第59話さすがにJK三人のパワーはスゴイ

前回のあらすじ。

本を買い外に出ると冬雅ふゆか達と

バッタリと遭遇。


冬雅の太陽の笑顔により陽の力で

鬼の俺は消滅。

真奈まなは、出会う度に

恋慕う視線に恋慕を冷めるの

時間が掛かりそう。


えーと、なんの話だったか・・・

そうそうあらすじ。


こほん、閑話休題かんわきゅうだいとしよう・・・

冬雅と真奈の

友人たる三好茜みよしあかね

俺を含めた四人で家に向かう。

以上を持って

終わらせていただきます。


「・・・頭でそう解説してみたけど

どうしてこうなったのか」


淡い黄昏がぼんやりと揺蕩たゆた

夜のとばりが落ちようとする。黄昏色に染める住宅街は美しく装飾され、のどかな気持ちにさせる。


「?東洋お兄さんなにを言って

いるのよ。

まぁ、別にいいんだけど・・・

ねぇ、その料理部の知り合いに

たまたま・・・・・ほんとーに

気分で料理を作ったのだけど

余りがあって、お世話になっている

わけだし。

特別にあげるわよ」


真奈は表情や声を変えながら

まくし立てて、

学校用かばんの中から力を入れたと

一目で解る綺麗なラッピングされた

箱を取り出す。


「ありがとう・・・もう

バレンタイン過ぎているけど

本命チョコを貰うと嬉しいものだね」


「「「・・・・・・」」」


あっ、やってしまいました。

右の腕を組んでいた冬雅と

後ろに歩いている三好さんの息を

飲むのが背後から伝わる。

そして、当の真奈はフリーズ。


静寂が漂い始めて、どれくらいか

先に我に返ったのは真奈。


「わあぁぁーーー!?

違います・・・ けど

そうだと言えます」


顔を赤らめ支離滅裂な事を言う真奈に

落ち着かせようと言葉を選んで実行。


「その、無神経だった。

急に本命チョコなんて言って・・・

今まで受け取っていないから

慣れていなかったんだ」


この発言は、利己的で真奈を考慮が

不足していると考えに至り

別の言葉を口にしようとする。


「お兄さん、その一度も・・・

貰っていないのですか?

大人になっても」


「そ、そうなのですかお兄ちゃん!」


「ふわあぁぁ」


三人のJKはバレンタインチョコを

貰ったことない俺の言葉に

驚きを禁じ得なかったようだ。


・・・そりゃあ、三人でしたら

スーパー美少女だから

チョコの一つや2つなんて

必ずでしょう。


「・・・そう、なんだ。

笑うなら遠慮なく笑ってくれ」


ビジネスマンで働いていたときに

一度も貰っていないことに

見世物のように嘲笑されていた。


「ハァー、東洋お兄さん。

ワタシの気持ちを理解していません!

いいですかお兄さん。

・・・正直、知らない女の人に本命を

受け取っていると想像すると

イヤなんです」


真奈は、左手を握り移動を再開する。

真奈とこうして手を繋ぐのは

もはや毎日そうしている。

繋ぐと温もりや握る強弱程度しか

情報ないのに安心できる要素もある。


「ま、真奈・・・その、

作ってくれたチョコを大事に

食べるよ」


真奈は、右を俺の顔をチラッと見て

前へ戻す。頬には赤らめて

美しかった。


「そう・・・フフ、お兄さん。

本命チョコを貰うのは初めて・・・

なんだよね」


「ああ、・・・初めてだよ」


高揚感で、真奈は気づかずに自分の口から本命チョコと言っている。

そこを気付かさないようにしないと。


「ふん、ふん。なるほどねぇ、

お兄ちゃんはバレンタインチョコを

貰ったことないですか。

来年はわたしの分も入れて

渡しますねお兄ちゃん。えへへ。

楽しみにしてくださいねぇ!」


本来なら、恋をするライバルの

真奈に嫉妬の類を抱いても

不思議じゃないが、真奈を応援する

気持ちや俺の知らない強い友情を

芽生えたのだろう。


冬雅は、いっぱい貰えるような

セリフをしたけど二人だけだと思う。


「えーと、ハーレムだこれは!」


背後からついて来ている三好さんは

俺達の関係を第三者からすれば

そう呟くのだろう。


(最近で慣れているといえば、

通りすがっていく人が

俺を冷たい目で見ていることも

慣れてきたなぁ)


淫行かどんな状況と目を見開くこと

度々ある。美少女が、視線の的に

なるって想像よりも疲れると

俺は学んだ。


「お兄さん良かったら・・・その

あーんやるけど?」


「それは、また」


貰ったチョコをこんな人通りがある

場所でやればアウト。

特に冬雅や三好さんがいると

女子高校生を侍らせている!

など通報されるだろう。


「気持ちは嬉しいけど断らせて――」


「フフのフ。

お兄さんが断っても・・・

ワタシのこの手が光って唸る!

勝利をつかめととどろき叫ぶ!」


真奈は、制服のスカートからポケット

を取り出し箱を開ける・・・

ポッキー。それを俺の口に

強制突破と入れよとする。


「身代わりの術、冬雅!」


「うん、お兄ちゃん任せて!」


俺の右腕に組んでいたこ手を外し

ポッキーを食べようとする。

真奈はポッキーを奪われないよう

クッキーの箱と本体を動かし避ける。

気づけば大人の俺も笑って

一緒にたわむれていた。

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