第10話 邪魔する勇気

訓練兵団長であるセウスが裏切り者という真実を知りエレン達によるセウスへの攻撃。セウスはアレンによって殺され終わったかと思ったが、ホワイトハウスが爆発した。

その爆発に気がついたエレン達は驚きのあまり口を動かせなかった。

「え、エレン、これは……」

「宣戦布告だ、《今からホワイトハウスを襲う、覚悟しろ》っていうな」

エレンはホワイトハウス周辺の地図を机に出した。エレンは号令を出して作戦会議班全員を呼んだ。

「恐らく爆破されたのはホワイトハウスの後ろでしょう。そしてそこから大統領の部屋に入り、核を操るものを取るつもりでしょう。」

「大統領はこちらに来る時なんも持ってこなかったのか?」

エレンは、ホワイトハウスアウト作戦を思い出した。エレンとアランは、その日大統領を逃がすために夜に実行した。そしてその時、大統領の手には……

「なんも持ってなかったです。」

「なんだと……!?」

周りがざわつき始めた。あの時は急いでいたためにそんな事忘れていた。というかきずきもしなかった。核が落とされたらアメリカに未来はない。これじゃSCOPの勝利となってしまう。これだけは避けたい。

「今候補生があちらに向かっています!ケリス隊長と一緒に!なのでそこで時間稼ぎをしてもらいます。そして、穴が空いたところから兵士を中に入れて大統領の部屋を守ります。これでいいですか!」

「………。」

沈黙が続いていた。みんな考え込んでいた。これでいいのかと。エレンはこの状況に苛立ちを覚え、何か言おうとした時、アレンが前に出て兵士達にこう告げた。

「“やって失敗する事”こんなの何回あった。今更そんな事を怖がってちゃなんにも出来やしねぇだろうが今行動することに意味があるんだ!兵士よ動け!」

「お、おう!!」

兵士達は皆動き出した。武器を持って整列して、アレンの指揮の元、ホワイトハウスに向かった。

アランとエレンは、その場で待機している。

エレンは松葉杖だから、無闇に動くことが出来ない。



そしてその頃、候補生達は爆発にきずき走ってホワイトハウスに着いた。ケリス隊長が先陣を切ってホワイトハウスに侵入していき、兵士達もホワイトハウスに突撃した。

中に入った瞬間、上から銃撃が始まり、候補生達は動くことが出来なくなった。

「クソ、このままじゃ防戦一方だ、ほかの候補生は皆横にいけ!ここは俺に任せろ!!」

ケリス隊長はそう言って2階に向けて銃を乱射した。何発か的に命中して倒れるものもいた。

「ミカエル、ここで横にいるだけなんじゃ、何も出来ない。大統領の部屋に行くぞ」

すると、ミカエルがグラウスの服を掴んだ。

グラウスは少し照れながらもミカエルに耳を貸した。

「ちょっと待って、大統領の部屋はあの奥にある。行くにはあの銃撃を避けなきゃいけない。どうやって行くか考えないと」

「確かにそうだな」

グラウスは考えた。どうやって行くか、敵をどう欺くか。正面突破は恐らく無理だ。じゃあどうする。どうやったら倒せる。

【邪魔な者などはいらん!」】

(恐らく俺たちがケリス隊長と共に戦うと邪魔になるだろうな、こんな根性無しの集まりは。だけど…)

「邪魔する勇気も必要だろうが!お前ら!ケリス隊長と共に敵と戦え!!死に場所をここにしろ!」

「お……。おうよ!!」

兵士達は一斉に動き出した。逆の方向にいた兵士達も動き出して、敵と戦おうとした。

………が。

ひとつの銃弾で、戦況が変わることもある。

敵の銃弾が、ケリス隊長の心臓を貫いた。ケリス隊長はそこで倒れ息、絶えた。

「ケリス……隊長……」

動こうとした兵士達は止まった。あんなに強かったケリス隊長が、銃弾1個で倒れた。兵士達は混乱し始めた。ミカエルとグラウスも、動くのを躊躇した。だが、グラウスとミカエルは諦めなかった。


「お前ら!死に場所をここにすると今誓ったじゃねーか!一斉に動け!敵をうちとれ!手柄を上げて死んでくれ!」

「そうよ!みんな動いて!」

兵士達は死にものぐるいで動き出して敵に向けて乱射し、グラウスとミカエル、その他10人の兵士で大統領の部屋に向かった。ほかの候補生は皆囮だ。

(すまん、みんな、囮にさせちまって、だけど俺は任務を果たさなきゃいけない…!)

