ヤシロさんは成仏できない

作者 七海 まち

82

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★★★ Excellent!!!

主人公・エマの近所に住む高校生・ヤシロさん。
幽霊になった彼が三途の川を渡れなければ、エマも死後、一緒に現世をさまよってしまう!?
そんなはた迷惑な事態を回避するため、エマは縁結びを手伝うことに……

引きこもりでありながら、好きなこと・夢にひたむきな情熱を持つヤシロさん。
口は悪いけれど意外と優しい?小鬼くん。
オカルトマニアの長谷部君。
「優等生である」ことに自分の中で葛藤を抱えるエマは、彼らと交流し、ヤシロさんを成仏させようと奮闘する中で、少しずつ成長していきます。
コミカルで特徴的なキャラクターたちが織りなす軽快な物語と、エマが「優等生」の殻を破ろうと成長する濃密な物語が一体となった本作。
ヤシロさんが無事に成仏できるのか?
エマの成長物語の行方は?
そのどちらもの答えが提示されるラストは、序盤からの伏線が全て回収される爽快なものとなっています。
角川つばさ文庫小説賞で現在一次選考を通過している本作、ぜひ皆様もお楽しみください!

★★★ Excellent!!!

女子中学生のヒロイン、エマには忘れられない過去がある。
自分の存在そのものを否定された、屈辱的な過去が。
エマは無機物と定期的な行動にその臥薪嘗胆を託し、今に至る。
だけど皆さんはきっとご存じでしょう。

恨みを忘れないという行為は、なにも生まないということを。

だけどそんなエマには転機が訪れます。
こちらもけして明るい事件ではないのですが、エマにとっては間違いなく人生の転機となる出来事だった。
それが本作のタイトルにある、ヤシロさんとの交流です。

ヤシロさんは幽霊です。
エマに対して攻撃をしかけてくることもなければ、情熱的恋慕で彼女の身を焼き焦がすこともない。だけどエマとの切っても切れない繋がりができてしまったために、幽霊ヤシロさんとエマは行動を一にしなければなりません。

この交流、そして事件解決への手結びこそがエマの契機でした。
……成長でした。
彼女がたどり着いた境地を読んだ瞬間、涙が出てきました。わたしたちは誰しも忘れられない過去をもっていて……そして、その過去を解決できるキーをたったの一つだと思いこんでいないかと。
その思いこみが、わたしたちの未来を止めているのではないかと。
そんな桎梏を鮮やかに取り払ってくれたエマちゃん。
彼女はヤシロさんとどのような交流をし、彼との縁からなにを得、そしてどうやって自分から行動をしかけていくようになったのかに注目してみてください。

重めのレビューでしたが、作品自体はとっともライト。
エマは人見知りせずにたくさんの魅力的な登場人物に関わっていこうとするし。
ヤシロさんはぶっきらぼうながらも、エマを大切にしようと努めます。
筆者が「ヤシロさんを好きになってくれたら、この物語はぐっと面白くなる」という旨の説明をどこかでされていましたが、まさにそうだと思います。
読者のあなたはぜひエマちゃんになるのです。
ヤシロさんを好きにな… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

なんの関わりも、なんの興味もなかった近所の高校生・ヤシロさん。
彼が、三途の川を渡れなければ、主人公エマの死後にも支障を及ぼすということで、縁結びを手伝うことになります……。

可愛いい案内人・小鬼や、オカルトマニアの長谷部君に助けられながら、近付いていく2人。

引きこもりでどうしようもないと思っていたヤシロさんの人生には、夢や切ない思いが溢れていて……。
優等生であるエマは、自分の中での葛藤を抱えています。

なんと言っても、幽霊になったヤシロさんの登場するシーンや退場するシーンは、かなり笑えます!

ヤシロさんを成仏させる!という目的で、繋っていく人達……。
まだまだ未熟な登場人物達が、人を理解することで成長していく……。

それぞれの思いが心に響く、素敵な作品です!

★★★ Excellent!!!

とある理由から他人の縁結びをしなければ大変なことになってしまうことになった主人公。
この設定からしてまず面白い!

