消失世界

作者 不破有紀

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★★★ Excellent!!!

近い将来、人類の電脳化は不可避。
疑いなくそう思わせる、緻密に構築された迫真の近未来ストーリー。

この状況を、人類はどう受け止めるのだろうか?
そしてヒロインが向かい合う、虚構と真実。

現実社会からシームレスにつながる作品中の世界は、
その歪みもはかなさも映して、一層リアルに輝きます。

ストーリー全域に流れる、
たゆたうような静かな雰囲気も絶品。

この魅力、味わって欲しい!



★★★ Excellent!!!

「電脳」という言葉から、どうしても『攻殻機動隊』をイメージしてしまうのですが、この作品はアクション無しの『攻殻~』という感じです。
記憶、自己認識、他者とのつながり、それらが、脳を物理的に支配する(される)ことで、どう変化するのか……哲学が追いつかないまま、科学が先行している世界は、我々が住む実社会を映し出す鏡のようで、回を追うごとに作品世界に引き込まれます。

2019.Dec 追記
三部が始まったので、追記します。
変わらずの丁寧に作りこまれた設定と、安定した美しい日本語。
静かで美しい虚構世界に、ついつい引き込まれてしまいます。

★★★ Excellent!!!

意識を分解して電子的に再構築する。
認識を確たる物とする『電脳化』技術。

五感を補完する、互換で保管するその技術に活かされて生きる人々を描いた作品。

“数値”よ、人々を導く「絶対」で在れ。

そこにいながらそこにいない。
絶対の定義に支えられた筈の『わたし』と言う曖昧な現実。

喪失した正解=「消失病」が『わたし』を喰らい尽くす。
儚き<現実>を提示する。

『消失世界』で君を待つ。