第57話 初の試み
俺たちが着く頃には戦争は既に始まっており、人型魔装兵器ホムンクルスが出動していつのが見えた。
敵の本陣が目の前にある。
が、容易に近づくことはとても危険だ。
どう近づくのか。
《瞬間移動テレポート》を使うのが一番有効なのだろうが、俺が行った場所はかなり限られる。
もし、《瞬間移動テレポート》をするのなら、危険性が一番薄い所にするしかない。
「よし。《瞬間移動テレポート》をするから手を繋げ。侵入するぞ」
「わ、分かった」
金石の手を繋ぎ、《瞬間移動テレポート》を使う。
くたびれた鉄。
ひんやりと冷たく硬い床。
《瞬間移動テレポート》は成功したようだ。
「よし。取り敢えず、《瞬間移動テレポート》は成功したようだ。人型魔装兵器ホムンクルスの収納庫まで一気に行くぞ」
「ああ。分かった」
階段を駆け上がり、最短距離で収納庫まで行く。
そこには、十数機の人型魔装兵器ホムンクルスと技術者の人間が数人いた。
「ざるだな」
「だな」
警備は愚か、技術者相手なら何とかなる。
が、敵は肉体改造された獣人だ。
例え、戦闘員でなくても注意が必要だ。
最初に俺が《透明化》を使って一番近くにある青色の丸びを帯びた人型魔装兵器ホムンクルスに近づき、コックピットに乗り込んだ。
「正直、いまいち操作の仕方は分からないけれど」
まぁ、何とかなるだろう。
操作の仕方は一通り金石に教わった。
たしか、この右にあるレバーを手前に引くんだったかな。
――――ウィィィィィン。
起動音がして、360度に電子画面が表示される。
中央には、外の光景を垣間見ることが出来る。
「なるほど。で、あとはイメージか」
座ったまま、頭の中でイメージを描き起こす。
シュミレーションだ。
駆動音が聞こえる。
確かに動いている感覚もある。
手始めに目の前の人型魔装兵器ホムンクルスをぶん殴ってみる。
鈍い音と金属と金属が衝突する音が収納庫内に響き渡った。
なるほど。
少し要領を得たぞ。
ええと。
で、この右足に小さな赤いボタンがあった。
そこを押すと、拡張デバイスが出て来た。
それを金石に教えてもらったように付ける。
手筈通りなら、彼はもう人型魔装兵器ホムンクルスの中に入っているはずだ。
「おい。ホワイト。聞こえるか?」
金石の声だ。
「ああ。聞こえる。脱出するぞ」
「了解」
適当に収納庫にある武器を二人で奪い、 魔術光線銃マジックビームライフルを使って壁をぶち抜く。
「さあ。俺たちも戦争をはじめよう」
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