第35話 晴れ時々曇り

 汐音と香織が無事仲直りができ、それを漆原姉妹に報告した。


「おめでとう、汐音ちゃん」

「良かったね、汐音さん」

「えへへ、これも二人のおかげだよ。ありがと」


 教室でするには少しヘビーな内容のため、浩輔たちは階段の踊り場で話していた。

 汐音と香織が無事に仲直りできたという報告を聞いた二人は、まるで自分たちのことのように喜んでくれた。


「いや~でも、学校に来てくれただけでも嬉しいよ。汐音ちゃんがいないと寂しかったし」

「そう言ってもらえると嬉しい」

「これで完全復活だね」

「そうだね。香織さんとも仲直りで来たし、これで龍ちゃんとももっとイチャイチャできるし」


 莉奈は汐音が学校に来てくれてよほど嬉しいのか、興奮している。

 汐音も汐音で今朝、香織と打ち解けることができて嬉しそうである。


「少しは自重してやれよ」


 浩輔は老婆心で汐音に注意する。

 いくら、香織と打ち解けることができたとしても、また龍次とばかりイチャついているとまた喧嘩してしまう恐れがある。


「分かってるよ、お兄ちゃん」


 汐音はニコニコ笑っているが本当に分かっているのだろうか。


「汐音ちゃんもほどほどにね」

「莉奈ちゃんまで」


 莉奈にまで言われて汐音は驚きのあまり、ツッコム。

 それぐらい莉奈も汐音のことを心配しているのだろう。


 三人が仲良く話す中、由利だけは静かに黙っていた。

 なにか言いたそうな顔をしているが、なにも言い出せない。


 しかし、その表情に気づいているものは誰もいなかった。

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