第47話 金銭感覚がマヒする双子

 

 次に、二人組のかわいらしい店員さんが呼ばれた。

 ユキと、フユは、年も近そうな店員さんがどんな服を出してくるのかとても楽しみにしていた。


「私たちがお持ちいたしましたのは・・・」


 そういいながら、ガサゴソと、大きなバッグから取り出したのは・・・



 第46話 金銭感覚がマヒする双子


「こちらが今、当店でおすすめのお洋服ですの~。是非是非合わせてみてくださいですぅ~」


 そういいながら、二人の店員さんたちが取り出したのは・・・

 まぶしいほどのスパンコールが全身についてキラキラしているボディスーツであった。


「う~ん・・・これは無いわ・・・。」


 宿屋のおかみさんのメガネには適わなかったようであったが、双子は初めて見るキラキラした服に目を輝かせている。


「「ねぇ、ねぇ!おかみさんっ!着てみたいですぅ!!!」」


 双子からの希望があり、とりあえず試着だけしてみることにした。


「「キラキラ~♪」」


 おかみさんは、双子の完成を疑うかのような目で見ながらため息をつき


「じゃあ、これもキープね」


 と、他の洋服と一緒のところに置いた。


 今日のところは、これくらかしらね。と、約一時間ぐらい洋服を試着してご満悦な双子を見ておかみさんは満足そうにうなづいた。


「「でもでも、わたしたちはお金ないんですょ?」」


 双子たちは心配そうに、おかみさんの顔を下からのぞき込む。

 すると、おかみさんは満面の笑みを浮かべながら


「あなたたちのご主人様はとっても太っ腹ですから大丈夫ですよ!

お金もたくさん置いてくれているので好きなものを選んでいいのですよ。」


 実際ユウキが預けていった小袋の中には、白金貨と金貨しか入っておらずその小袋だけで屋敷一つ買ってもおつりが出るくらいの金額であった。


「「ほんとに!?ほんとになんでもいいの~!!??」」


 双子たちは、大きなくりくりした目をさらに大きく輝かせ自分たちが好きなものを選んでいった。

 フユも、ユキも好みは一緒のようでそれぞれ別々で選んでいたが結局、同じ服を数着手に持っていた。


 おかみさんは、双子の様子をかわいいと感じながらも手に持った洋服の中に

 あの、キラキラしたボディースーツが入っているのを見て、もう一度ため息をついた。


 洋服選びを終え、部屋の大きなベッドで双子はごろごろしている。


「ねぇねぇ。ユキ。ユウキが様は、大丈夫かなぁ・・・。」


 妹のフユが、少し心配そうに姉に聞く。


「でもでも。フユ。ユウキ様はお強いから大丈夫じゃないかなぁ?」


 姉のフユも、心配ではあるが姉であるため気丈にふるまう。

 元のご主人様が、残虐な人であることを知っていたからである。

 双子がそんな心配をしていると、

 元のご主人様の怒鳴り声が聞こえてきて双子は抱き合って震えた。


 しかし、内容が自分の悪事をべらべらとしゃべっているため、なんかおかしいと思った双子は窓を開け外の様子を見ることにした。

 恐る恐る、外を見ると町中が騒然となっていた。 




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る