第24話メイドになっていた件

詳しい説明もなく家に帰るように(実際待機)と下知げちに従うことにした。その方が、こっちも

執筆がゆっくりできるので助かる。


「よし、執筆が捗っている!

んっー、そろそろ休むとしようと」


上体を後屈しながら時間を確認したら正午が過ぎていて2時になっていた。

朝から追い出されから自宅での執筆

にかなりの時間を消費したなぁと

時の刹那さには、悲しくなってくる。


(もう、27歳でプロにならず

・・・諦めたほうがいいのでは)


諦めるというのは、小説大賞など

ために書いていた作品を――プロの道を諦めること。

これから小説を惰性的に書く趣味に

しようかと何度も考え始めていた。

そんな一寸先は闇の思考に現実的に考えているとスマホからライン着信音。

画面には平野さんと表示している。


「えーと?」


(お兄さん準備できました!

かわいい動物がサムズアップした

スタンプ・・・ユニークだな。

んつ?こ、これは!?)


無読と心の中で読む。あのスタンプは狙ったのかと尋ねたくなる

タイミングで続けて送ってきた。

『お兄さん氷の美少女にどうしたら

ここまで好意を懐かせるのですか?』


「いや、私が訊きたいのだけど!?」


直接、通話もしていない平野さんに、ついツッコまざる得ない。


数分後に俺は準備を終えると外に出て右に曲がり目的であり約束の地。

俺の家で一番に近い隣だから

当然だけど、平野さんが準備を終えたとライン(トーク)で告げられ

門扉の前に立ち止まり

インターホンを押す。


『ここまで、よく訪れたなぁ

伝説の勇者よ!』


もはや、平野さんが魔王風に歓迎され俺は一瞬だけ唖然あぜんとなる。

インターホン越しから聞けました。


「はーい、自称伝説の勇者で

あります・・・えーとトークで

準備を終えたと知ったのですが」


おそらく俺のために用意したセリフなんだろう。そうでなければ、

冬雅が平野さんだけ上がらせた理由が思いつかない。


(そうと分かれば、夏に入って

毎日と話をしている冬雅に緊張

してしまうなぁ。これって、

初対面の頃を思い出す。

いや、それ以上かもしれない)


『ワタシ達は、リビングで待っているからお兄さんには、堂々と玄関から

入ってここまで来るようね』


朗らかな声で行くように促される。

彼女の朗らかと結論したのは高揚感があったからだ。

それに、なんとなく嬉々とした笑顔をしているだろう。


「分かった。入らせてもらうよ」


家主では無い平野さんに許可を貰い中に入ることにした。

玄関の靴を丁寧に脱いでから

リビングへと足を向ける。


最初の頃に

比べゴミ袋が散乱としいたのとは

一変。キレイな玄関と廊下。

そして邪魔にならない程度に調度品が置かれている。

柑橘類の匂いが漂っている。


これが冬雅が掃除したと考えると驚くべきことだ。前は立派なゴミ屋敷レベル

だったのに・・・成長の速さに感動しながら

リビングに繋がるドアノブを開けると

二人のメイドさんがいました?


「おかえりなさいませご主人様!」


「おかえりなさいませご主人様♪」


発言順は、冬雅、平野さん。

メイド衣装はまだ分かっる・・・いや

正直、理解に苦しむが。


好きになってもらおうと行動しているのは分かる・・・今の光景が謎だけど。

問題なのは、そのメイド衣装で

とってもメイド喫茶店などで

着るようなものではなく、

露出が多い。


具体的に述べれば、袖なしで

膝の半分が見えるミニスカートで

・・・ かなり危ういと言える。

そして、何故か平野さんも。


「ど、どうしてメイドを?」


「そ、それは・・・お兄ちゃんが

メイド喫茶店にまだ行っていないと

言っていたのを・・・・・

その!せっかくだから最初に

見るならわたしがいいなぁ。

なんて、思ったんです」


恥じらいながらも懸命に説明を

してくれた。


「ワタシが思うには、お兄さんを

落とすならチャンスと考えて

実行したんだと思いますよ」


「そ、それは言わないでほしいから

やめてほしいのだけど」


図星だからなのか、弱々しく批判した

冬雅に平野さんは我間せずだった。


「それで、冬雅のメイドはどう?

