転校生と文芸部(4)
授業を終えて放課後。僕は文芸部の部室にきていた。
活動実績も何もない部活だ。部員も2人。勿論僕を含めてだ。いつ潰れてもおかしくないがそれはひとえに生徒会長様が部長であり、過去の功績が認められてのことだろう。
教室の半分くらいの小さなスペース。部屋の中心には机を6つ並べて簡易的なテーブルが作られている。床にあるダンボールには雑貨が詰められて放置されている。
極めて質素な部室ではあるが壁際には本棚が設置されており、そこには様々な文庫本が収納されている。
僕にとって自室の次に落ち着く場所だ。
扉を開けてすぐの席が僕の定位置だ。腰掛けてカバンにしまった文庫本を開いて読書を始める。
読み進めて4回ほどページをめくった時、背後からガチャと扉を開く音。
「あら、ハセガワくん随分早いのね」
生徒会長様の登場である。
「そうかな?別に普通だと思うけど......」
少ない言葉を交わすと、当然と言わんばかりに左隣に腰を下ろす。
「あの、色香さん?あっちにもスペースがあると思うんだけど」
「ここに座ってはいけない理由でもあるの?それとも勘違いされたくない相手でも出来たのかしら?それとも...いけない気持ちになっちゃう?」
そう言って試すような笑顔を向けてくる色香さんに苦笑いで答えると満足したように手元の文庫本に目を向けた。
くっ......いい匂いがする。シャンプー?香水?わからないけど、ドキドキする香りだ。
文庫本から色香さんに目だけ向ける。
おっぱい。おっぱいである。でかい。でかいのである。
制服を破らんとする自己主張せんばかりの胸。しかし体の線は細く女性特有のか弱さみたいなものを感じる。長い黒髪を緩く結って左肩から下ろしている。保護欲をそそるタレ目に唇の下の小さなホクロ。
ちょうど、美少女と美女の間の美味しいとこどり。森野エルフが転校してくるまでこの学園で一番人気の女子生徒である。
もう一度、自分の手元にある文庫本に目を向けるけど全然集中できない。
最近彼女はおかしい。文芸部で過ごす時間が経つにつれて距離感がどんどん近くなっているような気がする。その度さっきみたいにからかってくるのだ。
おかしい。同級生なんだけど僕。
「あら、もういいの?」
文庫本をパタンと閉じて僕を見やる。
「え?な、なにが?」
頬を染めながら人差し指を唇にあてる仕草が完全に童貞を殺しにきてる。
「おっぱい好きなのにもういいの?」
「ぶぉっふほぉぉっふ!!」
吹き出した盛大に。
バレておりましたでございます。大変目の保養でございました。ごめんなさい。許して。
「そんな熱い視線を向けられたら誰でも気付きますわ。......えっち」
「え、えっちでございますか。左様で」
なんだこの雰囲気。
なんだこのエロス。
話してるだけでなんか本能みたいなものが体の奥から湧き上がってくるがそれを必死に抑えつける。
ただでさえ密着しているスペースを更に詰めようとしてくる色香さん。
妖しげな微笑みを携えてすりすりとにじり寄ってくる。
既におっぱいが触れております。服越しのおっぱいであります。溢れんばかりであります。女体とは神秘でありますね。かしこ。
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