インターミッションⅥ
場外乱闘~やおい~
カノン「ねえねえ」
俊助「……」
カノン「ねえってば!」
俊助「カノン。日本には『仏の顔も三度まで』という諺がある。この導入はすでに四度目だ。僕の堪忍袋の緒も切れるぞ」
カノン「この前、ネットで見たんだけど」
俊助「おい!無視すんなよ」
カノン「やおいって何?」
紗枝「やおいっていうのですね、『山なし』『オチなし』『意味なし』の略称で、要するにストーリーそっちのけで性描写ばかりに走る、主に男同士のくんずほぐれつな同人誌につけられた俗称で、かく言う私もつい先日、先輩と醍醐先輩の……ふがふが!」
俊助「ストーーーーップ!これ以上は駄目!ってどこから来たの?紗枝ちゃん」
カノン「同人誌ってあれでしょう?シュンスケの部屋にあったいやらしい薄い本でしょう」
俊助「そっちもストーーーーップ!なんでお前がそれを知っている!」
紗枝「『山なし』『オチなし』『意味なし』という意味では間違っちゃいませんけど、基本的にはBL、つまり男同士のくんずほぐれつな同人誌に使われます。かく言う私も先日、ついつい先輩の総受け……ハァハァ」
俊助「だぁぁぁぁ!今回は初っ端から飛ばすなぁ!僕の話を聞けよ!」
カノン「そ、そうなんだ。まぁ、シュンスケの持っている方は男性目線からすれば理解はできるけど、男同士ってのは、ちょっとね……」
紗枝「何を言っているんです!分かりませんか?細マッチョな男達が絡み合い、お互いの大切なところを愛撫し合って、それで上り詰めていくんです!最高じゃないですか!かく言う私も昨晩、先輩と醍醐先輩が保健室で抱きしめあいながら……」
俊助「紗枝ちゃん!息荒くして僕を見ないで!君には『創界の言霊』の力があるんだから、妄想すると現実化しちゃうでしょう!」
紗枝「それはそれでいいじゃないですか。で、どうしましょう、先輩の受け?いえ、攻め?」
俊助「どうしましょうも何もないよ!どっちもお断りだ!」
紗枝「はっ!ひょっとして魔王さんの触手プレイをご希望ですか?魔王さんのぶっとい触手が先輩の……」
俊助「希望していない!触手プレイが似合あうのは女キャラだろ!」
カノン「うわっ……シュンスケ、サイテーな発言ね」
紗枝「そういえば先輩。『魔法少女マジカルカノン』でカノン先輩に触手プレイしていますよね。確か『デスターク・エビルフェイズの触手が数本、目にも留まらぬ速さで動いた。どうすべきか判断する間もなく、触手たちがカノンの両腕、両足に絡み付いてきた』とか『不愉快なぬめりのある触手が、足首から太もも、そして上半身へと巻きついてくる』とか、挙句には『触手がカノンの乳房に力強く巻きついてきた』……」
カノン「このド変態!」
俊助「カ、カノン!完全に腕を折りにいっているだろう!や、やめろぉぉ!」
カノン「まったく……。とんでもないわね、やおいって」
紗枝「そんなことないですよ。先輩がちょっとサイテーなだけで、BLは、お耽美系ともかつて言われていて、非常に高尚な……」
カノン「あ?でも、よくよく考えてみれば、このコーナーもやおいじゃない?山場がないし、オチもないし、意味もないし……」
俊助「カノン。それを言っちゃお終いよ」
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