今日のために昨日から頑張って

用意したんだよ」


平野さんは、からかっていた。

その表情は、有無を言わせない

真剣な表情だった。


言葉には冗談が無く、きっと事実なのだろう。玄関やこのリビングも

メイド喫茶店に似せようとした。

衣装のことは、触れたくないけど

メイド衣装を感想を言う

義務があるのだろう。


「メイド姿、かわいいよ冬雅」


「つっ〜〜〜!?」


驚愕と顔を赤く染まっていき、

もう限界と言わんばかりにうつむき始めた。かわいい褒めるのも

耐性をついたと思ったのだけど

そうでもないようだ。いや、

自分からメイド衣装を包んで褒められるのは違いがあるか。


「それじゃあ、ご主人様に席を

案内してください冬雅」


「わ、わたしがですか!?」


「なにを言っているの。

ワタシが案内しても誰も得しない

でしょう?」


誰も得しないとは、否定しようも

口を広げる前に、気休めな否定なんて

良くない・・・っと脳によぎり、中断。


「わ、わたしのためにありがとう。

・・・・・ご、ご主人様。

席を案内しますねぇ」


「 はい、よろしくお願いします」


冬雅に案内され中央の席に座る。

純白のテーブルクロスが清潔感を

うまく表せている。

テレビは、おそらく録画したアニメ。


「お兄ちゃ――ちがったご主人様。

その、注文できるような

バリエーションは、ありませんが

あ、あ・・・愛情を込めた

オムライスを持ってきますので

少々お待ちを。それじゃあ!」


羞恥心で上手く言葉を出来ずに

耐えきれずに彼女は奥の

キッチンの方へ向かう。

リビングとキッチンの距離は

目と鼻の先で遮るものがない。


確か、オムライス云々あったが冬雅が運んだのはオムライスで、

既に完成したものだ。

まさか、俺をラインで招く前に

作ったのだろうか。それとも工夫して早く作ったのだろうか。


「お兄ちゃんご主人様のために

作ったオムライスです!」


満面な笑顔でテーブルの上に

丁寧に置くと会釈した。

こちらも会釈を返すけど、落ち着かない気分だ。


「お兄ちゃん・・・ご主人様。

魔法の準備いたしますので

しばらくお待ちください」


またもキッチンに行くのを後ろ姿をぼんやりと見ていた。

今度は走って。どうやら、冷蔵庫に

ケチャップを取り戻ってくる。


なんだろう、誕生日のために

娘が頑張って作った盛大な料理を食べるような――

父親の気持ちのように愛おしくなる。

その前に俺はそんな感慨深く思う

年齢じゃないし、娘いないし。


「お待たせしました」


これから、行うことが分かっている

ながらも純粋に楽しみだ。


「ご主人様いきます!

おいしくなれ、わたしの・・・

愛を込めて♪」


「おぉーー!!」


メイドカフェに一度も行ったことない

ので本来や実際なんて語れる知識や熱意はないが不思議と嬉しい。

これがケチャップをかけるなのか

と感動的だった。


超絶の美少女メイドなのも

スゴく様になっていてメイドカフェに

いるような雰囲気があった。


「ご主人様、わたしの愛を受け止めて

ください!」


「ああ、応えてみせる!

いたたぎます」


オムライススプーンを口に運び

咀嚼して、飲み込む。

時間が経過していて、少し冷たく

なっているとはいえ、手作り感が

あるこの味に味覚的にも心にも

幸福が満ちていく。


「おいしい・・・おいしいよ

冬雅」


「ほ、本当ですか?えへへへへ。

ご主人様もう一度いいですか?」


「おいしかったよ冬雅!」


「えへへ。愛している人のために

作った料理に褒められるって

幸せすぎますね」


・・・あれ?これ、それは俺が耳にしたらアウトではないか?


「ちょ、ちょっと冬雅!

落ち着きなさい。とりあえず

落ち着くことから始めるのよ!!」


途中から傍観していた平野さんは

暴走しようとする冬雅を

なんとか制止しようとする。

混乱しながらも。


「ふぇ?・・・ふえぇぇ。

お、お兄ちゃん聞こえました?」


「・・・キコエテナイヨ」


「ど、どうしよう・・・

思いきり嘘をついているよ

お兄ちゃん。目を逸らして冷や汗を

流す分かりやすい

リアクションだよ。あはは・・・

わあぁーー!?恥ずかしいよ」


羞恥で激しく動揺して、悲鳴を上げる冬雅に

俺は、そんなに顔に出ていたと

ショックを受ける。

最後はいつものはカオスと化すのだった。

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