ぬくもりの向こうに・・・

勝利だギューちゃん

第1話

もうすぐ七夕。

いたるところで、笹の葉が飾られている。

そして、短冊とペンが置かれている。


「願い事を書いてつるせ」といことか・・・


既にいろいろな、願い事が書かれている。

【スーパーヒーローになりたい】という子供らしいものから、

【試験合格】という現実てきなものまで・・・


俺も、ペンを持って願い事を書いて、つるした。


【姉が、お嫁に行けますように】


俺には、3歳年上の姉がいる。

その姉は、ブスではない。

むしろ、美人だと思う。


見びいきではなく、客観的に見てもそうだろう。


とても明るくて優しくて、女子力も高い。

まさに、完璧だ・・・


でも、なぜか男運がない。


高望みもしていない。

むしろ謙虚過ぎると言える。


妙齢で、賞味期限は過ぎていない。


「そうだ。姉ちゃんから買い物たのまれてた」

俺は急いで、買い物に行った。


「ただいま。ねえちゃん」

「おかえり和彦、買ってきてくれた?」

「ああ、買い忘れはないか?」

「どれどれ・・・うん、全部揃ってる。ありがとう」


姉との仲は悪くない。

むしろ、良好と言える。


大好きな姉だからこそ、早く嫁に行って幸せになってほしい。

姉を幸せにしてくれるのなら、相手がどんな男でも、受け入れよう。

そう・・・どんな男性でも・・・


言っておくが、両親は生きている。

姉弟のふたりぐらしではないので、念のため。


「もうじき、七夕だね。和彦」

「ああ」

「和彦は、どんな願い事したの?」

「内緒。姉ちゃんは?」

「内緒」


「ねえ、和彦」

「何?」

「もし、私が結婚するといったら、どうする?」

「まず、相手の男性を見る」

「うん、それで?」

「ねえちゃんを、幸せにしてくれるのなら、賛成しる」

「してくれそうになければ?」

「反対する」

「そっか・・・」


姉ちゃん、相手、見つけたのか?


「和彦こそ、彼女出来たの?」

「いや、まだ・・・」

「そう。早く見つけなよ」

俺のことより、姉ちゃんの幸せを考えなよ。


「和彦」

「何?」

「7月7日の七夕だけど・・・」

「うん」

「また、デートしようか?」

「デート?」

「うん。お互いの予行練習ということで・・・」


ここ数年、7月7日の日は、恋人になりデートしている。

完全に姉ちゃんに、リードしてもらっているが・・・


「今年は、和彦がリードしてみて」

「俺が?どうして・・・」

姉ちゃんは、笑って答えた。


「卒業試験だよ。私と和彦のね」






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ぬくもりの向こうに・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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