第39話 ブラック・チルドレン__3
「作戦通りいけばいいんですけど」
「やれることをやるしかない。多分、《パパ》は俺たちがしようとしていることに気付いている。だとしたら、俺たちの選択肢はたった二つ。このまま自分たちが何をされているのか分からずに、利用されて死ぬのか。もしくは、自分の人生を歩むために『運命』に逆らうのか。これは俺たち一人一人が決めることだ。残りたい奴は残れ。俺から言えることはこれ以上無い」
リーダー各である俺はみんなの前に立ってそう言い放った。
みんな怪訝そうな、迷っているような真剣でどうしようかと言った顔をしている。
俺は言葉を続ける。
「強制はしない。これは俺たちの人生を決める決断なんだ。恐らく、最後には《パパ》の顔を拝めることが出来るだろう。《パパ》は俺たちを産んでくれた。でも、俺たちもいつまでも子供じゃない。《パパ》の言う通りに、思い通りにされたままなのは俺は嫌だ。人に使われる人生は。人に自分の人生を決められる運命は嫌だ。俺は――――」
右手で拳を作って、胸を強く叩く。
ここに自分はいるのだと。
これが俺の心臓なのだと。
「この心臓は、この体は、この命は俺のものだ。俺だけ物だ。それを誰かに預けようなんざ俺は到底思えねぇ。絶対に嫌だ。だから、俺はこの《箱庭》の外に出る。俺の為に」
――――沈黙。
正直、みんな協力してくれるとは毛頭思っていない。
でも、数人でならきっと……。
「私は行くわ」
とブルー。
「俺っちも行く。このまま終わりたくないぞから」
とレッド。
「私も一人で行くのは嫌だから」
と少々面倒くさそうにイエローが言う。
「それじゃ、決定だな」
ホワイトが力強く頷く。
「みんな、本当に良いんだよな」
念の為に確認をする。
「この先、死ぬかもしれないんだ。でも、この《箱庭》の中にいればそんなことは無い。ずっと平和にいることが出来る。それでも、みんなは俺と一緒にいばらの道を進んでくれるのか?」
「あったりまえだ。馬鹿野郎」
ホワイトの凛とした声が部屋の中に響いた。
「みんなお前と同じ気持ちなんだ。もう、こんな所にいるのはうんざりなんだ。ブラック。お前の言う通りだ。俺たちは奴らの人形じゃない。今はそれを証明する時なんだ。それが今なんだ」
「よし。分かった。それなら、みんなでやろうじゃないか。絶対にみんなで生き残るんだ」
「「「「おぉーーーー!!!!」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます