第13話 消化

その駅は一気に爆発し、黒い煙を上げた。エレンとアラン、その他3人の兵士はその場をさっさと走って逃げ、近くの車に乗って隣町まで逃げた。車に乗ってる最中、エレンは中の人が気になってしょうがなかった。

「大丈夫でしょうか…爆発に巻き込まれてたりなんてしてたら…」

「それは大変だなぁ、どうする?引き返すか?」

運転手の人が、エレンにそう答えた。今引き返せば恐らく毒にやられる。だったらやはり、引き返すのは危険だ。エレンは辞めた。

「自信の無い癖になんであんな事言った?甘えてんじゃないのか?勇気も出せんやつが戦場に立てるわけないだろう。戦場では時に非道な選択をしなければならない。それに、何故お前がそんな飛び級をしているのか、理由も俺は知ってた。俺も気になったからな、お前の飛び級は」

「どうして、ですか?」

車は、隣町に着いた。運転手は車を止め、エレンに体を向けた。そして、エレンの頭を撫でながら、

「《エレンとアランなら出来る》そう、言われた。最初は分からなかったが、あの時、爆発させるという作戦を言った時にきずいた。お前ならこの長い戦争を終わらせることが出来るとな。だからな、お前の肩にはみんなの期待が乗っかってるんだ。自信を持て、エレン。」

「はい!」

1時間。エレンはまず避難場所で、できる限り被害者に応急処置をした。だが、エレンが何をやろうとも、ほとんどの人はエレンの腕の中で死んでいった。エレンはあの運転手に言われた事を思い出しながら諦めずに次々応急処置をして行った。

3時間経ったら1度駅に向かう。1時間も経って、エレンや、他の兵士達も応急処置を一通り終わったらしい。その中で、生き残った人はわずか10人程度。兵士600人が死力を尽くしても、1000人の中で生き残ったのはたった10人だ。そして、小さい子も合わせると、その場には25人くらいになり、死体は次々と車に乗せられて行った。

するとその中に、100人程度の女の人が来た。そして、生き残った人たちを運び、病院へ連れていこうとしていた。

「これはこれは!女性の方々、その仕事は我々がやります。あなた達は、手当てだけをしていてください。集中力を保たないと続きませんから。」

「ありがとうございます。」

看護婦達はその場を去っていき、兵士達は生き残った人を病院に運んだ。エレンはその場で待機。エレンは、今回のテロについてアランと話していた。色々と気になる点があるが、やはり1番気になるのは犯人は誰なのか。今回、SCOPじゃないと、上はそう決定した。じゃあ、なんのためにこのテロを起こしたのか。犯人は誰なのか?知らない事ばかりだ。

「犯人は、恐らくかなり身分が高い人か、それか兵士だ。」

「何故そう言いきれるんだエレン?」

エレンは今回使われた毒がなんなのかまだ分からないが、恐らく青酸ガスだ。それを一気に大量に流し、駅内を混乱に陥れた。だとすると、やはり。

「毒ガスは、普段出回らないはずだ。持ってる人といえば、医者か兵士か。だが、医者はテロを起こさないと俺は思った。だとすると、敵はそれなりに身分が高い人だろう。いや、これを実行したのが一般人だとしても、恐らく黒幕がいる。」

「クーデターって事も有り得るのか?」

「その可能性も充分だ。否定が出来ない。」

エレンの考察はアランも納得したが、やはり犯人を確定出来ない。だが、エレンの考察は犯人の特定に大いに役立つだろう。エレンはこのことをその場の隊長に伝え、その場で待つこと3時間。エレンとアランら、約600人の兵士があの駅に向かう。

エレンは車に乗り、車の中で寝ていた。

今回はミカエルとグラウスは来なかった。2人は本部で待っていた。


「エレン、大丈夫かなぁ…」

「あいつはどうせボロボロになってでも戻ってくんだろ」

ミカエルはグラウスの尻を思いっきり蹴った。グラウスはその場でしゃがみこみ涙を少し流していた。

「お、おま、お前いってぇって…」

「そんな軽く言わないでよ!」

「軽く言えるってのはいい事じゃ……」

またミカエルはグラウスを蹴り飛ばしてグラウスはお腹を抱えながら倒れた。グラウスの口からはヨダレが垂れて、白目になっていた。

「全く、緊張感もないんだからぁ!」

ミカエルは怒りながら歩いていった。

エレンは丁度駅につき、その場の空気を調べた。3時間も経ったんだ。空気は良くなってるだろう。

「大丈夫です!中に入りましょう!」

「一応これ!」

アランはエレンにマスクを渡した。そして、兵士が中に入り、エレンも入っていった。

階段を降り、エレンが見たもの。それは、

あちらこちらに人が倒れている。中には、子供を毒から守ろうとしたのか、子供を抱きつきながら死んでいる女の人もいた。そこからみても、もう動けるものはいなかった。エレンは、死体に近ずこうとした。すると、隊長が

「やめとけ!一応触れるな、お前までやられる可能性があるかもしれないからな。」

「はい…」

エレンはその場を後にし、奥にまで進出した。すると、二人の男が、黒い長いものを持って走っていた。

「おい!ちょっと待て!お前ら生きてたの……」

銃声が鳴り響いた。話しかけた兵士はその場で倒れて血を流して死んだ。

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