冬の庭にて
きっと、神社でも作ろうとしたのだと思う。
私の地域は豪雪地帯に片足を突っ込んでいる。なんて、本物の豪雪地帯に比べるとぬるいほうだけど、冬になると山程雪が降る。具体的にいうと、庭の上に丘ができるレベルだろうか。
最近は嵩も低いけれど、一昔前はクライミングができるレベルで積もっていた。
それで、子どものころの話なのだけど。
スキー用のグローブとウェアを着て、庭に出た。なにやら道を作り、祭壇を作成。なにやら神秘的な雰囲気がしなくもない空間に、丸く丸めた雪を設置。その近辺には泉を模した穴を空けてみた。
私はそこでお参りをして、神との交信を試みる。もっとも、ここは神社でもないし、ましてや神なんていないのだから、祈りを捧げたところで意味はない。もちろん、それを承知でごっこ遊びをしていたのだと思う。
問題はこのあたりで同級生が通りがかったこと。ちょうど目が合い、びゅーと風が吹く。なんともいえぬ気まずさが漂ったことを覚えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます