第53話 ケチ!

草野の件はとりあえずは一段落しました。

(今度、草野の愚痴を聞いてあげて、その上、奢る羽目になった俺ですが)


まあ、何故秋野先輩が由奈の名を使ったかは、本人に聞かないとわかりませんが、大方わかりますがね。

大学時の由奈は、学内一の美人と言われてましたから、そんな人と付き合えば草野が秋野先輩の事を諦めると思っていたんでしょう。


けどね、草野はそんな事しなくても話し合えばわかってくれる女なんです。

結局、秋野先輩は草野と付き合っていても草野の事はあまりわかってなかったと。


で、その後の草野なんですが、由奈と結構意気投合したみたいで、



「今度、会う時は松塚さんも連れてきてね」

「えっ?なんで?」

「松塚さんと話していると話が合うし、やっぱり‥‥‥ね」

「うん?なんだよ。最後の辺りだっちゃって」

「///い、いいのよ!別に///と、兎に角あんたのおごりなんですからね!無論松塚さんにも奢るのよ」

「おい!由奈さんは兎に角として、お前は一回だけだからな!」

「竜君のケチ!べー♡」



なんて、草野は俺に舌をだしてきましたよ。

まあ、草野が昔みたいな草野になっただけでも良しとしましか。



そんな三人で話していた時、慌てた様に大きい柚葉が、俺たちの方に走ってきた。



「はあ!はあ!はあ!せ、先生ー!」

「こら!松塚さん廊下をはしっちゃダメ!」

「あっ、す、すみません。はあ!はあ!、あっ、お兄さんとママもなんでいるの?」

「うん?草野‥‥‥じゃなく尾形先生は俺の昔の友人だよ」

「えっ!そ、そうなんだ」

「所で柚葉、何をそんなに慌てているんだ?」

「あっ!そうだ!尾形先生大変なんです!りんごが」



かなり慌てた様に息を切らしながら話す、大きい柚葉に俺たちは柚葉を見る。



「りんご‥あっ、木野 りんさんね。どうしたの?」

「りんごが‥りんごが‥人質になったんです」

「「「‥‥‥えっ!!!」」」



驚く俺たちはまさかの顔をした。

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