本庄と人権

 4年次のカリキュラムを見たら、「人権」という単発授業があった。


 そう、うちの大学は、毎年全学生に対して人権講演を行っているのである。これ、どこの大学でもあるのかな。他の授業のコマが潰れたりするし、元のコマの先生が怒らないのも不思議だ。


 常に本庄が大学にブチギレているのを見ている方には意外かもしれないが。本庄は道徳の授業とかは嫌いじゃない。道徳の授業を聞かずに教科書のストーリー全部を読みふけるタイプだった。え、授業聞いてないじゃないか? それはそう。道徳の授業って、テスト前に遅れてる授業を取り戻すための予備コマだよね。


 それを抜きにしても、割と情に訴えてくるタイプの小説とか(意外にも)好きなのだが、この人権講演だけはダメだ。大嫌いである。


 なぜなら、この人権講演のコンセプトが気に入らないからである。なーにが「他人の人権を守りましょう」だ。そもそもうちの大学は、「社畜に人権があると思うな」と豪語するやべー教授がいるような大学だぞ。


 まず、学生の人権を守ってくれ。話はそれからだ。


 鬱の授業しま~す、じゃねぇよ。うちの大学は毎年鬱の学生がボロボロ出てるし、鬱の診断書を拒絶(拒絶って何なんだ? 診断書だぞ?)したクソババア教員がいるじゃねーか。学生以上に人権講演を受けるべき人間がいくらでもいる。


 とりあえず、台風が来たら、女の子の多い学部は休みにするけど、男の多い学部は授業じゃ~などと寝ぼけたことを言うのをやめ、一律休みにしろ。ていうか台風が来たら休みっていう学則やんけ。それに先生も休ませてやれ。


 中でも一番かわいそうなのは、生協の食堂のおばちゃんやと思うけど。台風の時に学食に行くと死ぬほど嫌そうな顔してるし、生協公式twitterに至っては「台風で授業があると店を開けなきゃいけなくなるので困る、誰が来れるっていうんだ」的なことを割と直接的に書いてるからな。


 大学に言っても絶対直らないので、ここでぐちぐち言うしかない。ほんとすみません。


 まあもちろん、他人の人権をないがしろにしていいということではない。我々の人権の扱いがちょっと雑だろうと、他人にそれをぶつけていいというものではない。


 それはわかっているのだ、それでも本庄は人権講演が大嫌いである。


 内容が薄いからである。

 いや、言ってることは良いことだ。良いことなんだけど、はるばるやってきた講義をやってる人からも片手間感がすごい。あなたが配ってるそのプリント、大学名が違いますよ。普段行ってる大学のままですよ。そのまま持ってきたのね。


 一コマだしね。そんなもんだよね。


 でもこういう授業に限って、出席取るしレポート出せとか言ってくるから、休めないし途中退出もできない。レポートのネタの為に多少は講義内容を耳に入れながら、全人類を微生物で殺害するゲーム(※Plague.inc)をやっているのがオチである。


 人権って何なんだろうなぁ。

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