秘宝の護衛者

作者 Maro

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★★★ Excellent!!!

物語の雰囲気は、吉川英治の伝奇小説、または、1950~60年代の時代劇。古いというのでは、ありません。この小説には、時代劇黄金期の輝きを感じます。登場人物は、鈴木亮平でも長谷川博己でもなく、大川橋蔵や市川雷蔵(注:私のなかで)。そんな、昔ながらの時代劇、時代小説を愛する、こだわり派も納得の小説です。

★★★ Excellent!!!

●テレビ番組欄から時代劇がほとんど姿を消してしまい、淋しい限りです。でも、時代劇には日本人が古来から培ってきた精神性や美意識、道徳観などが一番色濃く現れていると思うのです。そして、その血を良く受け継いでいるのが、日本の少年漫画やアニメだとも思っています。たとえば、敵には敵の信じる正義があると理解する主人公や、年齢や身分、職業に関係なく自分の役割を真摯に果たそうとする者たち、ある時は自分を犠牲にしてでも義を貫き、またある時は相手への情から自らがいばらの道に赴いたり……。だから、今の若い読者さんにも、この作品は十分楽しめるはずです。

●秘宝を求めて旅をする九人の前に、次から次へと立ちふさがる敵たち。その誰もが強いだけでなく、それぞが違った剣や術の使い手です。襲いくる危機をどうやって切り抜けるかが、毎回の魅せ場ともなっています。正直、私は最近の時代劇は映像も活字も人情ものや食を題材したものが増えすぎて、それはそれで面白いのですが、少々食傷気味だったのです。
「やっぱり時代劇の醍醐味はチャンバラだよ!」
 そんな私の欲求不満を満たしてくれた快作、Maroさん、ありがとうございました。ちなみに私は、「三天狗との戦い」は特にお気に入りです。

●それから、レビューを読んでくださっている皆さん、仲間たちを束ねる氏姫様がリンとしていてすっごくカッコいいんです! 戦いの場面でも守られるだけでなく、自ら武器を手に取り活躍します。ほかの仲間も忍者(色っぽいくの一姉さんもいます)や凄腕の剣術使い、健気な少年剣士に胡散臭げな坊主、一見そうは見えないけれど、実は熱い商人(あきんど)魂を持った商人などなど。楽しいキャラぞろいなので、ぜひぜひあなたもページをめくって彼らの大活躍をのぞいてみてください。自分も仲間の一人になった気分に浸れますから。


★★★ Excellent!!!

時は江戸時代。喜連川藩の奥方である氏姫ら九人の個性的な面々が、度重なる敵の襲撃を退けつつ京付近から東都江戸を目指す。タイトルにある「秘宝」とはいったい何なのか、そして一行の旅はいかなる結末を迎えるのか。
願わくは、命運を共にしたその九人の旅の行き着く先を自身の目で見届けられんことを。