観覧車
二人で、観覧車に乗っている。
まだ、頂上に着くには時間があった。
「今日は来てくれてありがとう」
「うん。私も楽しかった」
そう言うと、彼は笑った。
「もう秋になっちゃったから、日が暮れるのが早いね」
「そうだね。今日も晴れてるけど、ちょっと肌寒いし」
けれど、彼は薄着でも平気なようだ。
向かい合って座る彼は、ぼんやりと夕陽を眺めている。
その目が、可愛い。
「もう俺たちも、大学三年かぁ」
彼はため息をつきながら言った。
私もぼんやりと、夕陽を見ている。
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