第2話 あり得ない真実
あ、焦るな。私のことはニュースでも取り上げられていたし、きっとテレビで見たから知ってたはず!
それに、仮にエリが生きていたとしても私と同じ26歳・・・きっと人違いよ。
「わ、私のことを知っているのかしら?」
「うん。ってさっきも言ったじゃん」
「ごめんなさいね、でもあまり信じられなくて・・・」
「はぁ・・・。山田マキ、3歳の時に私の飼ってる犬に噛まれて号泣。6歳の時は小学校でクラスが違うってだけで号泣。中学校2年の時に私に告白して、その日から恋人になった」
「場所は!?」
「修学旅行の時の夜、旅館の庭園で」
「う、嘘・・・」
私は地べたに座り込んでしまった。
その情報の中には私とエリ、二人しか知り得ないものがいくつもあった。
私が告白したのは同級生なら誰でも知っていたが、小さい頃の私知っている人は限られる。
認めたくはない、認めたくはないけど、これほど私に詳しい人物はエリしかいない・・・
「あなたは確かにエリみたいね」
「だから始めからそう言ってるじゃない」
「だけど何をしに来たの?私を苦しめるためでしょ!?あんなに何度も何度も刺されて・・・それの復讐でしょ!!!」
「いや、そんなことするんだったらもう刺してるわよ。グサッ、って」
「じ、じゃあなんなのよ!!」
「決まってるじゃない、私が言えないうちにあなたに殺されちゃったんだもの。その話がしたいのよ」
「・・・分かったわよ。でも、あんたいいの?私、結構ニュースとかでも取り上げられてたみたいだけど」
「それくらい大丈夫よ」
「分かったわ。それじゃあ早く行きましょうか」
「じゃあ、あそこの喫茶店でもいい?」
「えぇ、良いわよ」
こうして、二人は近くにあった喫茶店に入って行った。
人の目線が集中するのも嫌なので、店員さんに奥の席に案内してもらった。
「それじゃあ、まずはあなたの事について話してくれるかしら」
「うん。まずは思い出したときのことなんだけど、三日三晩うなされたよ。吐いたりもしたし、まだ5歳だったからね。でも、これもマキちゃんの愛なんだ、って思ったら治っちゃっててさ」
「そ、そう・・・」
「そこから私は情報を集めたわ。マキちゃんがどこの刑務所に収容されたか、そして何年の懲役を受けたかも。そして、見つけた後は出所の日までずっと待っていたの」
「ま、まぁ、大体は分かったわ」
「じゃあ、私も聞いていいかな?あの日、どうして私は刺されないといけなかったのか」
エリから話を聞いた以上、私も話さないといけないわね。
あの日あった事、そして事件が起きてしまったその理由も・・・
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