最悪に向かっている王都の実情 中
エイアイの話しだと、それは『イリジウム衛星電話』と言う事であり、空の上には宇宙と言う広大な闇が広がっており、そこには、数えられない程の天体が存在する。
その一つが、この星、『地球』と言う事であり、引力が存在して、我々が、こうして地面に立っている事ができるのは、そのおかげであると言う事であった。
そして…空気である。
ほとんどの天体には、引力は存在し、大気と言う、我々が呼吸している酸素のような、気体が存在している…星もあれば、引力や大気が無い星もあり、大気が存在はしている天体を発見していると言う事であったが、それは、人が生存できる元素で構成されてはいないと言う事である。
『イリジウム衛星電話』は、天体にある、引力を利用して、宇宙空間の同じ場所に漂わせている人口の衛星、その中の一つ、通信衛星を利用して、電波に声を乗せて通話できると言う事であった。
星は回転しており、その回転生じる遠心力と、この星の引力を利用して、その力がプラスマイナス0の状態の所で漂わせているのが、人工衛星と言うらしい。
人工衛星に関しても、大小あり、体積が関係してきていると言う話で、全てがすべて、同じ高さにある訳では無いと言う事であった。
衛星と言っても星ではない、機械と言う、人が作った金属の塊であり、動力は、核エネルギーや太陽光エネルギーなどと言う事である。
通信に関しては、現在、3つの静止衛星を通信可能にしていると言う事であり、他にも3~4個は、それらしきものに接触を始めていると言う事である。
その仕事をしているのが、カルマの村にいる、ゲインツと言う事であった。
今は、この大陸では何処でも話せるが、この大陸を出た場所での交信ができるかどうかは、分からないと言う事であり、アサトらが、時間を見て連絡をしてくれればいいし、エイアイからも連絡を入れると言う事である。
ほかにも通信方法はあり、今、こうしてテレビ電話と言う事をしているのは、有線。
クラウトの言う通り、線と線を繋いで話している、アナログ的な方式と言い、他にも通信手段として、中継地点を作って、電波で交信する方法もあるが、これには時間がかかると言う事であった。
エイアイの弟子の村に、その中継局を作ってはいるとの事であったが、この事案で、少しばかり作業が滞っており、ファンタスティックシティにも、弟子らが難民として来ていると話していた。
とりあえず、通信網の確立は、多くの時間と労力が必要であり、いち早く導入できそうだった、衛星通信を選択したと言う事である。
エイアイの話しを理解しているのはクラウトだけのようであり、アリッサは、目を細め、クレアは近くにあるソファーに横になり、カルファは大きなあくびをしていた…。
…まぁ~、僕もそんな感じですが……
2階が生活スペースのようである。
本来は、ここで患者の容態を昼夜問わずに行っていたが、この事案が広まってから、色々と面倒な事が多くなり、今では、ココを生活スペースにして、往診での対応をしているようだ。
要は…、患者は人間族の者だけでは無いと言う事である。
人種問わずに分け隔てなく診察をしてきていたが、人間至上主義の動きが激しくなる中で、分け隔てなくの診察が困難になっていたのだ。
患者だけではない、看護師や医師を目指している者らの中にも、獣人の亜人やイィ・ドゥがおり、この一件が収まるまで、『ファンタスティックシティ』へと、その者らと、その家族らを避難させていると言う事であった。
そう言う事で、2階は生活スペースになっている…。
今夜は、その2階の生活スペースで休む事になった。
「それでは…、みんなが揃う前に、私たちは下準備をしたいと思います。」
「下準備?」
クラウトの言葉に、怪訝な表情を見せたカルファ。
「はい…、ココで書き示すのが、本当は良いのかもしれませんが…。文字の統一が出来ていないと言う事で、口頭で説明します…。まずは、王がいると思われる、キングス・キャッスルへの侵入の為に……」
クラウトは、説明を始めた。
それは……。
「まぁ~、そういう感じね…。なかなか頭いいじゃん!」
「そうね…。」
カルファの言葉にクレアも納得した表情を見せた。
「資金は?」
「…今は、これだけなんですが…」
布袋を手にしたクラウトは、袋の中をテーブルに金貨、銀貨、そして、銅貨と綺麗に積み重ねてみせた。
「金貨が160枚に銀貨が48枚、そして…」
「足りると思うわ…。じゃ、洋服とかは、明日、みんなが揃ってから用意するとして…。箱ね。箱…」
「はい…できるだけ大きく、そして、その中身は…」
カルファがクラウトの言葉を遮るように立ち上がると、部屋の奥へと進み、納戸を開けた。
「これにしよう!どうせ、エイアイの趣味で集めている物だから!」
その中には、大きめの金色をした壺と、土で出来上がった壺が6個並べてあった。
「それは…」
クラウトの言葉に、不敵な笑みを見せるカルファ。
「王都は物流が盛んな所、古の遺物だって、たまには流れて来るのよ…。その電話と言う物も、古の遺物。それを直して使えるようにしているって言ってたわ。この時代の人は、その使用方法も直し方も分からないからね。私がたまに漁っているのよ…。まぁ~、この壺に関しても…。3っつくらいは壊してもいいんじゃないかな?わたしは別に欲しいモノでないから」
言葉を発すると、一層、不敵な笑みを見せてから壺に視線を向けたカルファ。
その姿は、なんかあったのかも…、というような表情であるとアサトは思っていた。
「それじゃ…、それを使わせてもらいます。あとは…」
「箱は私達が用意するわ!」
クレアが立ち上がる。
「私達?」
「そう、もうそろそろ残りの2人が帰ってくるころよ。その子らが来たら買いに行こ。クラウト君も一緒ね!」
その言葉にクラウトはメガネのブリッジを上げて見せた。
「え?僕は?」
「弟弟子は…、ここでご飯を作るの!アリッサさんと一緒にね!それに…掃除も💛」
「え?…掃除?」
「そう!これじゃ…汚いでしょう?」
…てか、女性陣が多いのに……
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