かはほりや百物語する夜更け

【読み】

 かはほりやひやくものがたりするよふけ


【季語】

 かはほり(三夏)


【語釈】

 かはほり――こうもり。

 百物語――「夜、数人が集まって交代で怪談を語る遊び。一〇〇本の蝋燭、または行灯に一〇〇本の灯心を入れてともし、一つの話が終わるごとに一本ずつ消していき、最後の一本を消したときに妖怪が現われるとされたもの。百咄」(精選版 日本国語大辞典)


【大意】

 こうもりが飛ぶ夜更けにさる家で百物語をするのであった。


【附記】

 推敲前、上五「夜顔や」。夜顔ではさすがに雰囲気が出ないかと考えた。


 なお、「百物語」は夏の季語らしいが、歳時記に項目がなかったりと心もとない。


【例句】

 蝙蝠や星の鼠鳴なく中の橋 言水ごんすい

 かはほりやよし有家の建くさり 嘯山しょうざん

 かはほりや古き軒端の釣荵つりしのぶ 暁台きょうたい

 更闌こうたけて蝙蝠飛ぶや屋敷町 寺田寅彦

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