第18話 宿題は計画的に

1泊2日の温泉旅行を終え、二人は家に戻って来た。家に入るなり、シロは自分の部屋へお土産を運んで行こうとしている最中だった。

相変わらず自分のだけ最上限に動くのね。

ふと、カレンダーに目を向けるともう8月も後半に差し掛かっていた。あれ、そういえば・・・


「ねぇシロ、あんたちゃんと宿題やってる?」

「え、宿題?」

「あなたがやってるところ、私見てないんだけど」

「・・・忘れてた」

「やっぱり・・・」

「うわー!ど、どうしようマキちゃん!!」

「知らないわよ、こんなの完全に自業自得じゃない!!」

「お願い、手伝って!もう明後日には学校始まっちゃうからー!!」

「はぁ・・・わかったわよ。少しだけ手伝ってあげるわ」

「ありがとうマキちゃん!!」


そんなわけで、急遽シロの宿題を一緒にやる事になった。

とりあえず残ってるやつを持って来てもらったけど・・・ほぼ全部が新品だわ、真っ白。

絵日記だけはちゃんとつけてたのね。まぁこれが無くなっただけまだマシね。

問題が自由研究ね。今からできることって限られるわよ。

ここはとりあえず自由研究はシロに任せて私が宿題を片付けましょう。

その方がきっと効率も良いはず。でも、全教科分あるのよね流石にきついわ。

私が宿題を進めている間にシロは自由研究を進めて行く。どうやら食べ物関連の事についてやるみたい。

これはシロらしい自由研究かもしれないわね。自分の得意なものでやるのか一番楽だもの。

懐かしいわ。自由研究、私もやったっけ。私は花の観察日記をつけてたわね。

後は顕微鏡で拡大したものを写真に撮ったりとか。


「マキちゃん、思い出に浸るのは後にしてくれない?こっちは人生かかってるのよ」

「別に私はいつでも辞めるわよ?」

「すみませんでした、やっぱりやってくださいお願いします」

「そこまで頼まれちゃ仕方ないわね」

「やったー!」


数時間後、シロの自由研究が完成した。しかし、夏休みの宿題はまだ終わらない。

まだ後100ページほども残っている。この量を今日中はさすがに厳しいわね。

ここでシロも加わり倍近くのスピードで問題を解いて行く。

このペースのままなら夜には終わるかもしれない。

そして、その予想通り夜までかかったが夏休みの宿題は全て終わり、お互いに疲れも溜まりきっていた。

シロの宿題をやり終えた後、マキはそのまま眠りについていた。

長い時間小学生の宿題と戦い続けて来たマキは、来年シロがまた宿題を溜め込んでも絶対に助けないと心の中で決めていた。

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