グラウスは、走りながらそう考え大統領の部屋まで走った。

「ここからは短期決戦だ、少しも迷うな、敵はとことん殺せ。それしか道はねぇ」

「わかってる。」

ほかの候補生達は、敵に向けて乱射していたが、敵も負けずに候補生達を撃っていき、候補生も次々と倒れていく。

「リーグー!!クソォォォ!!」

「ドミナー!!」

喚き声も聞こえる。完全に混乱状態だ。なんだって、皆候補生なのだから。撃つのを躊躇した瞬間撃ち殺される。だから適当にでも撃たなきゃいけない。アピールし続ける。決してテロリストなんかに屈しないと。

グラウス達は大統領の部屋について、まとまっていた。

「お前ら、準備はいいか?」

「もちろん、いいよ」

「私はいつだって死ねるから」

「怖いよそれ」

少し話して、ドアを強く開けた。中に入ったら、敵は10人ちょっと。相手は躊躇なく撃ってきた。グラウス達は盾で身を守りながら前に進んだ。敵はずっと乱射して、中々撃てなかったが、近くにいた兵士が、勇気を持って敵の前に行き銃を乱射して、グラウス達はそれに乗っかり銃を乱射していき、相手を押していった。敵が倒れていく中、最初に敵の前に出た仲間が撃たれて、ミカエルの目の前で倒れた。グラウス達は死体を見るのをやめ、ただただ撃った。敵は残り3人となり、味方は残り8人。人数はこちらの方が上だ。だが、1人の兵が、黒いバックを持ち出した。

「くそ!ミカエル!そしてあとの兵士みんな!あいつを追え!俺はここを片ずける!」

「わかった!生きて戻ってきてね!」

グラウスは、ミカエルのその言葉を聞いて、小声でいった。

「死ぬわけないだろうが」

そして、グラウスは叫びながら銃を乱射し、敵を1人撃ち殺した。そしてグラウスは近くにあった花瓶を敵に投げつけもう1人の兵士を撃った。

「勝った……!よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!あとは黒いバックを奪うだけだ!」

すると、壁に空いた穴から、TCU の制服を着た兵士達がその場を占拠して行った。

候補生達はその兵士達のところまで下がった。銃撃戦の音は聞こえなくなった。

「上に敵がいるのか?」

「はい…」

そして、アレンはポケットから黒い何かを取り出して、上に投げた。すると、屋根が爆発して、屋根が落ちてきた。敵はみんなことごとく死んでいき、黒いバックは、ミカエルが取り返した。グラウスとミカエルは合流して、状況を話し、そしてこのホワイトハウス防衛戦は、TCUの勝利だと確信した。

「アレンさん、ケリス隊長が……」

「だろうな、隊長っていう役柄は、敵に狙われる。死にやすい役だ。戦場で死ねることが、幸せなんだよ……」

アレンは、ケリス隊長の頭をそっと撫でた。そして、ケリス隊長の制服から、紋章を取り出して、ポケットに入れた。

「お前ら!戻るぞ。ワシントン防衛戦は、俺達TCUの勝利だ。敵は他にいなかったらしい。本部へ直行だ。」

「はい……!!」

ワシントン防衛戦、主に犠牲となったのは、候補生であった。候補生は最初600人いたが、今回の戦争により100人死亡。60人怪我。そして、自らTCUを辞めた人100人。これにより、新たに兵士となったのは

300人だけとなった。新兵達の戦いは、これからであった。

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