しかしこの作品の面白いところはそれだけではない。
全ての出来事には縁がある。
これら登場人物がここに集められたのには訳があったのだ。
そこには私たちの想像を越えた過去があり、思いがあり、それらがいつか一つの糸に重なり始め……驚愕のラストへと恐るべき展開を迎える。

ミステリーあり、笑いあり、ラブコメあり、きっとあなたを満足させる一夏の思い出がここにある、おすすめです!
さあ、成仏してしまう前に、急げ!

★★★ Excellent!!!

オカルト、幽霊、超能力。
そんなタグに騙されてはいけない、まっすぐに夢に向かって生きてきた男の生き様をたどるッ、エマの
ヤシロさん成仏しなさい奮闘物語!

ヤシロさんの人生は褒められたものではなかったかもしれない。
何しろ、積んできた徳の数がまさかの———ウン。
徳がなければ、ヤシロさんは成仏できないといわれ、なんやかんやで、エマも巻き込まれていく。
ヤシロさんの自由な人柄が、とっても素敵。幽霊だし、よけいに!

さらにさらに、わたくしのイチオシ、長日部くんがまたよいのです。
オカルトマニアでまさかの能力のもちぬし。
一話からずっと面白いのですが、この物語の本領発揮は十七話から!!
ぜひぜひ、その目で!!

エピローグのタイトルもまたニクいのです。こういうの好きですなあ。

★★★ Excellent!!!

主人公エマと、同じアパートのお隣さんであるヤシロさん。とは言っても二人にほとんど接点はなくて、ほんの少し言葉を交わしただけ。ヤシロさんが、亡くなって幽霊として現れるまでは。

なんでも、ヤシロさんはこのままでは成仏できなくて、無事成仏するためには、エマが手助けしなくてはなりません。
エマにしてみれば完全にとばっちりですが、知らん顔もできない理由があり、ヤシロさんの成仏を手伝う事に。

個人的に好きだったのが、ヤシロさんとの手伝いをすることになってから、何かと声を掛けてくるようになった、同学年の長日部君です。最初はちょっと変わったオカルトマニアと言った感じなのですが、彼の事を知っていくにつれ、だんだんと好感度が上がっていきました。
オカルトマニアなんて言うと、もしかしたらあまり良くないイメージを持たれる方もいるかもしれません。ですが、読み終わった頃にはそんな印象なんて吹き飛ぶこと間違いなしです。彼がいったいどんな活躍をするのか、ぜひ読んで確かめてみてください。

★★★ Excellent!!!

人は死んだらどうなるの? 一説によれば三途の川を渡って、あの世に行くと言われています。だけどもし、その三途の川を渡ることができなかったら……

中学生の女の子エマは、真面目な優等生。しかしある日、事故で亡くなったアパートの隣に住んでいた高校生、ヤシロさんの幽霊が現れてエマに頼みます。生前良い行いをしてなかったため、三途の川を渡れない。成仏するために協力してくれ、と。
突然現れた幽霊からのお願い。本当なら協力する義理は無いのですけど、聞けば四十九日以内に三途の川を渡れなければ、死後エマの魂も成仏できなくなってしまうそうで。どうやらとんでもない事に巻き込まれてしまったみたいです。

三途の川を渡るためには、善行をして徳を積まなければならないのですが、そのために選んだ手段は、縁結びの手伝い。誰かの恋を成就させて、徳をためようと考えたわけですが、これが一筋縄ではいかなくて……

元々仲が良いわけではなかったエマとヤシロさんですが、厄介な事になってしまいました。三途の川を渡ろうが渡れまいが知った事かと言ってやりたいでしょうけど、死後の自分の運命がかかっているとなると、無下にもできませんよね。
衝突しながらも、どうやって縁結びをするかを考えていきます。さらに、同級生の霊感少年も加わって、皆で縁結びをしようと奮闘していくわけです。

そしてこのお話は、ヤシロさんを成仏させること以外に、エマの成長が一つのテーマになっているって思いました。
優等生と言われているエマですけど、まだ精神的な未熟さもある、中学生の女の子。人並みに悩みだってあります。この縁結びを通して、彼女がどう成長していくか。縁結びの行方と一緒に、そちらにもご注目ください。

★★★ Excellent!!!

