第3話 初陣

もう聞こえる。銃撃戦の音が、耳に響く。赤いレンガの家が並ぶ町も、あちらこちら壊れている。やはり来るのが遅すぎたか?地震が起きたような見た目だ。一応テキサス州にもTCUの支部はあるらしいが、できて3年。適応力はまだない。エレンとアランは2人で走っていた。2人が着いた先は。


一昨年ここの施設が満杯で、そこを狙ったSCOPのやつらがいる。また同じことが起きなければいいが。



「この施設はもう限界です!次の施設に行きましょう!」

エレンはそう叫び市民を誘導していった。戦況は、ヒューストンがまず狙われ、そこは陥落したという。そして、ヒューストンから西の方向へ攻めているという。だが、テキサス州はアメリカで2番目の広さを誇る。完全に陥落するのには時間がとてもかかる。だが、それをものともしないような勢いで攻めている。エレンとアランは、走って市民を誘導させた。そこは、図書館だ。兵士もよく使うという。中は広いため、避難所には最適だ。


市民を大分避難させた。家族の安否はまた後でだ。走って街を探索して、逃げ遅れた市民を探す。


その頃キリア隊では、激しい銃撃戦が繰り広げられていた。一進一退の繰り返しで、全く変わらない。


銃撃戦の音は、頭を混乱させる。だが、その音を耐えなければ勝つことさえ出来ない。



「前に進め!少しずつでもいい!近ずくんだ!」

その言葉を聞いた兵士達は、前に進んだが、変わることなく撃ち続けた。

すると、SCOPが何か黒いものを投げた。それが地面に着いた瞬間、爆発が起きた。その煙によって前が見れなくなり、TCUは完全に受け身になった。すると、後ろにある家の屋根から、銃の音が聞こえた。その銃弾は、キリアの頭に直撃し、キリアはその場で倒れた。それを察した兵士が、混乱していった。



その頃、その近くに居たエレンとアランは、急いでその場に向かう途中、エレンがその場に倒れているTCUの兵士を見つけた。


「こんなとこで死ぬなんて、、、アラン、この銃、持ってくぞ。」

「うん、、、わかった、」

2人は、T-329を持って、戦場の後ろに行った。この時2人はどう思ったか、初めての兵士としての戦場。簡単に死ぬ戦場。誰が平和だと勘違いしたのだろう。ここは戦場の地。甘ったれた奴は、さっきみたいに死んでいく。逃げ遅れれば、死ぬ。常に死との瀬戸際なんだ。それを感じたエレンとアランは、きっと、、、


「おい、屋根の上に兵士が複数いる。しゃがめ」

アランは頷き、そーっと軒下を走っていった。すると、エレンが軒下を離れ、銃を構えた。


「おい、エレン、何してんだ」

「ちょっと見てろ」

アランはそう言われ、立ち止まった。アランは何かを言おうとしたが、言うのをやめた。



エレンは銃口を敵の背中に合わせ、構えた。

すると、エレンは手でアランに左に走るように指図した。アランはそれを察して、右に走った。


「よし、」

そして、エレンは引き金を引いた。バン・・・!音を強く上げながら飛んだ銃弾は、敵の背中に命中し、敵は1人死んだ。前に落ちていき、屋根にいた兵士達は、一斉に後ろを振り向く。だが、それを見たTCUの兵士は、屋根にいた兵士を次々と撃っていった。敵兵が次々と落ちていく中、エレンは、家の窓に立っていた。


エレンは、窓を踏み台にして、飛び上がった。空中にいる間に銃を放ち、地面に落ちた。敵は、地面に落ちた。



エレンは、地面に落ちた兵士に、手を添えた。頭を撫で、目を瞑りだし、しばらくしゃがんでいた。


「こうすることしか出来なかった。君の死は、決して無駄じゃないから。終わらせてくる。」


エレンはそう静かに呟いた。頭から手を離したあと、立ち上がった。

そろそろ戦争は終わったか?銃撃戦の音が聞こえなくなった。エレンてアランは、戦場である家の表に行った。


そこで見たもの。それは、キリアの死体と、兵士達の死体であった。

エレンは戦場を歩いて、死体を見て行った。

何も喋らずに巡礼していた。



エレンは立ち止まり、仲間の死体がある場所で止まった。

「きっと、こうすることしか出来なかったんだな。平和のためなら、人を殺し、殺される。仲間を失い、仲間を奪う。一体、いつになったら平和は訪れるんだ?」


きっと、変わることの無い世界。戦いを終わらすために人は戦う。終わらない戦争を、初めて知ったエレンであった。


しばらく経ったあと、狼煙が各地で上がった。エレンは、キリアの死体の所まで走っていき、狼煙は何かと聞いた。


狼煙とは、戦争で勝ったことを意味するという。つまり、この戦いは終わった。

今回の戦争は、いつもより軽い戦争だそうだ。死者数、約80人。

この現実を受け止め、兵士達は帰って行った。



エレンは手を強く握りしめ車に乗った。この結果に泣いた人もいる。恐らく友達を失ったのだろう。エレンは声をかけることも出来ずただただ。悔やんでいた。



「エレン、、、」

「ごめん、ちょっと話しかけないでくれ」

アランはエレンから離れていった。

絶望の淵に追い込まれながら帰って行った。

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