初恋

手に息を吐く

やっぱり、寒い。

冬の通学は、どれだけ経験しても慣れない。

彼も、その一人だろうか。

友人と話している彼の会話がかすかにきこえるが、やはり寒いと繰り返している。

初恋の人。

きっかけは、体育の時の二人三脚。

彼と走ったあの時から、もうダメだった。

今でもたまに用事があって声をかけられるときもあるが、それだけで心はパニックになる。

それのせいもあるけれど、まだ彼に好きと伝えられていない。

簡単なことではないと思っているけれど、もう半年以上片思いだ。

なんて、弱い人間だろう。

こんなに、こんなにも好きなのに。

そう思えば思うほど、その一言は遠ざかっていった。

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