夢の世に色あらばこの紫苑かな

【読み】

 ゆめのよにいろあらばこのしをんかな


【季語】

 紫苑(仲秋)


【大意】

 夢のような世に色があるならばこの紫苑の花のようなものかなあ。


【附記】

 夢は薄紫色と聞く。そう聞くと紫煙のようだと思う。


【例句】

 紫苑咲く塚やむかしの鬼の首 野紅やこう

 寐冷ねびえせし宿や紫苑の片なびき 乙二おとくに

 炭櫃すびつまでさすや紫苑の夕日影 道彦みちひこ

 すみかより四五寸高きしをにかな 一茶

 夕空や紫苑にかかる山の影 閑斎かんさい

 崖下に紫苑咲きけり石のあひ 夏目漱石


 傾城けいせいの賢なるはこのかな 其角きかく

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