第53話 マッサージと後輩ちゃん

 

 寝る準備が整った後輩ちゃんが俺の前で仁王立ちしている。


 白い太ももが艶めかしくて眩しい。


 俺も年頃の男だ。視線が吸い寄せられるのは仕方がない。うん、仕方がないよな。



「先輩! マッサージしてあげます!」



 後輩ちゃんの突然の宣言。時々急に宣言するんだよね。後輩ちゃんの突然の思いつき。今回はマッサージか。


 後輩ちゃんが俺をじっと見つめてくる。とある一点を。



「………後輩ちゃん。俺の股間を凝視しないで!」


「おっと失礼しました! 先輩の身体は面白いのでつい。ということで、マッサージをしてあげます!」


「なんでいきなり?」


「日頃のお礼です!」



 後輩ちゃんが仁王立ちしている。でも、目が欲望で満ち溢れている。明らかに他の狙いがある。



「………………本音は?」


「先輩の身体を触りたいです! マッサージなら合法的に触れるかなぁっと」



 輝く笑顔で本音を言った後輩ちゃん。くそう! 可愛すぎる! 拒否できない!



「………………ちょっとだけだぞ」


「わーい!」



 嬉しそうな後輩ちゃんに連れられて、寝室のベッドへと移動した。


 俺はうつ伏せになって寝る。後輩ちゃんの柔らかい手が俺のふくらはぎを包んだ。



「ではいきますよ。痛かったら教えてくださいね」



 後輩ちゃんがモミモミとふくらはぎを揉み始める。「うわっ柔らかい!」と声を上げながら楽しそうにマッサージしてくれる。


 後輩ちゃんのマッサージはとても気持ちいい。なんか眠くなる。



「んしょ………よいしょ……………よいしょ…………先輩、どうですか? 痛くないですか?」


「痛くないよ。気持ちいい」


「そうですか! よかったです! んしょ………んしょ………先輩の筋肉ってすごいですねぇ。かっこいいです」



 後輩ちゃんが一生懸命にマッサージしてくれる。両ふくらはぎから太ももまで、楽しそうにモミモミする。


 足全体が終わったところで、後輩ちゃんの手が止まった。



「そ、それでは、つ、次の場所に移らせていただきます。グヘヘヘヘ!」



 欲にまみれた笑い声をしたかと思うと、後輩ちゃんが俺の脚の上に座って俺のお尻を揉み始めた。


 後輩ちゃんの柔らかなお尻が伝わってくるし、俺のお尻は揉まれるし、ちょっと変な気持ちになる。



「こ、後輩ちゃん!?」


「グヘヘ! 先輩のお尻………柔らかい……先輩が力を入れるとカッチカチ……グヘヘ……気持ちいい……デュフ…デュフフフフ!」


「後輩ちゃん………もうちょっと欲を隠してくれるかな? エロ親父みたいだぞ」


「失礼な! 私は親父じゃありません! ただのエロくて可愛い後輩ちゃんです!」



 うつ伏せだから見えないけど、後輩ちゃんが胸を張っている気がする。


 ちょっと見たかったな。



「…………エロいのは認めるんだ」


「はい!」


 潔く返事をするエロくて可愛い後輩ちゃん。なぜか嬉しそう。


 まあ、エロい後輩ちゃんも可愛いから俺は好きだけど。


 しばらく俺のお尻を触っていた後輩ちゃんは、満足したのか触るのを止めて俺の身体から降りた。後輩ちゃんの柔らかな感触がなくなってちょっと残念だ。



「は~い先輩。次は仰向けになってください」



 後輩ちゃんの命令に従って俺は仰向けになる。後輩ちゃんが太ももをモミモミしてくる。


 仰向けになったことで後輩ちゃんの顔がよく見える。本当に楽しそうに俺の身体を触っている。



「そんなに楽しいのか? 俺の身体を触って」


「楽しいですよ~! 先輩の身体は私と違ってごつごつしてますからね。すごい不思議です。あんなところやこんなところも全然違います! もっと知りたくなっちゃいます。先輩だって私の身体に興味ありますよね? それと同じです」


