第46話 着せ替えごっこ


 風呂から上がると、宿屋のおかみさんが下着を準備してくれてあった。ボロボロの布の服は、捨てられていた。

 部屋を準備してあるからと3階の一室に通された。


 第46話 着せ替えごっこ


 部屋に入るととても広く大きなベッドやソファー高級な調度品を置かれている、いわゆるVIPルームであった。


「さてっ、お嬢さんたちお風呂に入って見違えるようにきれいになったね!髪の毛の色にもびっくりだけどお顔もすごくかわいらしい。」


 そう、髪の毛を洗うなど最後がいつのことだったか覚えていないくらい前であり、宿屋に来たときは二人とも黒に近い茶色の髪であったが、風呂から上がったら、ユキは淡いグリーン、フユは濃い赤の2人ともきれいなストレートの長髪であった。


「こんなにかわいいんだから、選びがいがあるわっ!どんどん持ってきてちょうだいっ!!」


 おかみさんが、合図をするとまず、三角メガネをかけ黒服を着た女性が2点洋服を持ってくる。


「こちらは、黒と白でかわいらしくフリルを付けたお洋服でございます。お嬢様がたにはとてもお似合いだと思います。」


 いわゆるゴスロリ風のメイド服に近い洋服である。

 高そうな洋服に着るのをためらっていたが、三角メガネさんがあっという間に二人に着せてしまった。


「おぉ!いいじゃないかい!かわいいねぇ。」


 おかみさんは絶賛である。とりあえずキープしときましょうと言い、次を呼び込む。


 二人目に入ってきたのは、一見ひょろっとした男性だが、狐のしっぽが生え、狐のお面を被り、でも、頭から狐の耳の生えている人?がきれいな着物を着て入ってくる。

 四角く茶色い旅行鞄の中から、二人分の色違いの、色鮮やかな着物を取り出す。


「こちらは今朝、倭国より届きましたる『着物』でございますコン!

可愛いお二人にとてもお似合いかと思いますコン!」


 お面越しで表情は分からないが、とてもやさしい声をしていた。着付けてもらうと、二人用に仕立てられており、それぞれとても似合っていた。だが、初めて着る『着物』に着づらさを感じた。

 表情に出てしまったのか、狐の店員さんが


「『着物』は、今回はちゃんと帯を巻いてもらいましたが、普段は簡単にこちらのコルセットなどで留めてきていただいてもかわゆうございますコン!」


 コルセットというものも初めて見た二人だが、使い方を聞くと簡単でうれしかった。

 こちらもおかみさんお気に入りとなりキープになった。


 次に呼ばれたのは、二人組のかわいらしい店員さんである。

 ユキと、フユは、年も近そうな店員さんがどんな服を出してくるのかとても楽しみにしていた。


「私たちがお持ちいたしましたのは・・・」


 ガサゴソと、大きなバッグから取り出したのは・・・


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