第6話 無頼でした

 ごきげんいかがですか?


 なんか、躁状態のひどい頃の文章を見直しだしたんですけど……こりゃあ、あまりにもまずいですわ。過去最悪の文章ですよ。ほぼ、全取り替えとか、二十行削除とか、三十行書き換えとか、自分はここで一体、なにを言いたかったんだろうとかね……お馴染みさんはいくら直したところで、もう読まないでしょうし、ご新規さんもいまはあまり期待出来ない状況ですから放置しておいても……いや、こんな文章をいつまでも晒していたら、ただでさえおかしいわたしの精神がもっと疑われてしまいます。まあ、疑われるまでもなく、マジでおかしいのですがね。とりあえず、一所懸命に直します。全ては自己満足のために。それが、副作用のおそらくは少ないであろうと思われる、精神安定剤です。実際には、副作用についての確証はほとんどありませんが……


 それにしても、今回の自分的には史上最大級の大事件を経験して思ったことは「自分は自分のことを今まで、善人というか、わりあいとよい人、優しい人、倫理観・正義感を持った人だと思っていたのですが、実際はこけおどしのつもりでこのサイトに書いていた『心の中の猛獣』とか『途轍もない癇癪玉』とか『無慈悲な悪魔』的なものが本当に心の中というか精神の世界? 脳の内部? 遺伝子の情報? とにかく実際にわたしの中に存在していて、なにかの拍子に、自意識が薄れたり、記憶が途切れたり、己というものがなくなってしまったときに暴れ出すんだ!」ということを痛切に思い知らされて、とんでもなく愕然としたということです。そう言えば、若い頃のわたしはひどい酒乱でしたよ。しかもエロチック・ジャパンで、同年代の女子から猛烈に嫌われていた時期もありました。そうだ! 二十歳になったばかりの時期、母校でで学生職員をやっていた頃。ちょうど酒の飲み始めですね。自分の酒量というものを全く知らなかったのです。酒なんて、本当は大嫌いなのに、周りに勧められるがままに、ノリで飲んでいましたなあ。

 それですぐに気分が悪くなって、そこら中に粗相をして、いつも誰かがリカバリーしてくれていました。わたしが自分の酒量を認識したのって、結局は三十歳の後半ですよ。二十代の後半は酒飲みの友人がいたので、比較的安全なカルピスサワーばっかり飲んでいましたね。とにかく酒に関しては(も?)ひどい男でしたね。


 さて、わたしは自分でも全く気が付いていなかっただけで、実は相当凶悪な大悪人だったと今回、知ってしまいました。よく今まで、警察沙汰をやらかさなかったですよ。褒めていいのかどうか? たまたまだったのでしょうか? ああ、八年前にわたしは元いた店に脅迫まがいな新聞紙の塊を送ったとして、制服巡査四人に取り囲まれてました。ただ、なぜか警察署長あてに上申書を書いただけで無罪放免。実は、逮捕されてもおかしくないことをしたのですがね。あちらさんもお忙しいから、面倒なことは避けたのかもしれませんね。結局、公務員ってやつはさあ! もういいか。


 もちろん、意識がしっかりしているときは、これからも倫理観・正義感を大事にして、真っ当に生きていくことを誓います。だってね。金や欲に目が眩んでいる現在の社会とは一線を引いて、剃髪こそしてないけれど、邪念なく、清らかに澄み切った心持ち、まさしく僧侶のような心境でこのところの日々は静かに生活しているのですよ。ウソじゃないですよ。ちょっとテレビドラマのDVDの影響で武蔵坊弁慶と平将門公の豪傑成分が入っていますけど、これもたしかな正義感から来るものですから(あくまで、ドラマの演出ですけど)。もしかしたら、上杉不識庵入道もいらっしゃるかな? 信玄公はいないようですね。ちょっと角川春樹的なことを言ってますな。注意注意。 

 でも、本当に静かで平和に暮らそうと思っていますよ。わたしの人生において、今まで起きた争いごとや戦いというのはほぼ、相手方が先に攻撃して来ておりまして、わたしはあくまでも自衛の手段で、言葉のミサイル連射とかねえ。そうなんですよ。わたしに言わせれば全部、先に仕掛けて来た相手どもが悪いんです。こちらはついつい過剰防衛してしまうだけなのですよ。ただ、勝ちすぎちゃって、相手が泣きながら許しを請うて来たりするから「あいつ、危険人物」というレッテルを上層部などに貼られてしまうのです。迷惑千万な話です。しかし、もうこういう状況になってしまったら年も年だし、立身出世の可能性も、ベストセラー作家の仲間入りもありませんから、世界中が誰もわたしを信じてくれなくても一向に構いませんがね。自分が楽しければそれでいいんです。もう誰一人として、眼中にないの。

 まあ、その一方でため息ばかりが出ますわね。これからはより一層、身を律さなくちゃいけませんよ。本当に出家しちゃいましょうか? でも、テレビで鶴見の総持寺の修行を拝見しましたけど、素人相手に容赦無く厳しい。さすがに禅宗の総本山ですわね。まあ、わたしにはこれはムリです。せめて、いろいろな欲を減らす努力をすることくらいですかね。食欲、金銭欲、出世欲、性欲……でもね、美しい女性探探求だけは絶対にやめませんからね。いつも言ってますけど、わたしが定義している美しい女性というのは、お顔や姿はもちろんですけれども、心が純粋で透き通るように綺麗な女性ですからね。姿と心、どっちか一方では全然お話になりなせん! わたしは女性を一目見ただけで、だいたいのことはすぐわかりますから。だって真の美人からは気力や体力を回復させる不思議なエネルギーをいただけますからね。この半年で二回も実際に起きているのですから、これは奇跡でも偶然でもありません。真実だとわたしは言い切れます。そして、美しい女性は少し離れて、遠くから眺めて花のように愛でるものなのです。バカみたいに近づいてジロジロみたり、ちょっかいを出すのは野暮だし、ただの変態ですよ。だからね、わたしはストーカーじゃありませんって、お巡りさん! 何回言えばわかってもらえるのですか!


