第19話 革命期

「おい!お前何さっきからくちゃくちゃ言ってやがる!夜道の殺人鬼とか殺人鬼はお前か!」

「話を逸らすな、私は夜道の殺人鬼ではない。いきなりそんな事言うだなんて、失礼極まりない。」

セリスは汚いものを見るような目でエレンを睨みつけた。夜ということもあって冷たい風が流れる中、エレンは体の底から寒気がした。

「話を戻す。もし、仲間を殺して欲しくなければ、お前がこちらにこい。そしたら殺させない。」

「なっ…!」

セリスの目は本気だった。鋭い目はさらに鋭さをまし、エレンを強く睨みつけた。

「簡単な話ですよ。あなたはたった数ヶ月で五等兵士になり、3年で3等兵士にもなりました。これは極めて稀なこと。君の友達のアラン君?あの子もと考えましたが、彼は頭が悪い。君みたいな策を考えつく訳でもない。長所がないのです。だから君なのですよ。大丈夫。TCUには今まで通りいてもらいます。だが、あなたはスパイとしてこちらに来てもらいます。異論は?」

「随分舐めてんだな…。俺を、アランを。だが残念だ、俺はてめぇの首をTCUに持ち帰ってやるよ。お前は怯えながら大統領のそばで怖がってろ」

エレンはセリスに睨み返した。セリスは表情を変えずにエレンの方を触りながらどこかに向かった。

エレンは手を強く握りながらTCU本部へ帰った。

次の日、エレンは昨日あったことをアレンに言った。アレンはエレンを部屋からだし、自分の部屋に篭った。

そして、壁を殴った

「あのクソ兄貴!!こんな時だけ頭が働きやがる…!」

エレンはドアでそれを聞いていた。というか、聞こえた。

「兄貴…?アレンさんの…?」

すると、何かが吹っ飛んだ音がした。

アレンが椅子をけったんだ。あの悔しがり用は凄かった。

だが確信したことがある。それは、セリスは敵側の人物。そして、夜道の殺人鬼とセリスは必ず手を組んでいることだ。だが追い詰めるには必ずと言える証拠が必要だ。エレンは1人で証拠を集めようとした。

その日の昼、作戦会議がまた始まった。

アレンはいつも通り机の1番前で座っており、それに並ぶように座っていた。

「今回話は少し変える。大統領秘書セリスについてだ。奴の犯した色々な不祥事をまとめる。」

「おい待て、なぜその話になる。」

「ここ最近、夜道の殺人鬼とかいう殺人鬼が俺たちを苦しめてるが、そいつの手がかりとなる人物。それがセリスだ。詳しくはエレン、お前が言え。」

アレンは手でエレンを呼び、エレンは作戦会議用の黒板の前に立った。

「実は昨日、セリスに絡まれて、こう言われたんです。《仲間を殺して欲しくなければ、お前がこちらにこい。そしたら殺させない。》って。俺はもちろん断りましたが、そいつにお前が夜道の殺人鬼かって聞いたら、違うと答え、そしたら彼は殺させないと。おそらく彼は夜道の殺人鬼を裏で操り、そして俺らが不利になるように裏切り者を使って人を殺していく。というのが敵の考えている作戦だと思われます。」

やはりとばかりにざわつき始める。大統領秘書となれば情報など簡単に操作できる。それにその権力を使えば証人にだって嘘をつかせれる。大統領の名を使って色々な不祥事だって起こすことが出来る。その証拠が、彼の犯してきた不祥事についての証拠が一切見当たらないんだ。だがこの完璧さが気持ち悪い。

「お前ら一旦落ち着け。俺らでセリスの不祥事の証拠を見つけだせ。第1会議は明日だ。だが明日はセリスについて何も言うな。証拠がない今それを使うのは無駄だ。」

「はい…」

セリスにはかなり前から黒い噂はあったらしい。だが、それは証拠がないため全て白になったと言う。セリスは賄賂収賄の容疑もあり、銀行の金が不当に操作されている件にセリスが関係してるという噂もある。それも、まだ他にあるのだ。

「あの、少しいいですか?」

アランが立ち上がった。アランは何か疑問を持っていたようだった。

「なぜ、大統領秘書がそんな権力を持っているんでしょうか?」

「答えは簡単だ。奴は大統領の名を使い大統領の威厳で色んな不祥事を起こせるわけだ。そして何より奴は…金がある。それが、数々の不祥事を起こしてるくせに生き残れてる理由だ。おかしい話だよな。金でなんでも解決させちまう。この世の闇だ。」

金。それは人を壊すことも出来る。金のために人は働き、行動する。だが、金欲しさに人は壊れ、人を殺る。だが、金のためにこれから何人の命が奪われる。

エレンはその事実にひたすら、怒りを覚えた。


その怒りを抑えたまま、次の日になった。

アレンやエレンはワシントンに行き第1会議に向けて準備をしていた。すると、そこにセリスが来た。

「お、また会いましたね、エレンさん」

「お前…いいか…」

「地獄に落ちろくそ兄貴…お前の首は俺がとってやるよ」

セリスは笑いながらアレンの頭を撫でた。アレンはその手を払い睨みつけた。

「おぉー、怖い怖い。やれるもんならやってみろ。俺はどんな手を使ってでもお前らをひねり潰してやるぞ?」

エレンは殴りかかろうと前に踏み込むが、アレンがそれを止めた。

「こっちは正当な方法で潰してやる」

「………待ってるよ」

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