水しぶき
水しぶきが、私の水着にかかる。
夏休みの晴れた空。青い海。
海の家の焼きそばを食べるのは、もう少し先になりそう。
その後も、彼女はどんどん水をかけているが、私も負けじとやり返す。
彼女と出会ったのは去年の春、高校一年の時だ。
読書していた私に、興味本位で声をかけたらしい。
ぐいぐい引っ張ってくる性格に、ちょっと疲れることもあるけれど、私には無い性格が羨ましかった。
海に誘ったのは、私だ。
「お揃いの水着で行こうね」と、彼女は言う。
うなずく私の胸は、何故かドキドキと高鳴りはじめていた。
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