 そうそう、今回の本題は無頼になる話でしたね。相変わらず、マクラが長いですな。なんか、一見すると、今までの話と思いっきり矛盾しているようですが、辞書でもネットでもなんでもいいので『無頼』と引いてみてくださいよ。そうなのです。すでにいまのわたしの生活そのものが『無頼』なんですよ。別になんの装飾もいらないのです。わたしが、ただいつも通りに生きているだけで『無頼』。別にかっこいいものでもなんでもないのです。でもこれに『〜派』とか、余計なものをつけてしまうと途端に意味合いがアウトローみたいな男くさいものになってしまうんですけどね。そっちは性格的にムリだと思いますけど、例のことがあるので、これから先は『通常時は』って修飾語をつけなくちゃならないのですよね。今後は全てにおいて『通常モード』『注意喚起モード』『殺戮(ジェノサイド)モード』ってレイティングをつけなきゃならないようですよ。本当に面倒くさいわ。自分。

 元から自分というやつは面倒な人間だってことはわかっていたというか、理解していましたけれど、どっちかといえば『虚弱体質』とか『精神薄弱』方面ばかりに気を使っていましたので、真逆の本性が出てくるとねえ。まあ、正直に言ってしまうと、予感みたいなものはありましたけど。「自分の中には危険なものがある」ってね。実のところかなり精神的には追い詰められています。だけど、絶対に自殺はしないぞ! なるべく他人を傷つけないぞ! ごめんなさい。後者については絶対って言えません。自分が制御出来ないのですから。


 今後は不要不急の外出は絶対にせず、対人関係は実父と実姉と元妻オンリー。前々から密かに狙っていた、若い娘さんとの『老いらくの恋』など絶対にダメ。万が一、ムラムラしちゃったら、エロ画像でも観てな! 今まで禁止していたけれど、これからは許す。買い物は歩いて五分のFit Care DEPOT十日市場店と、徒歩十分のダイエー十日市場店、書籍は『本やくらぶ』経由元妻便を利用。どうしても通販が必要な時も、自分のクレジットカードは使わないで、元妻に現金を払って代行してもらう。将来、元妻が先に死んじゃったらどうすりゃいいんでしょうね? それも元妻に考えてもらおう。ええ、完全に元妻依存症ですけど、なにか皆さんにご迷惑でも? あなたがわたしに完全なる依存をさせていただけるのならば遠慮することなくさせていただきますよ。喜んでね。大歓迎で無償の愛をいただきたい。


 ああ、勉強ですね。勉強というか、知識の吸収も欲の一つですけど、許されるのかなあ。だいたい、知識を得たところで、もはや、社会に還元できませんからね。わたしが『寺子屋』みたいなものを作っても、お子様を通わせようなんて酔狂な親御さんはいませんでしょうね。もうわたしがキチガイだって町中に知られていますよ。それに、学校の勉強をわたしは教えられませんから。教えられるのは余計な薀蓄とダジャレだけ。それでも生徒が来たら、ひとかどの人物にしてあげられる自信は……やってみなくちゃわかりません! とりあえず、現在はいまだに中公新書の『応仁の乱』をずっと音読しているんですけど、内容がそれほど難しいわけでもないのに(ちょっと坊主たちの動きにこだわりすぎていて、気に入らないところもあるのですが)、ちっとも先に進まないのはなぜでしょうか? 音読が悪いのですかね? まあ、黙読ほど速くはいきませんけど、理解度は音読の方が絶対にいいと思います。もしかして、脳細胞が大量に死んでしまって、マジにおバカになっているのかなあ? まあ、おバカでもいいのですが。それならば、勉強は無理をしないで、掃除に洗濯、おさんどんと静かに暮らしましょう。区役所のケースワーカーに電話するのもなるだけ、やめましょう。もう、関わるのはやめた方がいいかもしれません。文書のやりとりだけにしてね。向こうもかなりわたしを警戒しているというか、怖がっているみたいですし。こちらもそういう態度に対してアタマに来るだけですから。毎晩、睡眠薬を飲んで早く寝よう。深夜の面白いバラエティーは全部録画しましょう。昼間はテレビを観ることを完全にやめます。八年前に狂ったように買っておいて今だに観ていないDVDとBlu-rayを楽しみましょう。朝はどうしても早朝覚醒しちゃうけど少しの睡眠でも年寄りはいいようですからね。お昼寝もしますし。死にはしないでしょう。隣のお寺に行くのも、もうやめましょう。なんとなく、拝金主義の匂いがするんですよ。朝から自動車が十台も止まっていて、駐車場に治らない車が観世音菩薩の前を占拠しているって何かおかしいですよね。わたしは朝のご挨拶も出来ません。寺男は挨拶しても無反応だし。曹洞宗なのにどこかがいかがわしい。もう近寄らん!

 とにかく、今は古木が森の奥でひっそりと崩れるように、朽ちるように死んでしまいたいですね。すぐにはムリでしょうが。ゆっくりと朽ちていこう。

 では。

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