第155話 白くて清楚な後輩ちゃん
彼女となった後輩ちゃんとふざけ合って、可愛らしい後輩ちゃんを見た後、俺たちは手を繋いで海まで来ていた。
青い海と白い砂浜を見て、俺たちは同時に声を上げる。
「「海だー!」」
俺たちの声に気づいた水着姿の少年少女たちが手を振っている。クラスメイト達は一足先に海に泳ぎに来ていたのだ。
後輩ちゃんが砂に脚を取られて転ばないようしっかりと手を握って、砂浜を歩き始める。
クラスメイトの何人かが集まっているビーチパラソルの日陰に近寄った。
その場にいた全員がポカーンと後輩ちゃんを見つめて固まっている。
「んっ? みんなどうしたんだ?」
「あっ、いや、その…葉月があまりにも清楚で可憐なお嬢様だったから」
女子の一人が頬を少し赤らめて説明した。他の男女も、うんうん、としきりに頷いている。
その気持ちはわかる。清楚な白いワンピースを着て、日傘をさした後輩ちゃんはどこかのお嬢様のように白くて清楚で可憐な美少女だった。
俺も最初は見惚れて固まってしまった。
「おほほほほ! わたくしもやればできるのですよ!」
「後輩ちゃん…お嬢様はそんな口調じゃないと思うぞ」
「あれっ? 違いましたか?」
多分、悪役令嬢はそんな感じだと思う。
手をピシッと構えて高笑い。全然清楚じゃない。
我に返った女子たちが俺たちの服をじーっと見つめる。
「二人は水着じゃないんだね。泳がないの?」
「後輩ちゃんが嫌だってさ」
「…………ただ海沿いを散歩というのもいいじゃないですか」
気持ちはよくわかる。普通の海もいいし、夕日が沈む海もいいな。夕方にまた散歩に誘おうかな。
まあ、後輩ちゃんが俺以外に水着を見せたくないっていう理由が一番大きいけど。
わかるー、羨ましいー、という女子たちと、ポカーンと固まったままの男子たち。
「山田さんは水着じゃないのは残念だけど、これはこれでアリだな」
「ああ…アリだ。素晴らしい……」
男子たちよ。声が聞こえているぞ! 俺の彼女をあんまりジロジロ見るな!
海や砂浜で遊んでいたクラスメイト達が何故か続々と集まってくる。
「うっわー! どこかのお嬢様だと思ったらウチの葉月だったわー!」
「アンタのじゃないし! お姉さまはわたくしのものですのよ!」
「何そのキャラ。キモッ!」
どこかで女子たちのガンの飛ばし合いが始まり、男子たちは砂浜に跪く。
「女神だ……女神が降臨された……」
「女神様……踏んでください!」
「隣に立っているあの野郎を殺す!」
一部変態と殺人をしそうな人がいる。どうすればいいのかな?
O・HA・NA・SI すればいいか? どこか人気のないところに連れて行こうかな?
そこにもう一人の女神が降臨した。
「あら? 二人も来たのね?」
黒いビキニを着て、その上にTシャツを着ただけの桜先生。頭には何故か麦わら帽子とサングラス。サングラスはかけておらず、麦わら帽子の上に乗っかっている。
身体のラインがよくわかり、肉付きのいい白い太ももが全開だ。
男子たちが鼻血を噴き出し、股を押さえてうずくまる。
「おね………美緒ちゃん先生! えっちぃです!」
「えっ? そうなの? 私、えっちぃ?」
自分の身体を見下ろし、周りに確認する桜先生。
女子たちはしきりに、男子たちは何かをグッとこらえるように小さく、全員が首を縦に振っている。
桜先生はキョトンとした。
「じゃ、じゃあ、上から持ってきた服を着ようかしら…」
「じゃあ、今のうちに触っとくー!」
女子の一人が桜先生に飛び掛かり、男子がいるのに身体を弄り始める。私も私も、と女子たちが桜先生に群がって、色っぽい声が響き始める。
男子たちは水着の少女たちの群がりを目に焼き付けながら、歯を食いしばって耐え続けている。
頑張れ、男子諸君。
「女性諸君! 男子もいることを忘れるなよー!」
はーい、という声を聞きながら、俺と後輩ちゃんは少し場所を離れた。
恋人になったばかりなんだ。少しでも二人っきりの時間を過ごしたい。
丁度木陰になっているベンチがあった。後輩ちゃんのためにハンカチを敷き、後輩ちゃんと手を繋いだまま密着して座る。
後輩ちゃんの気持ちの良い手を握り、甘い香りを密かに楽しむ。
可愛い彼女の後輩ちゃんが少し恥ずかしそうに見つめてきた。
「先輩、私の水着姿見たいですか?」
正直言うと見たい。とても見たい。とっても見たい!
でも、後輩ちゃんは他の男性に見られたくないそうだから無理に着させるのは…。
後輩ちゃんは俺の顔をじーっと見つめると、ふむふむ、と頷いた。
「では見せてあげましょう!」
「マジで!? 中に着てるのか?」
「えっ? 着てませんよ。ほらっ」
白いワンピースの胸元をチラッと見せる後輩ちゃん。
後輩ちゃんは白いワンピースに似合う白くて清楚なブラをつけていた。谷間がエロい。
思わず記憶に刻みつけてしまった俺は何も悪くない。俺もお年頃の男なのだ!
「って! そんなに簡単に見せるな!」
「あはは! 先輩の可愛い顔が見られました! 先輩! 顔が赤いですよぉ~!」
俺を揶揄うために身を削っている後輩ちゃん。
楽しそうに笑っているが、俺からは後輩ちゃんのある様子が丸わかりだ。
「…………後輩ちゃんの顔も赤いぞ」
「…………うるさいです!」
後輩ちゃんが俺の肩に顔を埋めて、真っ赤な顔を隠す。やっぱり恥ずかしかったらしい。
そのままにしていたら、後輩ちゃんは顔を擦り付けてスンスンと匂いを嗅いでいる。犬とか猫みたいだ。でも、俺の香りはそんなにいいのだろうか? 汗臭くないよね?
後輩ちゃんがパッと俺の腕から離れ、スクっと立ち上がると、突然俺の膝の上に座った。後輩ちゃんの柔らかなお尻の感触を感じる。
俺は自然に後輩ちゃんのお腹に手を回し、フニフニと楽しむ。
「どうして俺の上に座ったんだ?」
「ただの気分です」
「そうか」
「どうして先輩は私のお腹をフニフニしているんですか?」
「ただの気分だ」
「そうですか」
俺は後輩ちゃんを抱きしめ、後輩ちゃんは俺の胸を背もたれにして身をゆだねている。
海の風が気持ちいい。クラスメイト達が水着姿で遊んでいる姿を眺める。
「先輩、今日の夜中、また一緒にお風呂に入りましょうか。水着を見せてあげます」
「そうか。その手があったか」
「ちなみに、私が着るのは白くて清楚なビキニです」
「………今の後輩ちゃんの下着みたいな?」
「そうです…………って、うるさいです!」
後輩ちゃんが俺の膝の上で軽く飛び上がって抗議する。お尻や太ももが柔らかい。
自分で見せてきたくせに、と思いながら俺は後輩ちゃんをずっと抱きしめ続けていた。
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