「………後輩ちゃんは気絶しちゃうけど」


「そ、それはごめんなさい。気絶してる時に触ってもいいのですよ?」


「そうしたい気持ちもあるけど、俺は触ってないよ。後輩ちゃんの可愛い反応を見たいからね。ゆっくりと楽しむよ」


「…………先輩の馬鹿」



 後輩ちゃんが顔を真っ赤にして恥ずかしがっている。でも、とても嬉しそうだ。口元を緩ませながら太ももをモミモミしている。



「力は弱くありませんか?」


「大丈夫だよ。後輩ちゃんマッサージ上手だね」


「ありがとうございます」


「そういえば、マッサージって撫でるのもいいらしいよ」


「ふむ。こうですか? ナデナデナデナデ♪」


「エロくて可愛い後輩ちゃん? そこはちょっと違う!」


「おっと失礼しました」



 後輩ちゃんはどれだけエロいんだろう? 俺の股間をためらいなく撫でてきた。


そんなに欲求不満なのか? 女の子って後輩ちゃんみたいにエロいの!? 


 …………たぶん後輩ちゃんだけだな。いや、元凶は楓か。あいつはいろいろと後輩ちゃんに教え込んでるから。…………今度お礼を言っておこう。



「後輩ちゃんチェ~ンジ! はい、次は後輩ちゃんがうつ伏せになって! 俺がマッサージしてあげる!」


「はーい! 先輩が私にエロいマッサージをするんですね? あんなところやこんなところを触るんですね?」


「残念ながら普通のマッサージです」



 エロいマッサージをする前に、後輩ちゃんは気絶するでしょ!


 それに、言って恥ずかしくなるなら言わなければいいのに。


 真っ赤にした顔を俺の枕に押し付けて隠している。


 俺は後輩ちゃんの足の裏からマッサージを開始する。


 ふっふっふ…昔から楓に命令されて培ってきた俺のマッサージテクニックを見せてあげよう!



「あぁんっ♡」



 後輩ちゃんの口から物凄く艶やかな声が聞こえた。言った本人が一番驚いているらしい。口を押えて呆然としている。


 俺もびっくりして固まってしまった。



「せ、先輩…忘れてください」


「お、おぅ」



 俺たちはなかったことにした。俺は後輩ちゃんの綺麗な足を再び揉み始める。



「んんっ♡ ………………んぁっ♡ ………………はぅっ♡」



 後輩ちゃんの口から色っぽい喘ぎ声が漏れ出てくる。本人は必死で口を押えているのに我慢できないみたいだ。



「後輩ちゃん? その声……」


「先輩の、マッサージ、きもち、よすぎ、ですっ! はぁん♡ そこですそこぉ~! もっとぉ~♡」



 ただのマッサージなのに、いけないことをしてる気がした。


 ただの足裏のマッサージだよ? 後輩ちゃんの身体は敏感らしい。


 こうなったら全力でしよう! 俺も男だ! ここはやるしかない! 後輩ちゃんを気持ちよくしてあげよう!



「あっ……あぁいい……はぁん……いいですせんぱぁ~い………んぅ……はぁあんん…もっとぉ~♡ あぁぁあああんんんっ♡」



 初めて聞く後輩ちゃんの声を聞きながら、頭の中で素数を数えてマッサージを続けていった。


 ………

 ……

 …



 ~普通のマッサージ中~



 …

 ……

 ………


 マッサージが終わった。



「しぇんふぁいの……まっしゃ~じしゅごい………わらし…もう………らめぇ~」



 全力でマッサージし終わったら、後輩ちゃんが肌を火照らせ、ピクピクと痙攣していた。


 一切エロいことはしていない。普通のマッサージしかしていないのに、後輩ちゃんはこの様子だ。


 うん、エロい!


 それに後輩ちゃんの身体はとても柔らかかった。気持ちよかったです!


 すぐに後輩ちゃんは幸せそうに寝てしまった。俺は風邪をひかないようにシーツをかけてあげる。俺もすぐに電気を消して、後輩ちゃんの隣に寝た。


 マッサージの最中の後輩ちゃんはとても可愛かったです。


 普通のマッサージしかしてないけど、後輩ちゃん、いろいろとごちそうさまでした!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る