第12話 夏季

暑い夏、蝉の声が鳴り響くアメリカに、一時平和が訪れていた。エレンや、アランの仕事も少なく、本部で待機か、街を徘徊することしかなかった。テロは、マサチューセッツ州戦から1度も起きず、2ヶ月が経っていた。だが、一般兵士はと言うと、毎日きつい訓練を受け、軍隊の強化に勤しんでいた。

その訓練に、エレンとアランは立ち合った。

一般兵士達は、エレンとアランを見つけると、エレンとアランの周りに集まり、大声で挨拶してきた。

「お、お願いします!」

エレンも負けずに大声で挨拶した。兵士達は、訓練に戻り、的に向けて銃を撃っていた。だが、エレンとアランには、この場は新鮮だ。経験したことないこの訓練。見てみたくなったのだろう。

1時間、その場で訓練を見た後、いつも通り街を徘徊していた時だった。TCUの車が一斉に街を走っていった。

「おい、アラン、なんかあったか?今日」

「いや、何も言われてないぞ」

2人は顔を見合わせたあと、とりあえず走った。その車について行き、しばらく走っていたらある駅の前に、ブルーシートが敷かれており、その上に人が100を超える人が倒れていたエレンとアランは、その人たちの近くまで行き、慌てて人工呼吸をした。だが、無意味だった。もう死んでいる者が多く、駅の周りはもう慌てふためいていた。

エレンは、作戦会議が行われる時に使われるテントに走っていき、状況を聞いた。

「これはどうなってるんですか!?人があんなに……!」

「恐らく、電車に毒ガスを巻かれた…これじゃ太刀打ち出来ない!」

このテロはSCOPの仕業か?作戦会議班達は、犯人の特定を急いでいた。

「いや、おかしいでしょ!犯人の特定なんて今は後でしょ!?今は早く敵を倒すことを考えないと!」

「落ち着けエレン、この毒ガスを巻かれたあとじゃ何も出来ないんだよ」

じゃあどうすればいいのか、作戦会議班を始め、兵士達は、困惑していた。外にいる死体は、巻かれた瞬間逃げてきた人達や、何も知らずに突入した兵士たち、その兵士達が命からがら連れてきた人達だ。だがもうその半数は命を失った。そして、中には想定1000人は軽く超えている。

ブルーシートには、小さい子供もいた。



「おかぁぁさぁぁん!!おとうさぁぁん!!」

「うわぁぁぁぁぁん!!!いやぁぁぁぁぁ!!お母さん…お父さん…」

「お兄ちゃん!!返事してよ!ねぇぇ!!」



子供たちは、大事な家族を失っていた。兵士は子供を優先に運んだらしい。親がまだ中にいる子供。親も来たが、死んでしまった子。その場は地獄絵図のようだった。


「あんな小さい子まで…」

「あ、あの!あの駅を爆破したら、空気も浄化されるんじゃ…」

「いや、それはダメだ、空気が外に出てしまう…」

どうすることも出来ないのか?今までは銃撃戦に対しては対抗出来たが、毒ガスはTCUも初めてだ。どう対抗するか、考えもつかない。爆破する…何かヒントになるのだろうか。


「やはり爆破が1番かと。」

「どうしてだエレン」

エレンは作戦会議班のみんなを呼び、説明を始めた。急にあつめられた班で、10人程しかいないが。

「爆破する人と、住民の避難させる人、これらで5人ずつで別れます。そして、しばらくこの周辺を誰にも近ずけないでください、そして、3箇所を爆破させ、空気を入れ替えさせます。」

「でも、爆破するやつはどうすればいいんだよ?ガスを吸い込んだら死んじまうだろ!」

エレンは、ポケットから手榴弾を取り出した。

そして、みんなにそれ。出すように言い、話を続けた。

「これらを、爆破させる人に渡してください。そして、その手榴弾を駅に向けて投げた後、思いっきり走って逃げます。」

「俺は、爆破させる方に行くよ、エレン」

そして、人数は決まった。エレン、アランとその他3人で爆破させるという。

エレン達は、早速、手榴弾を手にして準備した。そして、一般兵士と、5人の作戦会議班の人が、ブルーシートにいる人達を車に乗せて去っていき、1時間経ち、住民は避難完了した。

「アラン、行くぞ」

「おうよ」

エレンとアランは、走って配置につき、爆弾を構えた。

(ほんとにいいのか?中には人がいるだろう。こんなに時間かかった、恐らくもう生きる希望はない。だが、それで爆破していいのか?俺は正しいことをしているのか?)

アランは、エレンの近くにいたため、エレンの表情がよく分かる。アランは、深く息をすい、大声で言った。

「お前のやりうとしてることは正しいと思え!それしか方法はないんだから!正しいと思う方向へ進め!それにみんなはついて行く!」

「……ふぅ、確かに、そうだよなありがとな!アラン!…おかげで勇気でたわ」

そして、エレンが銃を発砲し、合図を出した。みんなは一斉に構え始め、そして、エレンが駅に向けて投げたのと同時に、ほかの4人が手榴弾を投げた。

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