第45話 誘惑する私と理性が崩壊した先輩

 

 私の誕生日パーティが終わった夜。私も先輩もお風呂に入った。寝る準備も完璧。

 最近は先輩の家に入り浸っている。お風呂も寝るときも先輩の家。流石にお風呂は一緒に入っていない。残念ながら、まだラッキースケベはない。本当に残念。でも、最近は毎日先輩と一緒に寝ている。先輩の抱き枕になると安眠できる。数秒でコロッと寝てしまう。もったいない気がするけど、睡眠薬を盛られているんじゃないか、というくらいに寝ちゃうんだよね。

 自分の家に帰ったのはいつだろ? う~ん? 忘れた。

 先輩はもう寝室にいる。後は私が先輩のベッドに潜り込めばいいだけだ。だけど私は寝る前にすることがある。親たちから貰った誕生日プレゼントを確認するのだ!

 リビングで大きな袋を開ける。先輩には事前に、プレゼントを開けるから見ないで、と言いました。だから、安心して開けられる。

 大きな袋だけど軽い。触った感じも柔らかい。これは多分洋服だと思う。


「ん? 洋服じゃない? これは布?」


 私は黒の布を取り出した。透け透けの黒いレースだ。

 私は手に持った布のことを徐々に理解して顔が熱くなる。


「こ、これはっ! ひ、紐パン!」


 そう! 私が握っていたのは超過激な下着。布面積がほとんどなく透け透けの紐パン。大人のランジェリーだ。これ、お尻の部分はどうなっているんだろう? ほとんど紐なんだけど。他のところも隠れる? 絶対見えるよね?

 私は他の洋服も取り出していく。


「これは普通の清楚な白の下着。これは可愛いネグリジェ! わぁお! なにこれ!? 全然隠せないじゃん! ほとんど紐! まあ、可愛いけど。他には他には……透け透けのネグリジェにベビードール………………下着ばっかりじゃん!」


 あぁ…もうこれ、夜の戦闘服じゃん。絶対お母さんたち遊んでる。私で遊んでるよ。これを私が着ろと?

 これは先輩に見せられないな。でも、本当にこれどうしよう? 先輩の前で着ろと? ふむ………………悪くないかも。

 ちなみに、ネグリジェは寝間着、ベビードールは下着に分類されるらしい。私は洋服関連に疎いから詳しく知らないけど。

 私は恥ずかしさで身体を熱くさせながら、最後のプレゼントを開ける。


「こ、これは………ガーターベルトにガーターストッキング!」


 それも超エロいやつ! 小説や漫画では知っていたけど、実物を見るのは初めてだ。普通の高校一年生には必要ないもの。お母さんたち! これで私に何をしろと!? どこで買ったの!? 詳しく知りたいんだけど!?


「と、取り敢えず保留にしとこうかな。いつか使うかもしれないし」


 私はガーターベルトや過激すぎる下着を袋に戻す。

 戻してる途中で気が変わった私はいくつかの下着をそのまま出しておく。白の下着と可愛いネグリジェの組み合わせと、少し過激な黒の下着とシースルーのネグリジェの組み合わせ。


「せっかくだし、今日着てみようかな? そしたらあのヘタレ先輩も襲ってくれるかもしれないし」


 私は少し期待して、どちらを着ようか悩む。可愛い系か過激な大人系か。どっちにしよう。襲ってくれそうなのはシースルーの過激な方だけど、恥ずかしすぎる。可愛い系は恥ずかしくないけど色っぽくはない。ふむ。悩みどころですな。


「えぇいっ! 女は度胸!」


 私が選んだのは………………清楚な純白の下着と可愛いネグリジェ。

 ごめんなさい! ヘタレました! だってもう一つのほうは恥ずかしすぎるんだもん! 絶対気絶しちゃう。

 私は選んだ下着を脱衣所に持って行って着替える。サイズはピッタリ。流石お母さんたち。

 でも、これはこれで恥ずかしい。ネグリジェの裾がギリッギリ! 少し動けば下着が見えちゃう。私の太ももまで完全に見えてる。うん! エロい!

 今度先輩にこれで膝枕してあげようかな? どんな反応するだろう?

 私は着替え終わったので、先輩の寝室の前に移動する。

 ドアの前に立つと急激に緊張してきた。ドッドッドッドッドッドッド、と心臓があり得ないくらい早く動いている。深呼吸しても意味がない。時間が経つにつれて緊張と恥ずかしさが高まってくる。

 何度も深呼吸したけど意味がないから、私は覚悟を決める。震える手でドアをコンッコンッとノックする。

 ドアを開いた私は極力先輩の姿を見ないようにして中に入る。恥ずかしさでモジモジしながら、勇気を出して先輩の様子を伺った。

 先輩はベッドに寝転んで本を読んでいたみたい。起き上がった先輩が目を見開いて私を見ている。瞬きもしない。

 うぅ…太ももがスース―する。恥ずかしい。


「せ、せんぱい。ど、どうですか?」


 恐る恐る先輩に問いかけてみるけど、先輩は硬直フリーズしたままだ。


「せ、せんぱい?」


 先輩がハッと我に返った。先輩がベッドから降り、私に近づいてくる。先輩は無表情。何を考えているのかわからない。


「これ、母たちからの誕生日プレゼントだったんですけど、似合ってますか?」


 先輩に似合ってないって言われたらすぐに着替えるつもりだけど。でも、言われたらちょっとショックかな。

 肝心の先輩は何も言ってくれない。何やら葛藤しているようにも見える。


「………ダメ…ですか?」


 楓ちゃん仕込みの必殺上目遣い! 先輩が再び固まり、何かを諦めたみたい。目を瞑った。


「………はぁ………ダメだ」


「っ!?」


 うっ……これはちょっとキツイ。さっさと着替えて、今日は一人で寝ようかな。

 私が寝室から出る前に、先輩が目を開いた。力が込められた瞳。覚悟を決めた顔。本気の先輩。私は強い光を放つ先輩の瞳に囚われた。射竦められて動けない。


「…もう……ダメだ……………もう……いいよな…」


 自分に言い聞かせるように呟いた先輩。私は荒々しく抱きしめられた。


「きゃっ!?」


 抱きしめられたと思ったら、軽々と持ち上げられ、先輩が私を運んでいく。

 えっ? なになに? 何が起こってるの? 何で私は先輩の腕の中!?


「……まったく……葉月は可愛すぎだろ……」


「っ!?」


 先輩が呟いた。先輩は自分で呟いたことに気づいていないらしい。私は真っ赤になるのを感じた。

 優しく下ろされたのは柔らかいベッドの上。そして、私は押し倒された。私の上には超絶かっこいい本気の先輩。私は訳が分からない。


「えっ? あれっ?」


「先に謝っとく。ごめん。ちょっと我慢できないから……荒々しくなるかも」


「ハ、ハイッ!」


 私は頭の中が混乱しながら返事をした。なんで先輩が謝るの? 我慢できない? 荒々しくなる? 訳が分からない。でも、一つだけわかってることがある。全て先輩に任せればいい!

 先輩の顔が近づいてきた。混乱して訳が分からないけど、私も覚悟を決める。

 私は身も心も全て、愛する人に委ねた。






















「……せん……ぱい…………………あっ…!」


 私の頭の中で真っ白な光が弾けた。


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