日々、研鑽している。


「それに、冬雅を見ていると

純愛を教えてくれて・・・

最低な発言するけど、

小説の参考になる部分もあって、

あまりにも貰っているぐらいだよ」


星の下に歩くのも素敵です。

お兄ちゃんの一部の本音も

聞けました。

いつか、こうして繋いでる手を

恋人繋ぎしたい。


「えへへ、お兄ちゃん・・・

わたし大好きです」


本物の大好きを影に潜めた少しの

欠片の程度である告白。


「冬雅・・・嬉しいよ」


本当の告白は、できない。

あの、最初の告白が恐怖で魂に

刻まれた。いつか・・・・・

克服してお兄ちゃんに二度目の

本当の告白をする。

いつか――――絶対に!

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