此処は何処？私は誰？

第3話 読書を謳歌している時

　今日は一日中予定がないだらしない日だ。こういう日は電気代を支払って涼む替わりに外の風にあたって木陰で涼むことにしている。課題や読書をするだけなので部屋にいる必要はない。

　図書館をお勧めされる時があるけど，休憩がてら歩き回る時に気になった本を見つけてしまったらそれに時間を費やしてしまう。そして帰り道に自分の進捗を思い返して後悔してしまうのが目に見えるし記憶にある。

　それよりならば，周りに自然物しか無く心地よい雑音のみの川辺で独りおしとやかにしている方が集中できるし休憩が休憩になる。

　こんな休日を送れる事に対していろんなところに感謝したいものだ。

　ありがとう，ありがとう，そしてありがとう，もう一回ありがとう。

「・・・」

　一瞬後悔の念が出てきたけど，今日はお休みの日。時間はたっぷりある。飽きたらやめればいい。

　今開いている本を閉じて視界を緑で埋めてリフレッシュする。

「神様って今何やってるんだろう。」

？？？？？？？？

　そもそも神様なんているのだろうか。という問いもあるけど，その問いに対しては唯一神，八百万の神の存在を冷えた目で訴えてくる人が居そうなので，省略しよう。どこに過激派が潜んでいるかわからない。おぉ，こわいこわい。

　私たちは何かを達成した時，大きめなミスに気付いた時に思わず天を仰ぐ。なんで天を仰ぐか，よく言われるのは『天には神様がいるから。』である。神様の存在を否定する人にとってはファンタジーなユーモアがあって思わず笑ってしまうだろう。他には『前を向いている人間の首から動かしたときに一番可動域が広いのが上を向く方向だから。』というのも聞いたことがある。動かしやすい方向に動かしたいのは，手持ち無沙汰な四肢を思い返せば納得してしまう。宙ぶらりんな足は前後に揺らしたくなるし，太ももの上に乗せてる手は互いに触りたくなる。

　別の表現としては『oh my God(Godness)!』という言葉がある。意味合い的には『なんてこったい』だけど，ヒトによっては嫌いな表現になるので『Are you serious?(本当かい？)』を使った方がいいって聞いたことがあるけど，どっちも使ったことが無い。

　結局人間は神様の存在なしでは落ち着きを取り戻せないのかもしれない。その時神様は私たちに何かをしてくれたことはあっただろうか。私は無い。

　よく聞く言葉に『神様が見守っていてくれる。』がある。見守るだけならだれでもできるし，手を貸してもらえたとは言えない。

　『神は私を見放した。』も聞いたことがある。不幸が起こったヒトが言う印象がある。つまり，神は善の象徴であると判断できる。中には悪い神様もいるかもしれないが，“神様”は基本的に善なる存在（もの）と言える。

　ここまでの結論だと神様は私たちを見ていることをしていることになる。確かに“見る”は動詞だから行動に入るが，本当にそれでいいのだろうか。

！！！！！！！！

　誰かに見られた私は，その人に対して『見られている』ではなく『何をしているのだろう』という言葉が思い浮かぶ。つまり，はたからすると何もしてないにほとんど等しいことになってしまう。

　ボーッとみている部下に対して職務怠慢と判断して叱る人間をよく見る。部下さんはほかの仕事を見て勉強しているかもしれないにもかかわらず，とりあえず拳骨して叱咤する光景を画面を通して見たことがある。

　要するに，『見る≒何もしてない』という認識が少なからずあることになる。

　それでは解答欄に記入しよう。

　問：神様は今何をしているのか。

　答：何もしてないをしている。見ていると表現しても差異は無い。

　そろそろ本の続きが気になってきた。次は修道僧が急いで墓荒らしをするシーンだったはず。

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「おやおや見たことある背中だと思ったら，元気してるかい？」

「元気してたよ。おかげさまでね。」

「これは失敬。おひとり遊びのお邪魔だったかな？」

「お前はなんでここにいる。」

「ここはキャンプ場だ。そして今日は休みの日だ。わかるよね？」

「この場所はキャンプ場から徒歩5分だぞ。私の読書を邪魔しに来たとしか思えない。」

「残念だなぁ，せっかくバーベキューに招待してあげようと思ったのに。」

「確かにお昼を食べていない私にとっては好都合かもしれない。しかし残念だったな，読書を超える食べ物がそこにあるとは思えないな。」

「何読んでるの…うゎミーハーかよ。」

「むしろミーハー脱却のために読んでるようなもんなんだけど。」

「知ってる知ってる。『あぁロミオ，なぜあなたはロミオなの。』でしょ？」

「お前のほうがよっぽどミーハーじゃんか。どうせ何故か知らないんだろう？」

「ロミオが好きだからロミオをもっと知りたかったんじゃないの？」

「はいミーハー。さっさと肉や魚を食べて勝手に太って絶望してくるんだな。」

「そうかいそうかい。じゃあ鴨南蛮うどんを楽しんでくるかな。」

「私も同行しよう。読書はいつでもできるからね。」

「ああ嬉s悔しいにもほどがある。」

「一人当たりの鴨南蛮のが減ることが？」

「違ああああああああああああああああああああう！」