皆さんは子供の頃、アニメや漫画や小説の世界の中に入り込みたいと思ったことはありませんか?
わたしはこの優しくてそれでいてハラハラドキドキする物語に最初は引き込まれて、それから今度はキャラたちに感情移入して、最後にはどのキャラでもいいからわたしも物語に参加させて! という気持ちになりました。

わたしたちの現実は楽しいだけのものではありませんけれども、こういう心から溶け込める作品が隣にあるだけで毎日をにっこりと生きていけるような気がしました。

本当に素晴らしい作品です!
心からオススメします!

★★★ Excellent!!!

ろくに学校も行かず引きこもっていたというヤシロさんは、話してみれば思いのほか真っ直ぐで魅力的なキャラクター。

ヤシロさんだけではなく、どのキャラも個性があっていい。

場面転換はスムーズ、文章は読みやすい、伏線が回収されていくさまは気持ち良く、主人公エマが抱えてきた悩みへの決着も心地良い。

良いものを読んだ、という読後感。
お薦めです。

★★★ Excellent!!!

死んだら終わりだと誰が決めた?

一般人に近く安定感のある主人公の【エマ】が、物語を引っ掻き回す【ヤシロさん】に振り回されながら、どこか頼りがいのある小鬼さんや、オカルトマニアで好少年の【長谷川くん】と共に奔走するストーリーです。

随所に作者のメッセージ性が見られ、考えさせられるような物語になっています。
1話辺りも読みやすく、引きが上手い為、スラスラ読めます。
コンパクトにまとまっており、ラストも素晴らしい作品です。

是非、読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

最後に言葉を交わしたから。
そんな理由で幽霊となってしまった隣人ヤシロと妙な縁が出来てしまい……

いわゆる三途の川を渡るには、徳を積むことが重要らしいのですが。
しかし、このヤシロくん。徳が……ない。ゼロなんだとか。

それでも、勝手に成仏できないのであれば、放っておいてもいいんですが、そうもいかないのが本作。この幽霊が成仏できないと、主人公エマにも悪い影響があるらしく……

なんとかしなくては!

ということで、奮闘するエマ。
そして、まさかの展開に……

幽霊ヤシロさんの他にも、小鬼やオカルトおたくっぽい男子、優等生の先輩などなどが登場。将来の夢や自分の個性ってなんだろうという思春期の悩みも描いてあり、違和感ない心理描写も魅力です。

★★★ Excellent!!!

 人と人とは偶然繋がり、そして交わる。
 ヤシロさんと奇妙な関係で繋がったエマ。そこに待ち受けていたのは、小鬼じゃ。小鬼がおる(by ポムじいさん
 と、冗談はさておき、霊界のシステムを教わりながら、エマはヤシロさんの為に(?)あれやこれやと奔走する羽目に。
 現代スペクタクルファンタジー「ヤシロさんは成仏できない」ここに完結!

 ヤシロさんは成仏できるのか?
 その目撃者は貴方だ。

★★★ Excellent!!!

不慮の事故で亡くなってしまった、そんなに知りもしないお隣さん。
ひょんなことから、その人・ヤシロさんと縁を持ってしまった主人公のエマは、
ヤシロさんが成仏できるように協力することになるのですが……。

導入部から物語がすっと頭に入ってきて、さらに毎回引きがよく、読み出したら続きが気になってしまうことまちがいなしの本作。
それぞれのキャラクターも感情移入しやすく、思わず見守りたくなってしまいます。
一見『真面目な優等生』のエマにも、思わず共感して胸がちくりとしてしまうような過去があったり、引きこもりだったという一見無気力なヤシロさんにも、秘めた想いや思い描いていた夢があったり……。
さらに、エマが出会う不思議な雰囲気の少年長日部くんも独特で、エマとの関係の微妙な変化は見逃せません!彼の能力は地味にチートだと思います(笑)

少し切ない場面もありますが重過ぎず、にやにやあり、ドキドキあり、児童向けとしてはもちろん、大人もバッチリ楽しめます。
特に最後まで読んだ人にしかわからないであろうこの読後感は、最高です!
ぜひぜひ読んでみてください!